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20話  作者: マグciel
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悪魔の眷属による襲撃


 アルスたちと別れた後、シエルたちの方は避難した国民の護衛をするために西部へと向かっていた。

しかし、その途中で魔法による襲撃にあった。

シエルに向けて放たれた魔法をソイルが剣ではじくと、その者が正体を現した。

「あら?賢者の中にもイケメンがいるなんて、そんな情報なかったわ。ねぇそこのお兄さん、私と一緒に来ない?」

黒いローブに身を包みながら、その女性はソイルを勧誘した。

言葉に込められた思い的には誘惑の方が合っていそうだったが、その言動を許さないものがいた。

ローブを身に纏った女性に対し、幾つかの風球が放たれた。

女性はそれらを回避しながらも魔法を撃った方に目を向けた。

「兄さん、ここは私に任せて、ゼータと西の方に行って。」

「お、おう。よく分からんけどお前が殺る気に満ちてんのは分かった。ゼータ、行くぞ。」

「了解。」

「ゼータ、抜け駆けは許さないからね。」

「うん、分かってる。」

魔法を放ったのはシエルであり、何やら怒っている様子だった。

そんなシエルに任せ、2人は西部の方へと向かった。

しばらく走っていくと、城門の外に数千人もの国民が集まっていた。

その周りを囲うように兵士がおり、何やらモンスターのようなものと戦闘していた。

しかし圧倒的に数が足りていない様で、数十人の兵士が既に負傷していた。

「あれは...悪魔の眷属か。ってことはあいつらの相手の中に悪魔がいるな。」

「ソイル?」

見えてきたモンスターのようなもの達を悪魔の眷属と断定したソイルは、隣にいるゼータが心配するほど冷や汗をかいていた。

「いや、あいつらなら大丈夫だろ。ゼータ、俺は避難場所を創るからあの眷属の方は任せていいか?」

「了解、ゼータに任せて。」

そう言って城門から飛び出したゼータはその勢いのまま、兵士を襲っていた悪魔の眷属数体に向けて魔法を放った。

「サンダーディセミネイション」

悪魔の眷属の足元に魔法陣が展開され、上空から雷が降り注ぐと、その魔法に直撃した数体の眷属達は消滅した。

さらに周りを囲んでいた10体の眷属達を対象にし、その体に電気の輪が付与された。

「ライトニングコネクション」

そして魔法の発動により、先程より強力な雷が眷属たちを襲った。

残っていた眷属たちも続く魔法によって消滅した。

「ゼクスライトニング」

6つの雷が6体の眷属を消滅させた頃、ソイルは近くで魔法を展開していた。

ソイルは3つのセターレを使用し、付近の地形や障害物などを把握し、数千人の国民を入れられるだけの避難場所を創っていた。

やがて巨大な岩石で出来た立体を創り出した。

「国民の皆さん。今王国内では襲撃者と我々の仲間が戦闘を行っております。ここの他にも王城にも我らの仲間がおり、国民の保護を行っております。我らの仲間は皆マスターランク冒険者です。ご心配しなくとも、すぐに襲撃者たちを撃破するでしょう。ですので今はこの中でお待ちください。兵士の皆さまは誘導をお願いします。」

