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80話

屋敷内を下に進み、どんどん地下に入っていく。

当然だが、地下に入るための扉は厳重に閉じられていた。

物理的にも、魔法的にもだ。


「ここの中だ」

「何か小さくないか?」

「運びにくい様にしているからな。中に入れる時は、まだこの屋敷もなかったしな」

「この錠前は?穴ないけど」

「それは魔法錠だな。記憶させた魔力の持ち主が触れないと開かないのだ」


だから俺が触っても何も起きないと言うわけか。

リアが触ると、かちっと音がして錠前が落ちる。


その後、何重にも掛けられていた物理的なカギを全て解除して、ようやく中に入ることが出来た。


「随分と厳重だな」

「一応とは言え、危険物だからな。

 まぁ役目的には鍵と言うよりは時間稼ぎなのだが」

「時間稼ぎ?」

「ああ。これだけの数だ、解除しようと思うと時間がかかるだろう?」

「まぁそうだな。でも破壊されるとかもあるだろ」

「その場合でも問題はない。先ほど見せた中には物理鍵に見せかけた魔法鍵があるからな」

「そんなのもあるのか」


中の結界を、外の鍵で解除するってものもあるらしい。

他にもいくつか特殊な鍵を採用しており、俺の見た目にはそうは見えなかったが色々あったそうだ。


「まぁその辺は知識を溜め込まんとな」

「むぅ」

「それにこういう仕組みは魔道具の理解にも役立つ。学んでおいて損はないよ」

「なるほど。ここの街でも買えるのか?」

「買える物もあるが・・・このくらいならくれてやってもいいぞ?」

「これ以上貰い物増えても困るんだわ」


明らかに高価な物をポンっと渡さないでほしい。

この癖は長生きしている連中の共有項目なのだろうか。

よくよく考えてみると、ダイジュナも精霊との契約の時にとんでもない指輪くれたし。


話をしながらも、さらに地下に向かっていく。

明かりに関しては、魔法のおかげなのか明るい。

だが下に行けば行くほど、空気が重くなっていくのを感じる。

センサーでは何も捉えていないが間違いない。下に何かあるのが分かる。


そしてついに、最下層に辿り着いた。


「ここだ・・・私も久しぶりに来たな」

「・・・俺も、久しぶりに見たよ・・・ハイドラ」


無数の鎖で縛られ、つるされている。

その胴体には大きな穴が開いている。確かあの場所はジェネレーターがある場所だ。

リアは破壊出来なかったと言っていたが、どうやらあそこだけは壊せたようだ。

だがそれ以外の部分に関しては、ほぼ原形が残っている。

俺の想像以上。ジェネレーターが残っていたら、また動き出していただろう。


それだけ、ハイドラの圧を感じる。

破損し、動くことがないはずなのにだ。


「恐ろしいな。今だこれには力が宿っている」

「力?」

「我らが与えてしまった力・・・畏れの力だ」

「おそれ?」

「生物の思いや願いは、魔力によって力を得る。

 そしてそれは、時には命に牙を剥く。これには、そういった物がいまだ残っているのだよ」


いまいちピンと来ない話だが、なんとなく言いたいことは分かる。

ハイドラの残骸から感じるこの感じは、そうでないと説明がつかない。

バイオティラノからは何も感じなかったが、それは俺との実力差が関係しているのだろうか。


「それはお主があれに対して何も思っていなかったからだろう」

「恐怖をってことをか?」

「そういうことだ」


なるほどそれなら心当たりがある。

俺にとって・・・というか、全ランナーにとってこいつは一つのトラウマ的な存在だ。

当時の最強陣営で挑み、半壊しかけ辛勝。

実装当時一月でクリア出来たという報告はその一件のみ。

数々のランナーを消し炭にし、ストレングスギアをスクラップにしてきた怪物。


それがレイドボス『ハイドラ』

ゲームの中の事とは言え・・・いや、だからこそこいつに対する思いは大きい。

今のストレングスギアのレベルで戦えば当時よりはマシな戦いが出来るだろう。

だがそれでも苦戦必須。可能ならば戦いたくない相手だ。


「それで?これは引き取っていいんだよな?」

「うむ・・・この話聞いても変わらんとわな」

「それはそれ。これはこれだ」


