第五十五話◇
話し合いが行われた日の夜…。
ヴォルト達はここにしばらくの間泊まるらしい。
まあ私は大勢の方が好きだから良いんだけど…。
…それよりカノンの様子がおかしい様な…。
まあ勘でしかないんだけどね。
与えられた自室でう~んと唸っているとコンコンと言うノック音。
「は~い?」
「私私ぃ!アンジェよ~!!」
あ、お姉さまだ。
「アスカもいるわよぉ~!!」
「ヒナタお姉ちゃ~ん。」
マジですか。早く鍵開けないと…。
「待っててね~。」
鍵を開けた途端に転がり込むようにして部屋の中に入ってきたのはアスカ。
「お姉ちゃん!!」
「アスカ~!」
ああ、癒し…。
「仲良いのねアンタ達…。」
お姉さまが珍しそうに私とアスカを見る。
「アスカがなつくなんてカノン様くらいよ。」
え、なんか嬉しい…。
「アスカ~!」
頬擦りしてみる。
「えへへ…」
あー!もう可愛い可愛い可愛いー!!
「アンタ幸せそうねぇ…」
悩み無さそう…とお姉さまが呟く。
そんな事…
「そんな事、無いよ…。」
アスカが不安そうに私を見上げる。
「…なに?話聞くわよ。」
空気が変わったのを察したのかお姉さまが言った。
「実は…」
私はカノンの事を話す事にした。