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第五十九話◇
ーカノンsideー
これで…良いんだ…。
「…カノン様。」
「ジルク。」
「よろしいのですか?」
廊下を歩きながらジルクに問われる。
「…ああ。」
もう決めたんだ。
「ヒナタを巻き込む訳にはいかねぇしな…。」
「これは…俺達の闘いだ。」
「はっ!」
頭を下げるジルクを横目に兵が待つ外へ出る。
外に出ると兵達とヴォルトやガイクもいた。
そして俺は二万の兵に命じた。
「誇り高き兵よ!!みんなもデルトの悪行を知っているだろう!!もう我慢の限界だ!!今こそ!!」
「今こそ我等の力を見せつける時だ!!奮闘せよ!!!」
『オオオオオオ!!!』
俺の言葉に応えてくれる兵達。
こいつらを裏切る訳にはいかない。
「似合わね~。」
「うっせ。」
一番頼りがいのある…ヴォルトと拳を合わせた。
お互い生きて帰れる様に。