第三十五話◇
「う~ん…良く寝たあああ…。」
あくびしながら伸びをする。
カーテンから漏れる朝日が眩しい。
「…よっしゃ!今日も一日頑張りますか!!」
気合を入れてまだ暖かい布団から私は抜け出した。
でもよく考えてみたら私の世界から持ってきた服って制服だけなんだよね。
制服って動きにくいんだよね~。
下着とかは侍女の人が用意してくれたけどパジャマ以外の服ってあるのかな?
…あったら貸してもらおう。
制服に着替えてとりあえず部屋の外に出る。
すると…
「んまっ!!なんて格好してるのアンタ!!」
…無視。
「ちょっとそこのアンタよ!!」
やっぱり?
説明させて頂きますと…
私の前にはオカ…
「ニューハーフよ!!」
「読まれた!?」
…ニューハーフのお姉さんがいます。
でもすごくオシャレだなぁ…。
「んふふ…そうでしょ?」
「…すいません。人の心読むの止めてもらえます?」
お願いします!!
「そ~ねぇ~考えてあげる…じゃなくて。アンタ!!」
「?」
「ダサい!!」
ガーン…
「オカマにダサいって言われた…」
ホント落ち込むわ…
「誰がオカマよ!!むっきー!!」
生むっきー初めて聞いた…。
ていうかこれ制服なんだからしょうがないじゃん…。
「んもう!アンタみたいの見てたら悲しくなってきたわ!!ついてらっしゃい!!」
「アタシの服あげるから!!」
「マジすか!?」
ガバッと顔をあげて聞く私。
「大マジよ!!」
「よっほーい!!お姉さま大好き!!」
「お姉さま…んふふ良い響きね…。ついてらっしゃい!!」
私は服をくれると言うお姉さまについていった。
…単純と思った人、前に出なさい。
矢を一本ずつ打ち込んであげるから。