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ミロクの世とは?

 日月神事では、真の神臣(しんみん)が目覚めて、悪の神に惑わされない世界〝ミロクの世〟の到来を説いています。


 僕が大きく思い違いをしたのもこの部分でした。


 ゴンジキ様、あるいは艮の金神は、蝉様を倒してくれる上位の存在だと思ったのです。


 しかし、実際には倒してくれるどころか、危うく僕は金神七殺という最強クラスの祟りに遭う可能性がありました。


 それはこのことからも読み取れます。


 善言よごとは神、なにも上下、下ひっくり返ってゐるから、分らんから、神の心になれば何事も分るから、鏡を掃除して呉れよ。今にこのおつげが一二三ヒフミばかりになるから、それまでに身魂をみがいて置かんと、身魂の曇った人には何ともよめんから、早く神こころに返りて居りて呉れ、何も一度に出て来る。海が陸になり陸が海になる。(第三帖 (三)より抜粋)


 この世界は鏡で、逆さまの世界だと日月神事は言っています。


 逆さまなのです。


 良いと思ったゴンジキ様、艮の金神も逆さまの神なのです。


 そして一二三は日月と読みます。


 ミロクはどう読むのでしょう?


 答えは単純です。


 六六六と書いてミロクと読むのではないでしょうか?


 外国神が日本を滅ぼしにやって来た。

 そうしてそれを倒してくれる善い神だと思って縋った艮の金神もまた、六六六の世界の到来を実現する逆さまの神なのです。


 僕は蝉様に憑かれた時、ゴンジキ様を頼りました。

 その時、ゴンジキ様は嗤ったのです。

 金色の光の中で、世にも邪悪な笑みを口元に湛えて、ゴンジキ様は嗤ったのです。


 それで僕は、艮の金神がオヨメに手が出せないようにしようと、埋め物をしに裏山に入りました。

 自分の命と引き換えにしてでも、それだけは守らねばと思ったのです。


 しかし、ゴンジキ様は信じられないほど強大な神でした。

 思い出しただけでも身体が震えてきます。


 僕は艮の金神が五行で言うところの〝金〟の性質を持っていると考え、それを剋する〝火〟の性質のある埋め物で対抗しようとしました。

 すなわち、三角錐の形をした赫瑪瑙です。

 幸いなことに、今は丙午(ひのえうま)の時期で、火のエネルギーが活性化しています。

 この力も借りて、なんとかゴンジキ様が我が家に近づけないようにしようと思ったのです。


 ですが実際にはそれよりも先に、僕は蝉様によって正気を失いました。

 オヨメが山の中で僕を見つけた時、僕は逆立ちしながら排泄物を垂れ流し、れを自分の顔に受けながら笑っていたそうです。


 ケタケタと笑いながらも、涙を流して丑寅の方角を見据えていた僕の口に、オヨメは赫瑪瑙を突っ込んでくれました。

 それにより、蝉様の〝木〟の気を昇華し、僕は正気に戻ることが出来ました。


 蝉様――シェミハザは別名を〝木の根を断つもの〟すなわち薬草学になぞらえられる場合があります。

 これが恐らく木の気の根源であって、火の気を宿した赫瑪瑙によって昇華されたのでしょう。


 恐らく、オヨメの機転で蝉様との縁がいったん白紙に戻ったことで今は安全な状態ですが、再び調査を開始すれば、またしてもゴンジキ様が金神七殺をもって狙ってくるでしょう。


 これ以上櫻子氏を救出するために、調査をすることは出来ません……

 相手が悪すぎます。

 来る暗黒時代、六六六のミロクの世を統べる神が相手などとは、思ってもみませんでした。

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