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91話

「んでどうよ。サーベスに乗るのは慣れそうか?」

「そうですね。自分で飛ばないというのは新鮮ですが、殆ど大地に立っているのと変わらないので」

「なら良かった」


サーベスで村から基地に移動中。

昨日一日村でゆっくりしてもらったフィアを今日お昼から基地に送り届けることに。

俺の家は結構広いから、昨日はキイナさんにも泊ってもらった。

俺の寝室とは離れた場所で寝てもらったから、二人が夜何を話していたかは分からない。

だが今日の朝二人そろってキッチンで料理してたから、関係はさらに良くなったと思った。


「それじゃあ。一応今からあっちでやることの確認でもしますか」

「お願いいたします」

「まず、基本的にやるのはあちらにいる精霊亜種達のお世話だと思ってください」

「何か彼らが困っていたら、私が解決するか、コウ様にお繋ぎする」

「そうです。そしてもう一つ、ミロカウの世話ですね」

「こちらは、仕事道具を頂けるとのことですが・・・」

「今から紹介しますよ」


ミロカウ専用お世話無人機・・・とはいう物の、ゲーム内で家畜を育てるための無人機なんて当然存在しない。

元々あるのなら、決められた動きの中から行動を選別するだけでいいんだ。

だが今回はそうもいかないので、最初から全部手打ちで入力を行った。

リアから前もってミロカウのお世話に必要な物などは聞いていたので、それを入力したのだ。

だが無人機であるという点は他の機体と変わらない。要するに、決められた行動しか出来ず、ミロカウが病気になったりとかの場合に対応出来ないのだ。

なので無人機たちは基本フィアのサポートに限定する。

メインの仕事をフィアが行い、細かい他の事を無人機に任せる。


具体的には、掃除とかは全部無人機がやるってことだ。


「こいつがサポート無人機『ウシカイ』君だ」

「・・・そのままなのですね」

「俺普段こういうのに名前付けないんだよね」


俺自身が良く使うから改造した無人機とかは名前付きだけどな。


「んで、これが一番大事だな」

「竜国からのお客様のお出迎えですね」

「ほとんど物を渡すだけだけどな」


フィアがうちに来るのはこれが理由と言ってもいい。

基地内にある品物を、竜国から来たドラゴンに渡してリアの元に持っていってもらうのだ。

逆に竜国からの品物を受け取る役目のある。

ここで得たお金や品物の管理もフィアの役目になる。


要するに、俺の基地と言う国の輸出入の管理全てを任せる形になる。

責任は重大で、何かミスがあった場合は大変なことになる・・・はずなんだけどな。


「まぁうちの場合は気にせんでもいいわ」

「そう・・・なのですか?」

「ぶっちゃけ俺が個人で欲しい物以外は好きにしちゃっていいですよ?」


個人で欲しい物を取り寄せてもらっても構わないくらいだ。お金はこっち持ちで。

俺が欲しい物。今なら魔法関係のあれこれだ。

そういった物だけ、俺が基地に行った時にすぐに荷物として持って帰れるように纏めておいてほしい。


リアからは芸術品やらも送るとは言われてるが、ぶっちゃけそっちは今はいらない。

そうは言ったが将来的に役に立つかもしれんだろうと言われたのだ。

そう言う物も、フィアの判断で適当にやってもいい。

何せうちからリアの元に送るのは、恐らくほとんど俺の世界の食料品関係になる。

そしてそれはほぼ元手ゼロで無限に生産出来る状態にあるので、何が来てどうなろうとも基本的に俺には損が無いのだ。

なのでうちでそういう責任関係は何一つ存在していない。


「ほら、竜国での思い出の味とかあるんだったら取り寄せていいから」

「で、ですがそこまで日持ちしないのでは?」

「冷蔵庫使ってもいいし」

「良いのですか!?」

「全然。だから言ってんじゃんか。俺が直接禁止した物以外は何したっていいって」


立ち入り禁止の場所もほとんど設けないつもりだ。

てか、本当に入られたくない場所ってマジで一部なのだ。

基本的に基地の建築物はほとんど何かしらの生産施設。

エネルギーだったり、食べ物だったり、資源の回収だったり。

こういう場所って、今殆ど亜種達がいるのだ。秘密もクソも無いような状態だ。


念のため、基地全体の統括を行っているコヒメのサーバーがあったりする司令部には入らないようにする。

ここがやられると流石にマズイ。最悪防衛用の無人機たちが暴走する。


「食べ物とか飲み物も、大体説明はしますけど特に気にせず食べていいんで。

 あ、海鮮って好きです?」

「さ、魚とかでしょうか?」

「そうですね。後貝とか色々。そういうのもあるので」

「・・・それらは、竜国にはお売りにはならないのですか?」

「ん?・・・売れるんですか?」

「品質を保たせられるのなら、間違いなく」

「あー・・・」


どうっすかな別に余裕出来るな。

輸出用の冷蔵庫を作っちまえばその中に冷凍保存してしまえばそれでいい。


この世界では、海鮮系というと海傍にある村でしか殆ど食べれないそうだ。

魔法で無理やり保存して献上される物もあるレベルらしい。

牛乳の事と言い、やっぱり鮮度が大事な物に関しては俺の世界とは全然違うな。


「リアは好きなんですか?」

「リア様は確か、マグロと呼ばれる魚が好きだったと」

「マグロいんのかこの世界・・・」


てかマグロは知ってるのかリアのやつ。

あ、レギアスが教えたって可能性が高いか。てかそうだろうな。


「ん~でもマグロかぁ」

