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92話

「そんなわけでー。顔見知りだろうけど一応紹介するぞー」

「お久しぶりです。皆さん」

「おー!フィアじゃんか!」

「お久しぶりですフィアさん!」

「「「「わぁ~」」」」

「んでこっちがダイヤウルフな」

「もふもふです!!」

「もふもふだ!!!」

「捕らえろー!!!!」

「「「ガウ!?!?」」」


ある程度で離してやれよ?


基地内に入ると、早速亜種達がお出迎え。

フィアとはリアの屋敷で会ったことがあるらしく、伝えたらえらい驚かれた。

ナユタのこともあるしな。関りはあるとは思っていた。


「これからフィアがお世話係?・・・的な何かになるので困ったことがあったら言えよ~」

「ここに住むのか?」

「そうだな。フィアはフィアの建物に住ませるけど」

「えぇ~?寂しくないの~?」

「ふふ。寂しくなったら、そちらに行かせていただいてもいいですか?」

「俺は全然いいぜ!」

「私も~」


うむうむ。まぁ問題はないか。


「あ、じゃあダリア!」

「はい!」

「荷物運び手伝ってやってくれないか?俺は外でミロカウの小屋とかやってくるから」

「わかりました!」

「イアとモルナは何人か連れて俺と来てくれ」

「分かりました!」

「おーけー」


イアはノームのリーダー。モルナはニンフのリーダーだ。

彼らには俺の方を手伝ってもらう。

ミロカウにとって心地の良い環境ににするのなら、俺だけでやらない方が良いと思ったのだ。


「でも、ミロカウ十頭って全部捕まえたんですよね?」

「そうだな」

「人間の大人が何人がかりでも負けるんですよ?」

「らしいなぁ。まぁリア的には俺なら当然だったらしいけど」

「まぁこのような素晴らしい技術を持っている人ですから」

「ありがとよ」


ノームのイアは、俺が初めて亜種達に会った時からこんな感じ。

マジで普通な性格と言いますか、おとなしいんだよな。

ダリアもそうっちゃそうだけど、あいつは元がシルフだから変な所で抜けてたりする。

それに対してイアが一切ない。それに亜種達の中でもっとも俺の持つ技術に関心を持っている存在でもある。


対してモルナだが・・・


「zzz」

「どこで寝てんだおい」

「あははは・・・本当にすいませんはい」

「こいつ初対面の時からこうだったから慣れたけどさ」


俺の頭の上にいつの間にか乗って寝ているモルナ。

そしてそれを謝る別のニンフ。

こいつはリーダーではあるのだが、ぶっちゃけほぼリーダーではないと言っていい。

基本寝ているか、寝ていなくても漂っていることが多い。

なのになぜリーダーなのか、それは単純な話で・・・


「これで誰よりも年長ってマジ?って思ったよね」

「まぁいざと言う時は頼りになりますし・・・」

「本当かー?」


そういうことらしいのだ。


そもそも精霊亜種には寿命がある。

元が人間であると言うこともあるらしく、割とその辺は普通らしい。

だが当然亜種の種類によって寿命にも差がある。

一番差が激しいのがドライアド。彼女達は生まれた環境によって寿命が決まる。

村の近くの森に近い環境だったら大体200近く。

封国の近くに出来たあの森だと数か月。

平均すると大体40年くらいにまとまるらしい。だが彼女達は植物でもあるので、その後があるのだが・・・これはまた今度だな。


話を戻そう。

亜種達の年で、もっとも長く生きているのはこのモルナ。

年齢は130は越えているらしい。本人は覚えてないとのこと。

イアが20ちょいなので、この年齢は驚きの年齢なのだ。

どれくらい驚きかと言うと、ダイジュナとアルがそれを聞いた時に大声を上げたくらいには。


ニンフの平均年齢は凡そ80前後。

ノームはちょっと長くて約150。

サラマンダーが100で、シルフが80。

この差に関しては良く分かっていないらしい、だが昔から大体これくらいだそうだ。

こういう所も、人間に近いが故の精霊亜種って感じがする。

ののか達は寿命の概念がないからな。


とにかく、モルナはとっても長生きなおばあちゃんなのだ。

そんな亜種達を連れて来たのは基地の敷地内のある一画。

そこはまだ拓いておらず、地面も平坦じゃないし、岩とかもがっつり伸びてる。

ここをミロカウたちの住みやすい環境に変えるのだ。


「んじゃよろしく」

「お任せを!皆行くよ!」

「「「オー!!」」」


イアの掛け声で、ノーム達が一斉に魔法を発動する。

すると目の前の岩がどんどん静かに崩れていく。

崩れた岩は細かくなり、他の凹凸の部分を埋めていく。


「ほれモルナ。お仕事だぞー」

「・・・ン~・・・えいっ」

「俺の上でやるな」

「本当にごめんなさい・・・」

「お前は謝らなくていいんだぞ?」

「そうだぞー」


モルナはこいつに謝ろうな?


