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第十三話◇
風の音が聞こえる。
「……い…」
誰かの声も風の音に混じって聞こえる。
「…お……ぃ……」
「…おい……」
「ぅおい!!」
「みぎゃあ!?」
目を開けた瞬間火音の顔どアップ。
「……。」
「……。」
私が飛び起きた瞬間沈黙。
「はぁ~…ッ!!」
盛大なため息を吐いて火音が崩れ落ちる。
「なに?」
「マジでビクった…。気絶するとは思わなかったから…!」
冷や汗タラタラな火音。
ていうか…
「ここどこ!?」
「今さら!?」
だってしょうがないじゃん。
見渡す限り草原の丘。
目を凝らして見ると前方に街の様に建物がいっぱいある所がある。
そんな所に私達はいた。
「あー…。とりあえず別世界。」
「うん。それは分かる。」
「んでもって俺がいる国。」
「へー。国とかあるんだ。」
「ああ。一応…な。詳しい説明は街でしてぇからついてきてくんね?」
「分かった。」
私と火音は歩き出した。