深川です。僕は無事です。
深川です。僕は無事です。
皆様ご心配をおかけしました。
先ほど真っ暗な中、オヨメに救出されてなんとか家に帰ってきました。
方々にご心配とご迷惑をおかけしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
経緯を説明させていただきます。
まず僕は〝予言ゼミ〟の正体を看破することに成功しました。
古代ユダヤ由来の古い神です。
名をシェムハザ――あるいは〝シェミハザ〟と言います。
第一エノク書に登場する天使長の一人で、人の子が美しいのを見て200人の天使を率いて堕落した堕天使です。
人間に魔術や薬学、そして占星術を教えた張本人でもあります。
本来はシェムハザが正しいかと思われますが、ここではシェミハザで統一させていただきます。
なぜ予言ゼミの正体がシェミハザなのか?
そうです。シェミハザ=蝉様です。
ダジャレのような巫山戯た話ですが、これは後述する言霊とある予言書が関わってきますので、今は割愛させていただきます。
もう一つの根拠は蝉様の姿です。
蝉様はしばしば逆さに吊られた姿で登場します。
シェミハザもまた、創造主に逆らい人々に魔術を教えた罪により、大天使ミカエルに捕えられ天と地の狭間の暗闇で逆さ吊りの刑罰を受けているとされています。
これらの符合と、占星術と未来を見通す性質の類似性から、僕は蝉様をシェミハザだと推察しました。
ですから、その後ろで黄金に輝いているのはミカエル。
あるいはヤウェそのものだと思ったのです。
皆が恐れるゴンジキ様に依り頼めば、蝉様を調伏できると思いました。
蝉様を調伏して、万馬券を(これではまるで櫻子氏と同じようで大変不本意ではりますが……)無傷で手に出来ると考えたのです。
これが大きな間違いでした。
ゴンジキ様はミカエルやヤウェのような存在ではなかったのです。
その事に気がついた時にはもう手遅れでした。
だから僕は、なんとか最悪の事態を避けるべく、裏山の北東の方角――丑寅の鬼門に埋め物をしようと山に登りました。




