第57話 ブロンズコレクターたちに捧ぐ
先日、ナイスネイチャが亡くなったそうですね。35歳。
馬の平均寿命は25~30歳と言われています。なのに35歳! 超長寿ですね。
お疲れ様でした。天国でゆっくり休んで下さい。
昨今、ウマ娘の影響もあり、人気になりましたが、過去の競馬史を見ると、ナイスネイチャのように、「勝ちきれない」いわゆるブロンズコレクターたちがいっぱいいました。
ナイスネイチャ以外の例を挙げると。
ステイゴールド。
サンデーサイレンス産駒らしく、気性が非常に激しい馬で、関係者を困らせたとか。この馬も、勝てなくて勝てなくて、それでもファン人気は高かった馬。その競技人生の中で、50戦も戦った最後の最後。50戦目の引退レース、香港ヴァーズ(GⅠ)で1着。ドラマでもなかなかないような、感動的な勝利を挙げて、「有終の美」を飾っています。
キングヘイロー。
超良血で期待されながらも、勝てず、10回もGⅠに挑み、負け続け、11回目でGⅠ奪取。同期にスペシャルウィーク、セイウンスカイ、グラスワンダー、エルコンドルパサーなどの強豪がいたからという不運もあります。
メイショウドトウ。
完全に、同期にテイエムオペラオーがいたからでしょう。彼がいなかったら、恐らくメイショウドトウはもっと勝てました。結局、ひたすらテイエムオペラオーに負け続け、2着を繰り返し、5歳の宝塚記念でやっと1着。
他にも探せばいくらでも、ブロンズコレクターやシルバーコレクターがいるので、省略しますが。
圧倒的に勝ちまくった馬よりも、こういう「勝ちきれないけどがんばった」馬に目が行くのは、日本人的な「判官贔屓」から来る感情なのかもしれませんね。