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(2巻出ます)新米魔女の異世界お気楽旅 ~異世界に落ちた元アラフォー社畜は魔女の弟子を名乗り第二の人生を謳歌する~  作者: 三毛猫みゃー


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第75話 魔女、正装する

 さて、アンジュの手に乗り城へ戻ってからの話をしましょうか。アルバートとスレイナが試練を終えたことが確認された。翌日にアンジュが上空を数度旋回してその姿を人々に見せることにより、新たな王が誕生することが知られることになる。


 私は知らなかったのだけど、後継者が龍の試練を無事終えることができれば、その者が次代の王となる事になっている。今回のように王族であるアルバートとスレイナの二人が参加したように、複数の場合は一人は何かあった時の予備というわけだ。


 参加する時点でどちらが継承するのか予備なのかは決めているらしい。今回は長子であるアルバートが順当に継承するけど、過去には長子が予備になり末子が王になったこともあるみたいだ。


 私たちが戻ってきた時点で戴冠式の準備はほぼ終わっていたようで、式は三日後にやることになっている。そしてアンジュが姿を晒してからは城下町でお祭りが始まることになった。このお祭りは戴冠式が終わってからも三日ほど続き、お酒や食事は無償で提供されることになる。


 今回行われた龍の試練のことは事前に国内の貴族には知らせが行っていたようで、王都には参加する貴族の当主か代理が既に揃っている。つまりは、ダンジョンの報告やアルバスの護衛のための同行だと思っていたカルロたちも知っていたというわけだ。


 つまり知らなかったのは私だけだったようだ。まあ私は貴族じゃないしあの時点では関係者ですらなかったので、知らされていないのは当たり前のことだけど。


 戴冠式までの間は私も城に待機する事になり、その戴冠式に私も参加することになっている。ディーさんの策略により私自身がアルバートの後見というか、後ろ盾みたいな扱いになっていた。


 はっきり言ってどうしてこうなったのかという感じではある。特に何かをする必要はないらしいけど、アルバートが困った事態になったら助けてやって欲しいとディーさんに頼まれては嫌だと言えない。


 後ろ盾に関しては城の人たちは訓練場のことや、その後私がアルバートやスレイナの師匠となっているのを知っているから反発はなかったようだ。だけどそれを知らない貴族から反対は出ないのかなと少し思ってたりする。


 戴冠式は城下町のほぼ中央にある六神教の神殿で行われる。神殿より上に貴族街や城があるのはどうなんだと思われそうだけど、六神教はそういう細かいことは気にしない宗教なので問題ないらしい。



 戴冠式当日になった。今の私の格好は魔女の正装だったりする。魔女の正装というのは金糸で彩られた白のレースワンピースドレスと純白のローブになっている。魔女と言えば真っ黒の服にとんがり帽子というイメージだと思うけど、こちらの世界では違う。


 レースワンピースドレスには金糸で文様が描かれていて、この文様にも意味がありそれぞれの魔女によって書かれている文様の意味することが違う。そしてその上から前開きにされた白いローブを羽織っている。流石にこの格好の意味を知っているディーさんは驚いていた。


 そんなわけで、戴冠式前の忙しい時間ではあるけど、王族の皆さんに集まってもらった。どうして集まってもらったのか。それは私について説明することにしたからだ。


 この場には前国王夫妻、現国王夫妻のアルガスとティアーナ、第一王子のアルバート、第一王女のスレイナ、第三王女のディアンナ、そしてアンジュにディーさんとアルバスさんが集まっている。


 前国王夫妻は王都から離れた南の方にある海沿いの国有地に建てられている、避暑のための屋敷で隠居後は悠々自適な生活をしているようだ。そして今度遊びに来ると良いと誘われた。次の旅の目的地として海の幸目当てに行ってみるのも良いかもしれないね。


 第二王女は既に他国に嫁いでいて賓客として招かれているのだけど、この国の王族ではなくなってるのでここにはいない。それと第二王子は継承権を放棄していて、王家に戻らないで冒険者を続けているようで、今はこの国にいないのだとか。そこそこの魔術の使い手らしくて通話の魔導具でたまに連絡はしてくるようだけど、今回は間に合わないので欠席のようだ。


「さてと忙しい中でみんなに集まってもらったのは、私が後見や後ろ盾になることに関わることを話そうと思ったからです」

「エリー殿の事はお祖母様から、魔の森の魔女の弟子だと聞いているが?」

「うん、それは間違っていないよ。私は魔の森の魔女の弟子でもあります。ディーさんは私のこの格好を見た時点で気が付いたみたいだけどね」


 そう言ってスカート部分を軽く摘んで少し持ち上げて見せる。


「エリー、やはりそうなのね」


 少し憂いを含んだなんとも言えない表情をディーさんは浮かべている。私は右手を上げてパチンと指を鳴らす。それと同時に室内の灯りがすこし暗くなる。


「私は魔の森に住まう導きの魔女、ヴィライト・ユグドラの弟子にして、この世界で五人目の魔女イノウエリ」


 ポシェットから取り出した杖の石突で床をトンと突くと、赤青黃緑白黒の光が現れランダムで私の周りを回りだした……所で頭を思いっきりはたかれた。前のめりに転けそうになったのをなんとか耐えてみせる。


「いたっ」

「はぁ、エリーこの忙しい時に遊んでるんじゃないよ」

「もうおもいっきり叩かなくてもいいじゃないですか」


 私が演出のために使っていた魔法を解除して頭を擦りながらディーさんに文句を言っておく。部屋を暗くしたり、光の演舞をしたり、後は後光を出したら完璧かなと思ったのだけどディーさんに止められた。ええそうです、全部私がやりました。反省はしていない。


「馬鹿やってないで真面目にやりなさい」

「別にふざけてやったわけじゃ、なんかそれっぽくしたほうが説得力あると思っただけですよ」


 とまあ冗談はこれくらいにしておいて、ディーさんの的確なツッコミのお陰で魔女だ何だと言っても、私は私なのだと思ってくれたんじゃないかな。王族のみなさんが今のやり取りで正気に戻ったのか苦笑を浮かべている。


「あーその、師匠の今の言ったことは本当なんですか? 魔女の弟子ではなくて師匠自身が魔女だと」

「そうだね。それであってるよアルバート」

「なんと、これは驚いた。只者ではないと思うておったが、魔女そのものだったとはの」


 アルバスをはじめ、ディーさんとアンジュ以外のみんなは驚いたようだ。


「まあ、そんなわけだから、後ろ盾になったとしても余り手を出せないよってことを言っておきたかったんだよね」

「我々王家のものとしては建国王と共にいた魔の森の魔女、その方の弟子であるエリーと繋がりを持てたと喜んでおったが、それ以上の存在だったとはな」

「魔女としては手を貸すのには色々と限界はあるけど、アルバートもスレイナも私の弟子だからね。師弟としてなら手を貸してあげるよって所かな」


 とまあこんな感じで正体を明かしたわけだ。必要だったかと言われるとどうだろうとも思うけど、知っているのと知らないのじゃやっぱり違うと思うからね。私が魔女そのものだと知ったことで、私との関係をどうするかをちゃんと考えてくれるでしょう。


 世間一般の魔女という存在は、劇物や爆発物注意みたいな扱いらしいからね。

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