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櫻子氏からの動画ファイル②

「聞こえますかー? なんとか水を確保し、大小の排出に成功しましたー」

 

 どうでもいいです……と画面の前で呟きそうになるのをこらえて僕は動画の続きに目を凝らしました。

 

 見た目は至って普通の病院です。

 

 やや古ぼけてはいるものの、地方なら実在していても全くおかしくない程度の老朽化具合――とでも言えばいいでしょうか。

 

「ええー。今から少女と瀕死マンを探しに行きます。術後の予後を観察するために入院していたわけですから、ここは外科病棟だと思われます。少女の容態を鑑みるに、彼女も同じ外科病棟にいるはずです。問題は時間軸が同じなのかという部分ですが……」

 

 確かに彼女の言う通りです。

 

 あの記事がいつ書かれたものかが分かりません。

 

 とっくの昔に退院(その内実はあまり考えたくありませんが……)していてもおかしくはないのです。

 

「とはいえ、私も何の根拠もなくこの階にきたわけではありませーん。実は回診の時に看護婦さんじゃなかった。年齢がバレる……ナースのおば様から気になる話を聞いていたのです」

 

 先に言えや。

 

 そしてお前の歳は俺の四個上じゃボケ。

 

 どうもこの人を見ていると調子が狂わされていけません。

 

 僕が深呼吸している間に、彼女は話を始めました。本当に息が合わない。

 

「話によると、三階に女の子が入院しているというんですね。なんでも随分長いこと入院と手術を繰り返しているそうで、塞ぎ込んでいるんだとか。看護……ナースのの人いわく、私みたいな能天気な馬鹿が話でもしてくれれば、少しは気分が紛れるんじゃないかというのがその話の趣旨でした。R-1予選落ちの実力を見せる時が来たわけですね」

 

 いつ、何にチャレンジしてんだよ⁉

 

 初耳の爆弾発言です。

 

「ということで、その女の子を探してみます。ミミズがいないことを願うばかり。くわばらくわばら」

 

 そう言って彼女はトイレの個室を抜け出し、廊下へと向かいました。

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