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94話

『フィア様から通信です。受け取りますか?』

「ん?何かあったかな。出てくれ」

『了解いたしました』

『・・・あ、コウ様。これで声が届いているのでしょうか?』

「ああ。届いてるぞ。何かあったか?」

『いえ。荷物を運び終えましたので、念のためにご連絡をと』

「なるほどね。ちょうどいいか。こっち来てくれ。案内は飛ばすから」

『かしこまりました』


















「素晴らしい牧場になりましたね」

「ああ。思ってたより良い感じだな」


牛舎はまで出来ていないが、それ以外ほぼほぼ完成と言っていいだろう。

そして牛舎の方も、現在進行形でノーム達が無人機に乗って建設を続けてくれている。

通信を聞くととても楽しそうにえいやーえいやーと声を合わせているのも聞こえてくる。


「こちらが牛舎となりますと、この屋根だけの物は一体?」

「ここは牛舎が出来るまでの仮の場所だな。その後も風通しのいい場所にいたいならここにいればいいし」

「なるほど」

「後ここに椅子やらテーブルとか持って来れば、簡単なハイキング・・・あー、休憩場所にも使えるしな」


ハイキングはこの世界にはなさそうな概念だったな。

言い換えた方は普通に伝わったようだ。


後はここにお世話用の無人機たちを置く場所さえあれば、俺の予定では完成だが。


「フィアたちの休憩場所は普通に一個作るか?」

「私だけでしたら、不要なのでは?」

「いや、何かモルナが出来るみたいでな。手伝ってって頼んだんだよ」

「そう言うことでしたら、少しでも良いのであった方が良いかと」

「だよな。ちなみにモルナがそう言うことできるのって意外か?」

「いえ。まぁ珍しいことではあると思いますが」

「ほーん。そんなもんか」


とりあえずフィアたちが使うように休憩場所も作るかな。

これは普通に基地建設物の物を適当に作ればいいだろう。その方が早いしな。


牛舎の方は・・・後どれくらいで出来るんだこれは。


「イアー」

『はいー!何でしょうかー!!』

「それ後どれくらいで出来るんだ?」

『・・・一日ぶっ続けでやれば今日中に?』

「早いのはいいけど休め」


じゃあ休むの考えて二日三日くらいかな。それくらいなら普通に早い方だろう。


「だがどう見ても二階建てに見えるのは何故だ」

『あ、実はみんなが遊び場作りたいって言ってまして』

「ん?だったらもう一つフィアとかが使う場所も作るからそっちにしな」

『本当ですか!皆一回止めて~!』


通りで何か土台部分がデカいわけだよ。


ところで、こっちには各精霊の特色的なものは出さなくていいのだろうか。

遊び場ってだけならいらないのかな?

ああ、でも今回は別の方を気にするべきか。


「フィアはどんな建物が良いんだ?」

「・・・私ですか?」

「おう。使うのは大体フィアとモルナだろうしな。モルナの場合は・・・」

「おねんね出来る場所がいいな~」

「って感じだし。そうなるとフィアの好きなように出来るんだよな」

「とは言われましても・・・」

「まぁ大体無いよなそういうの」


基地内のフィアの私室は既に改造してあり、出来る限りリアの屋敷でフィアが使っていた部屋っぽくしている。

普段使いする場所だし、慣れている部屋の方が良いだろうとの考えからそうしてある。

だがそうなると、こっちの部屋の要望が難しくなる。何せ既に一番あるべき部屋はあるわけだからな。


「何か見てみたい部屋の感じでもいいぞ?」

「・・・それでしたら、一つだけよろしいでしょうか?」

「どんどん言いな」

「実は私、今まで竜国から出たことが無いのです」

「ああ。らしいな」

「ですが、色々お話は聞いていたのです。その中で、興味を惹かれた国がございまして」

「ほうほう」

「東にあります島国の。『オウカ』と言う国があるのですが」

「・・・それはまた随分と」


東にある島国。そして『オウカ』・・・いや、『桜花』かな?

