第二十三話◇
「はあああああああああああああああああなあああああああああああああああああせええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」
「うぇ!?」
「はあ…。」
突然の怒鳴り声。
しかもその声は聞き覚えのあり過ぎる声で。
ジルクは片手で額を押さえてため息を吐く。
「…カノンだよね?」
「カノン様ですね。」
うん。やっぱりカノンだった。
「お待ち下さいカノン様!!王族の方としてきちんとした格好を…」
「うっせえ!服なんてどうでも良い!!」
多分執事の人だろうか、男の人の声とカノンの怒鳴り声が響く。
バタバタという足音が近づいてくる。
バタン!!という音と共にドアが勢い良く開く。
「カノン様…王族として正装をしてくださいと何度…」
現れたのはシャツに長ズボンとラフな格好をしたカノン。
けど腰には一本の剣を差している。
「いーんだよ!俺にはコレがあれば良い。」
コレ…剣をポンと叩きカノンが言う。
「カノン。それ何?」
「あ~…家宝?」
「なんで疑問系なのよ…。」
「コホン。カノン様こちらに。」
「お、サンキュ。」
ジルクがどこからか椅子を出してきてカノンに言った。
「では…お話を始めましょうか。」
ジルクが笑って言った。