第36話 最強馬、スプリンター編
ステイヤーを選出したので、反対のスプリンター編。人間で言うと、100〜200メートルくらいの短距離走。
ただ、スプリンターは多いので、悩みました。
( )内は、性別、活躍時期。
5位 ニホンピロウイナー(牡、1982〜1985)
成績は、26戦16勝。うちGⅠが3勝。
カレンチャンと悩みましたが。なかなか古い馬で、1984年、85年のマイルチャンピオンシップ(1600メートル)、1985年の安田記念(1600メートル)でGⅠ制覇。
1600メートル以下なら、18戦14勝、2着3回と完璧な成績を残し、当時「皇帝」と呼ばれた、シンボリルドルフでさえ、短距離やマイルでは、ニホンピロウイナーに勝てないと言われてたほど。
どちらかと言うと、マイルで活躍したと思われがちですが、当時はマイルと短距離の区別が曖昧で、スプリンターズステークスがまだGⅠではなかったので、目立たないだけで。
実は、スプリント戦(1400メートル以下)に10戦参戦し、9勝してるので、スプリンターとしても優秀。
種牡馬としても、ヤマニンゼファー、フラワーパークという、短距離で活躍した馬を輩出してます。
4位 タイキシャトル(牡、1997〜1998年)
成績は、13戦11勝。うちGⅠが5勝。
グランアレグリア、モーリスと悩みましたが、彼らはマイラーとしての活躍が目立つので。
もちろん、タイキシャトルもマイル戦線で優秀な成績を残し、海外GⅠをも制してますが。
タイキシャトルは、スプリント戦(1400メートル以下)のレースに、6戦参戦し、4勝。
1997年のスプリンターズステークス(1200メートル)を優勝してます。
マイラー編でも紹介したように、名マイラーとしても超優秀。
3位 デュランダル(牡、2001〜2005年)
成績は、18戦8勝。うち、GⅠが3勝。
2003年のスプリンターズステークス、2003年、2004年のマイルチャンピオンシップを制覇。
馬群の外から、豪快な末脚を発揮し、ファンを魅了。
2003年、2004年に最優秀短距離馬に選出されたました。
気性が荒い馬でした。
2位 ロードカナロア(牡、2010〜2013年)
成績は、19戦16勝。うち、GⅠが6勝。
凱旋門賞級に難しいと言われた、香港スプリントを2012年、2013年と連覇し、同じようにスプリンターズステークスを連覇。
現役引退まで、香港スプリントを含めたGⅠを6連勝し、引退レースとなった、2013年の香港スプリントでは、5馬身の差をつけて圧勝。
ワールドベストレースホースランキングで、短距離戦では、日本馬最強の128ポンドを記録。
2012年、2013年の最優秀短距離馬に選ばれてます。
2018年には、JRA顕彰馬に選ばれ、種牡馬としても、アーモンドアイなどを輩出。
超優秀なスプリンターでした。
1位 サクラバクシンオー(牡、1992〜1994年)
成績は、21戦11勝。うち、GⅠが2勝。
ここまで来ると、大半の方が予想していたと思いますが。
ロードカナロアの方が速いという意見もあるかもですが。
まだ、マイルとスプリントの区別が曖昧だった1990年代初頭。
サクラバクシンオーは、1400メートル以下の距離なら、12戦11勝。一方、1400メートルを越えるレースでは、9戦0勝。
極端なスプリンターぶりを発揮。
当時、まだ高松宮記念がGⅠではなく、海外遠征する日本馬も少なかったため、G1はわずか2勝ですが、生まれた時代が今なら、もっと多くの勲章を取れたでしょう。
それくらい速い馬で、当時、海外競馬評論家の合田直弘氏が、「6ハロン(1200メートル)なら、世界最強」と評しました。
当時、スプリントで唯一のG1だった、スプリンターズステークスを連覇しましたが、連覇した馬は、前述のロードカナロアまで19年現れませんでした。
2012年に、「優駿」が実施した、距離別最強馬ランキングの「1200メートル」では、6つのカテゴリーの中で唯一、サクラバクシンオーだけが、過半数を上回り、1位に。
数多くの競馬関係者が、サクラバクシンオーは1200メートルなら最強との証言を残しています。
関係ないけど、ウマ娘のせいで、「バクシーン!」というセリフが頭から離れない(笑)
あのバクシンオーさんには、笑いました。