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肚を括る


 僕は肚を括ってもう一度最初から調べ直すことに決めました。


 そのためにまず情報を整理します。


 事の発端は櫻子氏が我欲の為に調べ始めた〝予言ゼミ〟です。

 未来を見通すというテーマとは別に、予言ゼミの中には〝くくりく くくるき くくらよ〟という言葉が含有されています。

 それと一度だけ〝さんこうてん〟という言葉が出て来ましたが、こちらは皆目見当もつきません。

 予言ゼミ関連の話の中に集団失踪事件があったことから、櫻子氏の失踪は主に予言ゼミに起因する怪異であると推察します。


〝くくりく〟を調べると今度は〝みみずち〟という言葉に繋がりました。

〝みみずち〟の中には〝ヤギおじさん〟〝シーボルトミミズ〟〝逆さづりの女〟の三つが含有されています。


 これらの怪談に失踪事件や神隠しなどの要素は今のところ見当たりません。そしてこれらは別々の怪談として存在しており、繋がりは今のところ見つかっていません。


 ただ、シーボルトミミズが太平洋側に生息することを考えると、これらの話は太平洋側で発生した話かもしれないという仮説が成り立ちますが、それについても確証はありません。


 初め櫻子氏は〝くくりく〟と〝みみずち〟には関連性は無いと判断しましたが、後にその考えを改める趣旨の発言をしています。

 そして入院している病院の廊下でミミズの化け物に遭遇した際、ソロモンに関係することを示唆する発言をしました。


 ソロモンから連想される内容としてはヘブライ、シュメールなどがあります。

 ところで皆様は日ユ同祖論という学説をご存知でしょうか?


 明治期に来日したスコットランド人のニコラス・マクラウドが日本と古代ユダヤとの相似性の調査を進め体系化した説が元になり、日本民族とユダヤ系民族と間には密接なつながりがあるという仮説です。

 その後も多くの人が研究を重ねている分野でもあります。


 予言者イザヤの時代(紀元前8世紀)に国を追われたイスラエル民族が、縄文時代の日本に渡来し神々のモデルになったというものなどが有名です。


 この仮説を信用するのであれば、日本にソロモンやヘブライ由来の霊的存在が存在していても不思議ではありません。

 櫻子氏は〝くくりく〟〝みみずち〟の中に、これらの渡来した神々を見出した可能性があります。


〝予見ゼミ〟のうたい文句は『未来を見通す目』でした。


 これはピラミッドと共に描かれる〝万物を見通す目〟を想起させ、やはりヘブライ圏の文化を匂わせるところがあります。


 僕は櫻子氏の言葉を頼りに、ヘブライ的な視点でそれぞれの怪談を調査し直すことにしました。

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