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第十六話◇
「うわ~。凄い人…。」
カノンとジルクと一緒に門を潜った先は街だった。
お祭りの時に出店が並んでいる様にここもたくさんの店が並んでいる。
しかもかなりの人がいる。
で、不思議なのが街の人々。
カノンを見るたび「おはようございますカノン様。」と声をかけてくる。
それに対してカノンは「おう。」とか適当に返してるんだけど…。
…解せぬ!!
なに?やっぱカノンって偉い人だったり?
いやナイって。
だってカノンだし。
う~ん。
やっぱり思い切って聞いちゃおうかなぁ。
よし!聞いちゃおう!!
「ねえカノ……あれ?」
おかしいなぁ?私の前を歩いていた赤頭がいないんだけど~?
ていうかあの人達いないと私何処にいけばいいのかも分かんないんだけどぉ~。
これは…あれだね。うん。
「私…迷子だったり…?」
やばいでしょ。まじめに。
こんなに人が多いところではぐれたらまず会えないでしょ!
こ…この年で迷子になるとは思ってなかった…!!
「うあ~…どうしよう…」
冷や汗タラタラでカノンとジルクを探す。
けどいない。
うっ…人酔いしそう…。