ソイルが民衆の下でそう言うと、兵士たちの誘導でソイルの作ったシェルターへと避難した。

民衆が移動し終えると、十数人の兵士とソイル、ゼータは外の警備をしていた。

「ソイル、大丈夫?」

「セターレで得た地形や地盤、それらに合うように魔法で数千人が過ごせるシェルターを創んのは流石に疲れたよ。」

「膝枕する?」

「いや、流石に人が多いし、まだ警戒は解けないからな。でもま、あいつらなら大丈夫だろ。にしても、ゼータありがとな。」

「ん//」

ソイルに撫でられたゼータは頬を染め、嬉しそうに微笑んだ。


 3人ずつで別れた後、アルスが襲撃者を止め、ヘスティアとエリスで中部に取り残された人たちと王城に避難した人たちの援護をしていた。

2人が中部にたどり着いた時、数十名の兵士と悪魔の眷属が対峙しており、その後ろでは他の兵士たちが住民の避難を行っていた。

「あの人数からして、国内で数百...数千人規模で兵が動いてそうね。...ってエリス?」

先程まで横にいたはずのエリスは兵士と対峙していた悪魔の眷属の対処をしに行っていた。

「イビルレイン、カトルフィンスターニス」

鋭く尖った闇魔力が雨のように降り注ぎ眷属たちを突き刺していった。

さらに他の眷属たちに向けて4つの闇球を放ちその場にいた眷属たちを仕留めた。

「すまない、助かったよ。確か君は国王様に招かれた方々の一人だったか。」

兵士の一人が自分たちを救ってくれたエリスに話しかけた。

球に話しかけられたため少し驚いたが、すぐに返答をした。

「そうです、エリスと言います。」

「エリスさん。重ねて申し訳ないのだが、国民が避難するまでここを頼めますか?」

「はい、大丈夫です。...いいよね?ヘスティア。」

この場の対応を頼まれたエリスは、ヘスティアの方を向いた。

エリス的には王城に行くよりもこの場にいた方がアルスを助けに行きやすいと思っていた。

「ええ、私は王城の方に向かうから国民の避難が終わったらまたリンク入れるわ。その後はアルスの方へ手助けに行ってあげて。」

「うん、分かった!ヘスティアも気を付けてね。」

エリスは嬉しそうに返事をしてヘスティアを見送ると、どこからか悪魔の眷属たちが出現した。

出現した眷属たちに対し、ケイオス(鎌)を持ち次々に切り裂いていった。

「エビルバレット、ツインダークペネトレイション」

そして離れた位置にいる眷属に対しては闇弾や2つの黒光線の魔法を放ち、それぞれに被弾した眷属は次々に倒されていった。


 ヘスティアはエリスと別れた後、王城の護衛に回っていた。

王城に着いた時、既に兵士たちが悪魔の眷属たちと対峙していた。

複数体の眷属が倒され、その倍以上の兵士たちが負傷していた。

「フラム、ゼクスメガフレア」

短剣に炎を纏わせ、魔法陣を展開して6つの炎球を放つと、それらに被弾した眷属たちは燃え尽きていった。

同族がやられた様子を見た他の眷属たちがヘスティアに襲い掛かった。

正面や側面から向かってきた眷属を数体切り裂いていき、後ろからきた眷属に対し攻撃を上空に回避したのちに魔法で対処した。

「スパイラルフレア」

螺旋状の炎は眷属を貫き、焼き尽くした。

こちらの方に来ていなかった眷属たちはその光景を見て逃げようとしていたが、ヘスティアの追撃によって逃れられなかった。

「トラッキングフレアディセミネイション」

無数に放たれた火球はヘスティアの目に映った眷属たちに対して追尾した。

自分たちを追ってくる火球に対し、眷属たちは避けられず被弾し、消滅していった。

辺り一帯にいた眷属たちを倒したことを確認すると、1人の兵士がヘスティアに近づいた。

「貴方のおかげで助かった。俺は王国騎士団団長のヴィルだ。貴方はヘスティアさんですよね。」

「ええ、そうよ。貴方、確か玉座にいたわね。まぁそれはいいとして、こいつらは一体何者なのかしら...」

「おそらくだが悪魔の眷属です。まさか悪魔がこの国に入っているとは。」

「(もしかしたら私たちのせいなのかも...)」

「そうだ、まだ住民の避難が完了してないので、それまでここにいてもらってもいいですか?」

