第二十四話◇
「あ~…とりあえず俺の正体から言っとくか…。」
「そうですね。」
うん。そこは私も知りたいよカノン。
「俺の正体は龍人族の一人。んでもってこの国を治めてる。」
「…龍人族?」
「龍人族っつーのは人の姿にもなれるし龍の姿にもなれる一族の事だった。」
「…だった?」
「それも後で話す。…まあこの世界でも珍しい…んだな。多分。」
…曖昧~。口には出さないけど。
「んで次はこの国の事だ。あ~…うん…国の事はジルクに聞いてくれ。」
それで良いのか国王!!
「…では私から。」
あれ?ジルク…胃押さえてる?
ストレス!?ストレスだよね!?
…苦労してるんだね。今度胃薬でもあげようかな…。
「国名はドラグレイド。言葉を喋る獣と獣人や…他にはヒナタ様と同じ人間などが住んでいます。」
「へ~…。」
言葉を喋る獣か…会ってみたいなぁ~。獣人も気になるけど。
「言葉はヒナタ様の世界と変わりありませんからご安心下さい。」
…よかった~。
「お金ですがさっきも言いましたがドラグレイドのお金の呼び方は『ノイズ』他は何も変わりありません。」
そこまで言ってジルクはふと思い出したように続けて言った。
「あと、この城の中にあるお金ならいくら使っても構いませんから。」
は?
「ちょ…ちょっと待って!!」
「何でしょう?」
心底不思議そうに私を見るジルク。
「わ…私みたいなのに国のお金使っていいの!?」
嬉しいけど!!
「『みたいなの』など言わないで下さい。不可抗力とはいえ巻き込んでしまったのは我々ですから。」
「うだうだ言わないで受け取っておけって。」
ジルクに続いてカノンにも言われた…。
「じゃあ…お言葉に甘えて。」
ペコリと頭を下げてみる。
「じゃあ…本題だ。」
カノンの言葉に顔をあげる。
「ヒナタ…お前が命を狙われてる訳は…隣国との戦争に関係してる。」
「…戦争?」
いつの間にか日は落ちていて赤い光が部屋を満たしていた。