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競馬好きの独り言  作者: 秋山如雪
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第108話 相次ぐ女性騎手の引退

 藤田菜七子騎手の引退から3か月半あまり。


 今度は、まだ現役生活11か月で、20歳の大江原比呂騎手が引退との情報が入ってきました。


 昨年春のデビューからたったの11か月での引退。


 ただ、今回は藤田菜七子騎手とは事情が違うので、彼女を責めることは決してできないのです。


 では、彼女の生い立ちから振り返ってみましょう。


 大江原騎手の祖父は、元調教師の大江原哲氏で、父の大江原勝氏もかつて調教助手として、あのグランアレグリアの調教を手伝ったと言われています。(現在は蛯名正義厩舎の調教助手)。まさに競馬ファミリーなわけです。


 そのため、自然の成り行きか、大江原比呂騎手もその道を志し、JRA騎手学校に入学。ケガのため1年の留年を経験するも、昨年の春には無事に騎手としてデビューを果たします。


 その3か月後には初勝利。これまでJRA通算4勝を挙げていました。


 しかし、短い現役生活は苦難の連続だったそうです。

 昨年夏には新潟競馬で体重過多のため、過怠金を科せられるなど、たびたび制裁の対象になっています。さらには昨年10月には体重の調整に失敗し、脱水症状を発症し、9日間(開催4日)の騎乗停止処分も受けています。


 それでも11月30日の中山競馬で久々の騎乗を果たし、挽回に努めていましたが、運悪く12月1日の調教中に右手小指を負傷。その後、実戦から遠ざかっていました。


 20歳の若手ホープが突如、引退を発表したことについて、彼女の師匠の武市康男調教師は「心が折れたのかな」と取材陣の前でコメント。


 武市氏によると、大江原比呂騎手は、今後、競馬界からいったん離れるとのこと。


 これで一時期、7人もいたJRA所属の女性騎手が5人になりました。


 さらに、現在、若手女性騎手の期待の星、永島まなみ騎手も今年はまだ2勝。しかも先日、落馬して負傷してます。

 1年目に51勝も挙げた、今村聖奈騎手も、昨年はわずか6勝、今季はわずか1勝。


 改めて女性騎手が活躍するのは難しいのです。


 ちなみに、女性騎手には男性騎手と違うデメリットもあります。

 それが「結婚と出産」です。


 結婚と出産によって、およそ2年間は現場から離れる必要があるのです。


 もちろん、多様性の時代なので、結婚も出産もしない、という選択肢をする女性騎手もいるでしょうが。


 なお、地方競馬では結婚、出産後に現場に戻って活躍している女性騎手はいます。有名なのは地方で通算1100勝以上もしている、宮下瞳騎手です。


 しかしながら、そもそも「減量」が厳しいというのはあります。


 騎手の減量は、プロボクサーの減量よりも厳しい、と言われるくらい厳しいもので、それこそ食べ盛りの10代、20代前半の人に課されるのは、想像を絶する厳しさでしょう。


 昨今、スマホの不正使用による引退や懲罰が多くなってますが、今回の件はそれとはまったく関係がない話。


 残念なことは残念ですが、仕方がないのかもしれません。

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