「了解したわ。」

ヴィルから頼まれなくとも王城を守るつもりでいたヘスティアは了承し、住民の避難が終わるまで、しばらく警備し続けた。

「ヘスティアさん、住民の避難が完了しました。他の兵によりますと、ここに居ない者は西部に避難したとのことで、そちらの方も安全を確保できたとのことでした。」

「それは良かったわ。でもいつまた来るか分からないし、ここに居た方がいいわよね?」

「出来ればそうしていただきたいのですが、いいでしょうか。」

「勿論いいわよ。騒ぎが落ち着くまでここの護衛をさせてもらうわ。」

「感謝します。」

住民の避難が終わった後も王城の護衛を続けるといったヘスティアにヴェルは感謝し、王城の中へと入っていった。

ヴェルを見送った後、ヘスティアには約束通りエリスに繋魔法(リンク)で連絡を送った。

 エリスはヘスティアからの連絡を受け取ると、周りにいる兵士にその場を任せるように伝えてアルスの元へ急いだ。

その間にも悪魔の眷属たちが襲い掛かって来たものの、ケイオスで切り裂き出来るだけ魔力を使用しないようにしていた。


 エリスとヘスティアの2人と別れた後、アルスは奇襲を仕掛けて来た者と対峙していた。

「俺の相手はガキか。なめてんのか?」

「貴方ごとき賢者最弱の僕で十分ですよ。」

怒りをあらわにしている相手に対して煽るように言った。

しかし相手はさらに怒るのではなく、笑っていた。

「くははは。ガキ一匹で俺を止められるっつーその考えはおもしれえな。...お前、名は?」

「アルス・レーヴです。貴方は?」

「俺はエクウス、フォルカス様の従者だ。さて、そろそろ始めようか。」

エクウスとアルスは互いに名乗り、戦闘が始まった。

まずエクウスが所持していた剣で切り裂こうとアルスへ距離を詰めた。

「ホーリーライトプロテクトレイ」

しかしエクウスの剣は光の魔法壁にはじかれ、追い打ちをかけるようにアルスは側面から光線えお放った。

その光線を後ろに下がることにより回避したエクウスは、魔法で攻撃をした。

「フェルドピラー」

足元に魔法陣が展開されたアルスはその場から後ろに下がった。

先程までアルスのいた場所に展開された魔法陣からは炎の柱が出現した。

「お前それ、混合同時詠唱か。ってことは森精族(エルフ)の血が混ざってるみてぇだな。」

「それがどうかしました?ずるいとか言いませんよね?」

「言う訳ねぇだろ。俺は森精族を何匹も殺して来たからな、それを使えたところで俺には勝てねぇぞ。」

2人はお互いに距離を取る形となった。

エクウスはアルスが森精族であることは知らなかった為多少は驚いたが、すぐに落ち着きを取り戻し、アルスに向け嘲笑した。

「...僕があなたを倒さないといけない理由が増えましたね。ライトブレッシングディセミネイショントラッキングゼクスペネトレイション」

自身の強化と無数の光球を拡散放射し、さらには追尾型の6つの光線まで同時に魔法陣を展開して発動させた。

最初エクウスは無数の光球を避けながら追尾してくる光線を剣で斬り防いでいた。

しかし回避が難しくなりそうだと判断すると、魔法で一気に相殺させることにした。

「コンフラグレイション」

アルスに向け放たれた魔法は無数の光球を打ち消していき、その炎はアルスに襲い掛かった。

だが、アルスはその場から動くことなく炎に飲み込まれてしまった。

「?賢者とはいえやはりただのガキか。もっと楽しめると思ったんだけどがっかりだ。」

エクウスはあからさまにつまらなそうな表情をした。

その時だった。エクウスは突如光で腹を貫かれた。

「!?」

「僕がやられたと思いました?そんな簡単にやられるわけないでしょ。これでも賢者なんですから。」

「...ははは、そうじゃねぇと面白くねぇよなあ!!エンチャントフレイム。はぁぁぁぁ!」

炎を纏わせた剣でアルスに斬りかかったが、アルスが展開した防御壁で防がれてしまった。

さらにアルスは距離を取ると、再度複数の魔法を展開し、エクウスに魔法攻撃をした。

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