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競馬好きの独り言  作者: 秋山如雪
59/122

第59話 カワカミプリンセス、亡くなる

 またまた久しぶりになりましたが。


 数日前、カワカミプリンセスが亡くなったと聞きました。


 個人的に、あのキングヘイローの子だから、思い入れがあるというか、好きな馬でした。


 名前の由来は、北海道新ひだか町の三石川上牧場生産だから、だったはず。つまり「川上牧場のお姫様」ってことですね。


 父、キングヘイロー。母、タカノセクレタリーです。


 ただ、この馬はGⅠ未勝利の三石川上牧場の生産ということで、買い手がつかず、結局、牧場がそのまま所有したという経緯があります。つまり、人気がなかったわけです。


 主戦騎手は、本田(まさる)。たまたま、私が書いている「ミラクルジョッキー」の主人公と同じ名前ですが、こちらは「すぐる」です。


 デビューは遅く、3歳の2月にようやく初出走。ところが、初勝利後の3月には、君子蘭賞(500万円以下)、続く4月にはスイートピーステークス(OP)で3連勝を果たし、一気にクラシック戦線に加わります。


 続いて挑んだ牝馬クラシック第2弾の2006年の優駿牝馬オークス(GI)を優勝し、1943年クリフジ、1946年ミツマサ、1957年ミスオンワードに続いて史上4頭目、49年ぶりとなる無敗優勝を成し遂げています。さらに1982年シャダイアイバーの78日に次いで史上2番目の早い、デビューから85日での戴冠を果たしました。


 さらに秋には、直行で臨んだ牝馬三冠の最終戦・秋華賞(GI)も優勝し、2002年ファインモーション以来5年ぶり、史上2頭目となる無敗優勝を成し遂げ、1986年メジロラモーヌ、1997年メジロドーベル、2003年スティルインラブに続いて史上4頭目となる二冠目、三冠目の牝馬二冠も達成。また、史上初めてとなる無敗で二冠目と三冠目を優勝した牝馬二冠でした。


 ここまでは凄かったカワカミプリンセスですが、続くエリザベス女王杯が運命の分かれ道になり、1着後に進路妨害とされ降着処分を受け、12着になります。

 これは、1991年天皇賞(秋)のメジロマックイーン以来の降着処分になるんですが。


 以降、全くと言っていいほど、勝てず。二度とGⅠで勝つことなく、3回目の挑戦となった2009年のエリザベス女王杯を最後に引退。


 父のキングヘイローが、全然勝てずに、やっと高松宮記念でG1を制覇したのとは逆で、最初こそ勝ってたけど、4歳以降は全く勝てなかった馬。早熟だったんですね。

 ただ、彼女の活躍が、キングヘイローの血が証明された、第1号とも言えるのです。


 ちなみに、性格はわがままで、人嫌いだったそうです。


 人が厩舎に言っても、嫌がっていたとか。


 何とも「わがままなお嬢様」的な感じがする馬ですね。


 なお、三石川上牧場というのは、日高地方でも結構内陸にあり、立地条件がよくなかったんだとか。


 つまり、アクセスが悪い。おまけに夏は暑く、冬は寒い。馬主や調教師が気軽に訪れることが出来ない。そんな場所だそうです。


 なので、そこでの期待を込めて「プリンセス」と名づけられたのかもしれません。


 期待以上に勝ってくれたと思いますが、これ以降、この牧場からGⅠを勝った馬は出ていなかったと記憶しています(間違ってたらすみません)。


 とにかく、20歳と、人間で言えばまだ60歳前後。


 超長寿の馬がいる中、割と早い死でした。あの世で、父のキングヘイローと仲良く過ごしてくれることを祈ります。

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