57/81
第五十七話◇
屋上に続く階段を駆け上がる。
バンッとドアを開けると…
カノンがいた。
「…カノン。」
「…ああ。ヒナタか。」
ちらっとこちらを見るカノン。
コンクリートの床を歩きながらカノンの近くに立つ。
「うわぁ…」
屋上からは街が一望できた。
なんだかとても景色が綺麗だった。
「綺麗だね…」
「ああ。ここが一番落ち着く。」
少し笑うカノン。
「なあ、ヒナタ。」
「ん?」
「お前はさ…」
「自分の兄貴みたいなモン殺そうとしている奴みたら…どうする?」
…きっとそれは
「カノン?」
「俺がやろうとしてる事はあってるハズなのに…」
バルドの事だ…。
「自分の兄貴みたいな奴だった人物と国の国民…どっちが大事か分かってんだけどなぁ…」
あーと空を見上げるカノン。
「…俺、決めたわ。」
「?」
「もう振り返んねぇ。俺はバルドを殺す。」
「お前が証人な。」
無理に笑うカノン。
「それで…」
「それで…本当に良いのかな?」
カノンが目を見開いてこっちを見る。
「…お前さKY?」
「そ…そんなんじゃないし!!」
だって…
「私も…分かんないよ。」
「…だよなぁー…。」
空が綺麗に青かった。