「難しいのでしょうか」

「難しいってか今持ってないしなぁ」


養殖も難しいんだよな・・・


俺が基地内で養殖を行っている海鮮類。

それらは実はゲーム内にある養殖キットという機会を用いていたりする。

それに増やしたい物を入れて、必要なアイテムを入れると勝手に数は増えていく。


まぁなんでBMWみたいな荒廃した世界が舞台のゲームでそんなものがあるのかは疑問には思ったが。

何でかって言うとゲームの中のクエスト・・・依頼でそういった品の納品があるからだ。

ゲームの中の世界は当然海も汚染されている。

だがごく一部だが、綺麗な環境を保っている場所もある。

そういう所にある湖や海は見つけるのも大変。依頼の度に獲りに行くのは大変だ。

それを解決するのが『養殖キット』

実装された日は、嬉しくてほぼずっと水中で活動してたくらいだ。

実入りは良いんだけど、獲りに行くのが面倒でなぁ・・・


「何か、足りない物があるのですか?」

「その通り」


ゲーム内だから、当然魚にもレア度が存在する。

マグロはその中でも最も高いレア度。故に養殖がとんでもなく難しい。


「小エビが足らんのですよ」

「こえび?」

「小さいエビっす」


養殖用餌である小さなエビだ。正確には『小赤エビ』

これを大体100匹ほど入れてようやく一匹増やせる。

んでこれの効率が死ぬほど悪い。他の魚は餌一つで10倍になったりするのを知れば分かるだろう。


俺はこの小赤エビを殆ど持っていない。

あるにはあるが在庫的には無いも当然。ゲーム内で手に入りにくいし、そもそもマグロは依頼報酬的には美味しくないからな。


「こっちで代わりになる物が手に入るならいいんですけどねぇ」

「無いのですか?」

「まだ見つかってないっすねぇ」


海の調査をしたのはこの世界に来てすぐの時くらいの一回だけだから、探したと言うほど探してないが。

一応エビ自体は見つけてる。だが小赤エビでは無かった。何なら伊勢海老だったよ。


「それではダメなのですか?」

「そもそもマグロも手に入れてないんで試したこと無いですけど微妙ですね」


サイズの問題だな。小さくないと餌にならない。

そもそも養殖キットが伊勢エビを海鮮類だと判定して食料アイテムになってるから養殖に使えないはずだ。

この世界に来て色々変わった点はあるから、融通が効いてくれるかなとは思ったがここは駄目だろう。


「そうだったのですか・・・」

「やっぱり勿体ないですかね」

「はい。外貨を得るという点では、コウ様だけが出来る商売になりますから」

「そんなレベルです?」

「どうしても干物にしないと内陸まで持ち込めませんから」

「あーそうかそれか」


新鮮なままっていうか、生のまま持ち込めないからってことか。

んじゃ確かにやらないのは勿体ないか。

でも別にそこまでした本気で商売したいわけじゃないんだよな。

元々リアが俺との繋がりが欲しいからって理由があるし、ぶっちゃけ品物のやりとりはおまけだろう。


「・・・ん?てかもしかして俺他の国とも商売するのか?」

「恐らくですがリア様経由ではありうるかと」

「・・・あの野郎その為のフィアだな?」


確かに俺が一々基地で竜国から来たやつと荷のやり取りをするのは面倒だからフィアの存在はありがたい。

だけど面倒なだけで出来ないわけじゃない。

だがその先を考えると、フィアがいないと回らないだろう。

これから先、俺が他の国と関係を持つようになったらフィアの知識は間違いなく必要になる。

俺は流れ人でこの世界の国や風習に関しては全く知識が無い。

そこをカバーするためのフィア。そしてその前段階であるリアとの関係は練習ってわけだ。


「フィアは知ってたのか?」

「凡そは聞いておりました」

「あいつワザとだなおい」

「リア様もわざと伝えなかったと言っておられました」

「はぁ。自分で気がつけってことなのか、そもそも気が付かない前提だったか」

「気が付かない前提とはどういうことでしょうか」

「ああほら。多分だけど俺がこの先他の国と関りを持つのは確定事項なんだよ」


これはまぁ・・・リア云々ってより俺の事情が大きい。

何せ俺の今の目標は魔法技術を使用したストレングスギアの作成。

その為には、様々な知識を身に付けないといけないわけで。

そうなると、一つの国で手に入る知識では不足するだろう。

とある国ではないが、他の国にある技術が足りない部分を補ってくれるかもしれない。


だから俺は、他の国に行かないといけない。

今行かないのは、なんだかんだでやることがいっぱいあるからその余裕がないからだ。

だがこれから先の事を考えると、その国に関する知識を持つ存在は必要だろう。


「ってああ。そこもフィアがやるのか」


んでリアが俺に言わなかったのは・・・なんでだろうな。

いくつか考えはある。例えば俺にフィアの重要性を自分で気が付かせるためとか。

俺に言わないことで、恩を売ったと思われないようにするとか。


「何故でしょうか?」

「そこまでは分からんわ。恩に思われたくないってだけの理由があるんだろうよ」


それが何でなのかまでは本人に聞かないと駄目だな。

どうせ教えてくれないだろうけど。


『基地上空に到着。着陸態勢に入ります』

「って着いたか。よっし、荷物降ろそうか。フィアは地図見ておいてくれ」

「い、いえ荷物も私が」

「いいっていいって」


女の子に荷物持たせるわけにはいかんからな。

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