随分と日本を連想させる要素の強い国だな。


「リアから聞いたのか?」

「はい。リア様から聞けた、数少ない昔のお話でしたので」

「なるほどね~」


間違いないな。恐らくレギアス・・・またはそれ以外のランナーが関わっている可能性が高い。

さらに詳しく話を聞くと、どうやら昔の日本・・・江戸の初期くらいの年代の日本のようだ。

『カタナ』という特殊な薄い刃を用いる戦闘術は、相手を盾ごと真っ二つに出来るとかなんとか。


生活様式も俺の知っている日本と大体差異はなさそうだ。

草を編んだ床は畳で、木造建築が多い。


そして何より


「米まであるのか」

「あまりこちらの風土には適さないらしく、竜国ではあまり見たことがないのですが」

「あ、一応繋がりはあるのか?」

「はい。竜国建設時より、良いお付き合いをと伺っております」

「そんな前からか」


竜国より更に前からあった国のようだ。

じゃあランナーは関係ないのか?

いや、純粋にもっと前に来た日本人が関わっている可能性はあるのか。


「まぁとりあえず分かった。そんな感じにしておくわ」

「ありがとうございます」


うーん。それにしても『オウカ』か・・・行ってみたいな。

そこにも面白い物はたくさんありそうだし。

いや先に竜国から貰った物を見るのが先か。

あっちはあっちで面白そうな物たくさんあったしな。


「ちなみにフィアは行けるとしたら『オウカ』には行ってみたいか?」

「行けるのでしたら。是非とも」

「じゃあ行くかー」


予定決まったわ。


「その為にもまずはここをちゃんと完成させないとな」

「お手伝いいたしますか?」

「ん~。フィアは先にミロカウの世話の内容纏めておいてくれるか?」

「かしこまりました。ですが、あまり多くはありませんよ?」

「ん?そうなのか?」

「はい。元々が野生の生き物ですので」

「あ、そういう?」


お世話の内容その一

ミルクを手に入れる場合は、搾乳前に運動させること。

運動させてある程度疲れていた方が美味しいミルクが手に入るらしい。


お世話の内容その二

牛舎に入れる場合はそこの掃除。

これは無人機にやらせるからフィアの仕事にはならない。


餌やりは不要。元々広い範囲に芝を作ったのでそこの草を勝手に食べる。


「あれ?そうなると本当にあんまりないのか?」

「そうですね。運動に外に出してあげればいいので」

「モルナ。お前これ知ってた?」

「うん」

「あらま」


なるほどこれは確かにモルナがお世話出来ても意外ではないな。

何せ内容が大したことないし。


「搾乳は普通に搾る感じか?」

「そうなりますね。ですが、私は多分やらないかと」

「ん?」

「モルナがやるとなりますと・・・恐らく他の子達も来るので」

「あー」


なるほど確かに間違いなく来るな。

何せ精霊亜種だし。


「じゃあ休憩所も大きく作るかー」

「その方がよろしいかと思います」

「でもそうなるとフィアがゆっくり休憩出来ないんじゃないか?」

「私は大丈夫ですよ。屋敷でも私室以外は他の使用人たちと共有でしたので」


それもそうか。フィアはそういうことに慣れていて当たり前か。


「そういや。ミロカウのミルクって亜種達の好物だったりするのか?」

「え?い、いえ。個々の好みによると思いますが」

「イアが偉い好きみたいなんだよなぁ」

「あ、なるほどそういうことでしたか。

 恐らくミロカウのミルク自体が高級品だからではないでしょうか」

「高いのが好きなのか。てか、イアはどこでそんな物飲んだんだ?」

「恐らくリア様の所でだと思われますが・・・」

「まぁそんなところか」


よく考えてみると、リアってそこそこの数がいる精霊亜種をそっくりそのまま全員引き取ろうとしてたんだよな。

何て言うか、桁違いの金持ちであるのがその時点で分かるわ。

しかも俺みたいに働かせる気も無かったみたいだし・・・それはナユタのためなのかもしれんが。


「ですが、イアが好きならイアも手伝ってくれそうですね」

「だな。まぁフィアに全部押し付けなくて良かったと思うべきかここは」

「私は問題無いのですが・・・」

「そういうわけにもいかないだろうよ。人足りなくなったら言えよ?」

「はぁ・・・」


この程度ならって感じなんだろうけど、働かせすぎは良くないからな。


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