だが魔法はきちんと発動している。

徐々に地面が湿り気を帯びてきたのだ。

地下に流れている地下水の流れをこちらに持ってきているのだ。

本来ならニンフに、というか亜種にはここまでの力は存在しない。

力のある精霊ですら、地下に流れる水脈を操作するのは難しいことなのだから当然だ。


だがモルナは出来る。

そしてそこから来た流れを、他のニンフ達が少しだけ操って広い範囲に水をいきわたらせる。

ある程度地面が整って来たら、ここからは俺の役目だ。


「とは言ってもだけどな。イア!もういっちょ頼む」

「わっかりましたー!」


ぽこぽこと気持ちい音を立てて小さな穴が開いていく。

その中にナノマシン団子を入れていくのだ。使うのは当然前に封国の大地再生で使ったあれだ。

ダイジュナの力によって受けた影響のデータを反映したので、性能はあの時より上だが。

今回生やすのは芝なので、それ用に調整はしてある。

そしてこの穴に団子を入れていくのは別に俺じゃない。


『ガーウ!』

「」(ヲヲ-

「はっや」


何か久しぶりな気がするクロウとその契約精霊。

そういえば名前って決めたのか?


『アウ』

「」(マダー

「まだなの?結構日にち・・・そこまで経ってないか」


まだ数日だったかそういえば。まぁ名前なんて一生に一度だし、ゆっくり考えればいいか。

ちなみに俺が団子を入れない理由は特にない。

最近クロウが暇そうにしてたので、お仕事を与えただけだ。


ちなみにクロウと精霊が穴に団子を入れる方法だが、


まず精霊が団子の入った箱を空中に打ち上げる。

         ↓

そこをクロウが箱ごと破壊して団子を地面に散らす。

         ↓

開いた穴に入っていくので、そこから精霊が穴を埋めていく。


こんな流れになっている。何この効率の良さ。


「てかコンビネーションいいね本当に」

「ですね」

「仲良し~」

「それはそうだな」


何せ精霊樹に最初に行った時から精霊側がべったりだったからな。

お互いに見えるようになって、クロウの方も良い相方だと分かったのだろう。

何なら俺と一緒に戦う時より上手く動けてないこの子達?どういうこと??


「でもこれ、どういう原理で動いてるんですか?」

「ん?ナノマシンのことか?」

「はい。このサイズだと魔力もほとんど入らないですよね?」

「だな。実のところこいつらはあんまり燃費がよくなかったりする」

「え?でもコウ様はこれで何でもできるんですよね?」

「何でもとは言わないけど」


だがしかし、俺のナノマシンが燃費が悪いと言うのは本当の話だ。

そもそもナノマシンの稼働エネルギーはストレングスギアのジェネレーターから来ている。

今回みたいに使う場合には、予め充電が必要になるのだ。

そしてこの時、フルで充電して動ける時間は・・・30分程だけだ。


「それは・・・短いですね」

「戦いならそれでもいいんだけどな」


充電が切れた場合のナノマシンの挙動は二つ。

『アビスキュイラス』に付着している場合はそのまま充電して再利用。

外れていた場合。今回の団子の場合はそのまま機能停止で止まる。


「だけど効果的にそれじゃ困ることもありますよね?」

「今回がそうだな。その場合は別からエネルギーを持ってくるようにしてる」


忘れちゃいけないナノマシンの機能。

俺のナノマシンは、捕食と変化特化だ。

この捕食と言うのは、物凄く広い定義を持って設定している。


具体的には、こいつは光合成も出来る。


「ドライアドの能力ですか?」

「いんや。もっと植物よりだな。あと地熱でもエネルギーを持てるし、この世界に存在するエネルギーを自分の物に出来る」


故の無限稼働。

『アビスキュイラス』が俺の持つストレングスギアの中でも最高能力を持つのはこれが大きい。

いくらエネルギーを消費しても、ナノマシンが自分で勝手に補給を行える。

そして『アビスキュイラス』は・・・機体の殆どがナノマシンで構成されている。


「って、この説明前に誰かにしたな」

「ダイジュナ様ですか?」

「どーだったかなぁ。あいつこういう長い説明聞いてくんないんだもん」

「む。それは勿体ない」

「お前さんくらいだよ俺のお話に付き合ってくれるのは」


イアはいい子だなぁ・・・


「zzz」

「・・・お前はマジで何なの?」

「本当に・・・本当にごめんなさい・・・」

「うん。君は謝らないでいいんだぞ。ほれ、チョコ食べる?」

「いただきます・・・」


苦労人・・・苦労精霊は大変そうだ。

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