6話
コロネタイトの鉱脈を発見。
それ以外にも、鉄や銅、金などの金属資源も手に入った。
それに、数は少ないが・・・
「まさかダイヤモンドの原石があるとはなぁ」
今俺の手元にあるのは、原石から削りだしたものだから既に形が整っている。
形状はダイヤモンドと言えばという形のブリリアントカット。
だがサイズは見たことない大きさだ。元の世界で売ったらどれくらいの値段になるのやら。
「惜しむべきは、使い道がないってのがなぁ」
『ダイヤモンドは、ビーム適性に難があるため、加工には向いておりません』
武装の中には、宝石を加工してビームの性能を上げる物もある
特定の宝石でしか行えないし、加工も難易度が高いためあまり使われていない。
俺の持っている7機のスーツの中で、ビーム兵器がメインのもあるが、使われているのはたった一つの武装だけだ。
それは俺の切り札で・・・壊れたら替えが利かないタイプの奴だから正直使いたくない。
最低でも設備が完全に整ってからでないと使いたくない。絶対に使いたくない。
大切なことだから、何度でも言うが、使いたくない。
『武器の意味がありません』
「俺は眺めるだけでも楽しいの」
見た目も凝ってるから、マジで見てるだけで一日終わったこともある。
それに性能も手間がかかった分高いしな。
それに汎用性も高いから、マジであれ一本でいいんじゃないかと思ってた時期もある。
まぁ使わないんですけど。
「それで?進捗はどうよ」
『現在、計画の32%までを完了しております』
「ほうほう。じゃあ大体急ぎの建物は終わった感じか?」
実は、あの岩トカゲを倒してから既に3日経っている。
その間、新たな建物を建設したり、周囲の探索をしたりしていた。
別にずっとデカいダイヤを眺めていたわけではない。
そしてそれだけの時間が経てば、基地建設も進むというわけだ。
現在食料関係は終了。資材関連は70%まで完了している。
ここまで進めば、凡そ生きる上でサーベスが故障しても問題なくなってきたと言える。
・・・と思ったのだが、キクヒメ的にはまだらしい。
『機体開発施設の開発を推奨』
「・・・え、いる?」
『現在の機体で、対応出来ない敵性存在に備えるべきです』
「とは言われてもなぁ・・・」
『また、無人防衛機に関しても数が足りておりません』
「そら・・・まぁそうか」
むぅ。確かにキクヒメの言う通りだ。
現在、大体サーベスを中心に一キロを壁で囲っている。
その中は俺たちの領域・・・防衛機が動いている範囲だ。
あまり広い範囲ではないが、壁の外側でも建造は続いている。
最終的には二k㎡を予定している。
全部の施設建てようとすると、それくらい軽く必要なのだ。
まぁ山は邪魔だけど・・・そこは山を切り開いて行くつもりだ。
でも、現時点でここから動かないってことを前提に考えるのなら問題はないみたいだな。
不意の脅威には備えないといけないだろうが・・・食料面や燃料関係は問題ないらしい。
機体開発なんて、余裕がないと出来ないからな。
防衛兵器の不足も、周辺地域に配置した設置型のレーダーで見つけてから俺が出れば間に合うだろうしな。
まぁでも、作った方がいいことにはいいんだよな。当然だけど。
「じゃあ作るか。あ、資材足りてんのか?」
『問題ありません』
「一番少ないのは?」
『・・・電力かと』
「・・・発電機も作るか」
徐々に基地の形を成してきている。
さて、また暫く暇になるな・・・
「何か他にやることあるか?」
『拠点の捜索を推奨』
「ここじゃないのかよ」
『訂正。知的生命体の拠点の捜索』
「あ、そういうことか」
まぁ確かに必要か。俺一人でも・・・生きてはいけるけど、精神的に死んじゃうし。
誰かと話したりってのは、それだけで人間の健康にかかわってくるしな。
問題は、全くそんな形跡が見つけられないってことなんだけど。
「今どれくらいまで調べたっけ」
『半径2百キロメートルの調査を終了しております』
「ここから?」
『前回の着陸地点からです』
「どこだっけ」
『こちらになります』
キクヒメが地図を出してくれる。
森の中なのは覚えてるんだが、実際ここまでどれくらい離れてるんだってわからんしな。
70キロて言われてもピンとこないし。
地図上では、この山は前回の森から見て西にある。
・・・なるほど、こうやってみると森と山しかないのか。
それも森の方は地図以上に広がっているのが確定らしく、今のところ終わりが見えてこないらしい。
向かうのなら、この山を越えるのが良いか。
「山は終わりは見えてんのか?」
『西にさらに50キロほどで平地になります』
「お、割と近いのか・・・ここを建設させながら離れるってのは出来るか?」
『私の子機を開発すれば可能です』
「あれ?なかったっけ?」
『長距離通信を可能にする物がございません』
「あー・・・」
マスコットとか言って小さい奴作って終わってたか。
「開発はすぐできるか?」
『将来的なことを考えるのなら、機体開発施設の建造を待ってからの方がよろしいかと』
「そんなバカみたいな性能いる・・・いやいるか」
『通信の中継施設も必要です』
「うんうん」
『私以外の、補助AIがあれば安定性が増します』
「うげ!AIか・・・」
子機とかはまぁ施設があれば性能がいいの作れるし、なくても作るだけなら出来る。
だが、AIを作るのは難しい。
施設の問題とかではなく。AIは俺が作らないといけないのだ。
ゲーム内で、プレイを補助するためのAIは課金で手に入れるか自分で作る、またはゲーム内のクエストで手に入れるとかになる。
この世界だと・・・手段は一つ。作るしかない。
キクヒメは俺が作ったAIだ。
他のAIを入手して、それを参考にプログラムを打ち込むっていう作業をぶっ通しで一週間以上続けて出来上がった。
性能はそこまで要らないんだろうけど・・・それでも時間かかる・・・
『以前に入手した物を改良すれば、時間を大幅に短縮できます』
「・・・捨てた気がする」
『・・・確認いたします』
何かのパーツについてたやつだから、パーツと一緒に捨てた気がするんだよなぁ・・・
だが、俺の日頃のおこないってやつは結構いい方だったらしい。
『・・・確認しました』
「え、残ってたの?」
『AIの基礎プログラムが記録されたメモリーが倉庫内の電子記録部屋にございます』
「おお!あの設定資料集とか見るだけのあの部屋か!」
なんでそんなところにあんだよとか思わんでもないが、今はいい。
一から作らなくていいのなら、かなり時間が短縮できる。
基礎プログラムって言ってたから、破損部分を直せばとりあえず中継用としては十分なはずだ。
『防衛装置の制御プログラムと、通信用の基礎プログラムが必要です』
「容量あればお前のをコピーすればいいだろ」
『それでしたら・・・凡そ2時間ほどで終了するかと』
「・・・俺次第じゃねそれ?」
『微力ながら、お手伝いいたします』
「はいはい・・・」
まぁやらないといけないし頑張りますか。
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