第三十七話◇
朝ご飯を食べ終わった私はカノンと一緒に雑談していた。
「あ、そうだ。」
ふとカノンが思い出したらしく言った。
「ヒナタ、ちょっと来てくれ。」
「うん。いいよ。」
断る必要もないのでカノンについていった。
カノンと一緒にご飯を食べていた部屋を出る。
どんどんカノンについて行くと長い階段。
「この階段何処に繋がってるの?」
私が聞くとすぐに答えが返ってくる。
「地下。」
…なんで地下?
それも聞こうとしたらもうカノンは階段を降りはじめていた。
「早!」
「ヒナター。早くしないと置いてくぞー。」
はいはい。今行きますよー。
カツン…カツン…。
私とカノンの足音が響く。
「…着いた。」
私とカノンの前には木製の大きな扉。
その扉をカノンが押すとギギーッと音をたててゆっくり開く。
「おおー!」
思わず歓声をあげる私。
扉の先には剣やら槍やら斧やら鎌まである。
言ってしまえば武器の山。
武器は全部壁に飾ってある。
「もともとこれ全部親父のなんだけどな。」
へ~…。
私がちょこまか武器を見ているとカノンが奥の方からあるものを出してきた。
「お前の専門はこれだよな。」
あるものはそう。弓と矢。
「お~!久しぶりの弓!!」
カノンが持ってきたのは竹で作られた軽いけど丈夫そうな弓。
「戦場で俺の近くに居るって事は十分お前も命狙われるからな…。自己防衛のために持っとけ。」
「分かった。」
私がカノンから弓矢を受け取った瞬間。
「カノン様!」
「「?」」
突然の声。
声の主はジルクで。
「どうしたんだよジルク。」
カノンが聞くとジルク言った。
「ガルベルの軍勢が進軍して来ました。」
え…?