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(二)-5

 しかし、もはやためらっている場合ではないと思い、僕は腹を決めて、彼女の口唇にそっと自分のを重ねた。

 触れた瞬間、自分の口唇の先に一瞬感触が当たった。同時に僕の体がビクッとなり、唇を離した。女の子とは、これが初めてだった。幸いクレープの味がするほどにはならなかった。

 バスケ部の期待の一年生でクラスでもいつもハツラツとしている海ちゃんは、黙ったまま顔を真っ赤にして僕の方へ向けていた顔を背けてやや下を向けていた。そしておもむろに、舌の先をぺろっと出して自身の唇の上下を一周させるように舐めた。ほんのわずかな一瞬であった永遠を、小さくてかわいいその舌で味わって飲み込むのを見てしまった。


(続く)

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