そこは切り替えていきたい。

だってレイドボス全部を弄れるなんて絶対に無かった機会なわけだし。

この時を逃せば、次は無いと思うべきだ。


「でもどうやって持ち出すか」

「ああ。それなら私が手伝るうよ。これを小さくすればよいだけだしな」

「は?自分以外のも出来るの?」

「物ならな」


何でもありのようだ。

その魔法・・・すごく覚えたい。精霊魔法よりずっと早く覚えたい。


「む・・・これは少し難しいかもな」」

「あ、流石にそうなのか」

「自分の体を弄るわけだからな」

「それはいらないんだが」


俺が欲しいのは物を小さくするだけだ。

それがあれば、今までと比べて武装の搭載数が一気に増加する。

それは単純に火力の増加に繋がるし、重量が変わらなくてもかさばらないから動きやすくなる。

今のところ『アビスキュイラス』では似たようなことが出来ているが、他の機体では出来てない。

特に効果が高いのは『エアロード』と『無影』だろう。

これらに搭載出来る火器が増えればすさまじい戦力強化になるだろう。


だがこちらもそれ相応に難しいらしい。


「少なくとも、普通の魔法を学んだ後になるだろうな」

「そうそううまい話はないかぁ」

「そういうことだ。ほれ、早速運ぶとするか」

「そうだな・・・うん?」

「む?どうかしたか?」

「いや・・・何でもないわ」


気のせいだろうか、一瞬・・・ハイドラに見られた気がする。
















「ハイドラがこのサイズになるとは・・・」

「元がこれであったら可愛いのだがな」

「戦っている時には出来なかったのか?」

「無理だな。見てたら分かるだろうが、小さくするのにも時間がかかるのだ」


その時間ハイドラに取りついていられないと言うことか。

まぁそれは無理だろうな。俺も絶対に無理だ。


リアの魔法で、ハイドラを手乗りサイズにしてもった。

その状態でサーベス内まで運び、元のサイズに・・・戻せない。


俺は『ハイドラ』が。もっと小さい状態だと思っていたのだ。

少なくとも完全に原型が残っているとは考えていなかったし、あっても大型の翼部分くらいな物だろうと思ってた。

だが実際には、原型が殆ど残っていた。

『ハイドラ』は、サーベスより大きい・・・つまり、この大きさでは載せることが出来ない。

分解するのも手だが、それは勿体ないだろう。どうせならこのままで基地まで運びたい。

基地なら『ハイドラ』でもすっぽりと入るしな。


「さてどうするか」

「ふむ。確かにこれは困ったな」


リア的にも、ハイドラは持っていってくれた方がありがたい。

それは危険物を適切に処理できる存在に渡せるというのもあるが、何より封印のためのコストの話がある。


封国にあった封印は、アルが周囲の土地の魔力を根こそぎ吸い取って維持し続けていた。

ここではそこまで大規模な物ではないが、少なくない魔力を使っている。

それはリアが賄っているのだが、それなりの量を毎月持っていかれるそうだ。

物理的な封鎖をしている部分にはメンテンナンスも必要だしと、意味がそこまであるわけでもないのに金食い虫なのだ。

いくらリアが貴族だと言っても、金が無限にあるわけではない。


なので可能ならば、このまま俺に持ち帰ってほしいのだが・・・


「ふむ。私に一つ案がある」

「お、なんだ?」

「お主・・・あの基地に使用人を置くつもりはあるか?」

「・・・は?」


いきなり何を言っているんだリアは。


「いやちゃんと関係あることを言っているぞ?」

「一体全体どこに」

「実のところこの魔法。大きくするのはそこまで難しくはないのだ」

「ほう?」

「故に私以外でも大きさを戻すことは出来る」

「なるほど」

「そこで使用人だ」

「どこでだ」


すまんが全く分からない。

だがリア的にはちゃんと繋がっていることらしい。


「私が直接再びお主の基地に向かっても良いのだが・・・こちらにも思惑があってな」

「はぁ」

「単刀直入に言おう。お主、私と貿易・・・もとい商売を行わんか?」

「・・・は?」


何やら再び話が飛び立ったような・・・?

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