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第十八話◇
ーヒナタsideー
…完全に迷いました。
困ったな…これ以上無い位に。
「どうしよう…」
目が涙目とか言わないで。お願い。
クイッ
「?」
制服のブレザーが引っ張られる感覚。
なんだろう…。
不思議に思い後ろを見ると…
「……。」
茶髪で短髪の可愛い女の子。
体系からして七歳くらいかなぁ…?
そんな女の子が私のブレザーを掴んだまま私を見上げていた。
「どうしたの?」
どこかにお母さんがいるはずなんだけどなぁ。
「……えっぐ。」
…………ええええええええええぇぇぇぇぇぇ。
どうしたのぉぉぉぉ!?
いきなり涙目にならないで。
やめてぇぇぇ。
私まで泣きたくなるから。
ただでさえ今涙腺緩んでるんだから。
でもさっきからお母さん来ないしまさか…
「迷子?」
コクンと頷く女の子。
やっぱり…。
大丈夫。お姉ちゃんも今迷子だから。
じゃなくて!!
「お使いなの…早く帰らなきゃいけないの…」
↑うるうる+涙目+上目使い
うっ…今絶対私100のダメージ受けた…。
殺人的な可愛さね…。
こんな子一人にしたら絶対さらわれる…
「帰んなきゃ…お城に帰んなきゃ…」
…はい?
「…お城?」
「あたしのお家。」
…マジですか。