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第1話 ワンダー大国 呪い
それは七つの大樹に囲まれた国だ。
たくさんの人が住む、人と人の交流が活発な国である。
その国に住む者達は絆を大切にしている。
血の流れよりも、共に過ごした時間や、相手との間にある出来事で、人を大切にしていた。
だから、血のつながらない家族が家族として生活している者達が多くいた。
そんなワンダー大国に血の呪いが降りかかった。
それは、ある時に英雄に討伐された悪い魔王が、かけた呪いだ。
たくさんの人に降りかかったその呪いは、血を同じくしている者を死に至らしめる呪いであった。
次の世代の同じ血を持つものが死ぬと言う呪いだった。
血の流れを大事にしている国であれば、それは致命的な呪いであっただろう。
しかしワンダー大国はそうではなかった。
たくさんの犠牲者は出たが、何十年後も国は変わらず存在し続けたのであった。




