第二十一話◇
「駄目だ!!」
「いいじゃない!カノンのケチ!!」
ただいまカノンと絶賛ケンカ中。
ケンカの内容はアスカを連れて行って良いか駄目か。
減るものでも無いし良いと思うんだけど…。
「ヒナタ様…アスカにはいつでも会えますし…引いて頂けると…。」
見かねたジルクが私に言う。
え~…。
「つーことだ!ごめんなアスカ。」
前半は私に後半はアスカに向かって言うカノン。
「ううん。大丈夫。」
あ~…癒される。
「うっし!んじゃ自分の部屋に戻れるな?」
「あいっ!!」
元気良く返事をするアスカ。
ほんっと可愛い!
何回目か知らないけどとにかく可愛い!!
お城の中に入っていくアスカ。
しかし、くるっと振り返りタタタ…と私の方に駆け寄ってくる。
「どうしたの?」
「……。」
ジー…っと私の顔を凝視しているかと思ったら。
ニパッと笑って言った。
「ヒナタお姉ちゃんありがとう!」
…うわぉ~。
「ばいばい!!」
動けない私に手を振ってアスカはお城の中に入っていった。
「癒されるよなぁ~アスカ。」
ごもっともです。カノンさん。
「つかなんで固まってんだ?」
……あんな可愛い顔であんな可愛い事言われたら固まるでしょ。
結局私の硬直が解けたのは少し経ってからだった。