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6月15日

四肢に酷い外科的損傷を負った少女が運び込まれる。

路上における事故という説明であったが、四肢は黒く変色し重度の科学火傷を連想させる。

薬品による事故という意味だろうか?

背中にも同様の黒ずみが見られ、まるで縦に大きく亀裂が走っているようだ。

しかしこちらは古い傷跡らしく治癒済みであった。

とりあえず患部を消毒後、ワセリンで保護し、抗生物質を投与。意識の回復を待つ。


6月16日

少女が目を覚ました。

傷の痛みで暴れるので鎮静剤を投与した。

誰かを許さないと叫んでいたことから、傷害事件による科学火傷の可能性もあるため、警察に連絡した。

しかし奇妙なことに、容態を説明すると警察は急に素っ気ない態度に変容し、取り調べ等は行われなかった。

傷口の状態は依然悪く、重度の障害が残るだろう。

特に両手指に至っては、熱傷が骨にまで到達しており、切断も考慮しなければならない。


6月17日

容態が急変。

熱傷が今になって進行している。

前腕部の皮下組織にとどまっていたはずの熱傷が侵食し、やはり骨に到達。

少女が痛みで藻掻き苦しむ様は、この世の地獄のようだった。

麻酔医、内科医と協議の結果、切断するのも止む無しという結論に至った。


6月18日

緊急オペにて少女の四肢を切断する。

両足の腓骨にも侵食が見られたため、急遽、膝から下も切断することとなった。

また切断面からミミズ様の寄生虫が発見され摘出。

見たことのない寄生虫であったためホルマリン処理を施した。


(追記)

背中の亀裂様の傷跡が、なぜか再び湿潤してきているように見える。

非情に不謹慎ではあるものの、素直な意見を残したい。

前腕と膝から下を切断した少女の姿と、背中の亀裂を見てあるものを連想した。

この姿はまるで、羽化寸前の蝉のようだ。

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