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77話

実際に淹れてもらった結果、確かに美味しかった。

だが・・・


「やっぱり薄くないですか?」

「えぇ~コウ様まで・・・」

「あの甘みと香りがいいから仕方ないですよ」

「飲んだ時のあの感じが良いじゃないですか?」

「それはいいですけど味なのか・・・?」


なんだろう、キイナさんが冷たい物好きなだけなんじゃないですかね。

だがまぁ夏に飲みたくなるのは分かった。

薄いと言うなら初めから濃く作ればいいだけだしな。


まぁ完全に魔道具の方の冷蔵を一回見ないことにはそれっぽく作れない。

竜国にあればいいんだがな。


「そういえば、キイナさんは今回はどうしますか?」

「はい?」

「いや、竜国に一緒に行きますか?っていう」

「・・・いいんですか?」

「今回は観光ですしね」


封国の時はバイオティラノと戦うのがメインではあった。

だからキイナさんを誘うっていう考えは初めから無かった。

それにダイジュナからも、大して見る物は無いと言われてたしな。


だが今回の竜国は話が違う。

これもダイジュナに聞いたことだが、遠くにあるが大国であるらしい。

治安も抜群によく、他の国の貴族なんかも旅行に来るレベルなんだとか。

まさに観光地。そんな所なら、是非とも連れて行きたい。


「それに、ナユタも連れてきてくれって頼まれてますし」

「あ、なるほど」

「ええまぁ・・・ぶっちゃけ引率役でも来てるれると非常にありがたいなーと」


多分俺は今回もリアと話すことになる。

そうなるとののか達は暇になってしまうだろう。

その時にどうするかは未定だが、外を見たいとかでもキイナさんがいれば引率役になってもらえる。


一番いいのは、俺の傍で遊んでもらうことなんだけど・・・


「それにしてもいてもらえると大変ありがたいのでよろしければ・・・」

「あはは。そう言うことでしたら、是非お供させてください」

「よっし!」


勝ったな。


「じゃあキイナさんの準備もしましょうか」

「いつ行くんですか?」

「明日です」

「・・・え?」

「明日です」

「・・・えぇ」


別に急ぐ理由はないのだけど、今ちょうど暇だし欲しい物もあるかもしれないしって感じだ。

俺の必要な物は今キクヒメに頼んで積んでもらってるし、それが終わるころって考えるとちょうど明日なのだ。


「流石に急ですかね?」

「ま、まぁ大丈夫ですよ。私も大して準備する物もないので」

「そうなんですか?女性の準備って時間かかる気がするんですけど」

「そういう物なんですか?着替え位だと思うんですけど。他のはコウ様がご用意してくださってるでしょうし」

「・・・確かにそうだな」


食べ物全般不要。野営とかもしないからそれ関連も要らない。

お金は・・・まぁあっちで調達出来るし、実のところ封国から少しはもらっている。

この村では使い道は一切ないけどな。


そんなわけで、キイナさんの同行も決まり、一度キイナさんは着替えを取りに帰っていった。

さて、こうなると俺は何をしようか。

普段ならののか達と遊んでいるところだが、今は邪魔しちゃいけないだろうし。


「何かやることあるか?」

『特にございません』

「・・・今出来ることの中では何もないと。まさか完全に暇になるとは」

『ナノマシンの調整を提案』

「ん?今か?」

『ダイジュナ様の力の影響を得た状態のデータを整理する必要があります』

「ああ。緊急ではないが必要だな」


そういえばちゃんとはやってなかったな。

観測結果は色々溜め込んでるから、それはそれでいいんだけど。


じゃあまぁ折角だしやるか。


「・・・改めて見ると、えらい偏った性能になったよな」


元々のナノマシンの出来ることと言えば、敵への浸食と、それに伴う学習、変化又は進化である。

これらが行われると、一部の機能が停止か劣化し、別の能力を得る。


ダイジュナの力の影響を受けたナノマシンは、植物への働きかけを行うと言う点に特化している。

これにより、このナノマシンを撒くだけでその土地は一気に活性化する。

流石にダイジュナの力の勝手に植物が生るとかそういうのは出来ないが。


本来何十年と掛かるはずの成長も、こいつの手にかかれば一瞬で大木へと変化する。

ナノマシン自体がやっていることは、微生物の代わりを行って土地を整えることだけ。

それが力の影響を受けたことで『植物の成長と大地の再生』に変化した。

当然その能力も上がっている。


これをナノマシンのデータで見てみると、非常にダイジュナの力に近い物であると示される。

つまり、ダイジュナの力は自分に近い役割や性質を持つ物体にも影響を与えるということだ。

それに加えて、ナノマシン自体が精霊の力を受け止めやすくなっているのもあるか。


「だけどこうなっちゃうと、どうしても『アビスキュイラス』では使えないんなよなぁ」


機体の特性と言うか、『アビスキュイラス』はあえて何かの能力に特化させていない。

ナノマシンの基礎機能の中で、浸食と変化を万全に用いる為の機体なのだ。

だからここに別の機能を備えてしまったナノマシンを混ぜると、その大事な部分が活かせなくなる可能性がある。


精霊の力・・・魔素の吸収能力に関しては加えても問題ないと判断したから入れたのだ。


「なぁ機体への反映は無しだな。キクヒメ」

『性質の記録と、ナノマシンの初期化を開始します』


俺があの森で手に入れらナノマシンは、ドライアドから手に入れたあれだけ。

そこから詳しく調べる為に、他のナノマシンにも同じ性質を持たせていた。

まぁ結果的には、使いどころは限られるし、機体にも反映しないから意味がない。

なのでデータ自体はバックアップとして残しておいて、ナノマシンは初期化してまた別の機会に使うのだ。


大事なのはこのバックアップ作業。

何も全部のデータを残すわけではない。

必要な部分を確認して、要らない部分は切り捨てる。

今回の場合は、植物への影響を与える部分はいらない。これは元から別で持っているデータだからだ。

なので残すのはダイジュナの力の影響を受けたというその部分。

精霊の力によって機能が活性化されたという事実の部分をデータとして残すのだ。

いかんせん抽象的な部分ではあるから、残すのはやや面倒ではあるが。


まぁそれでもやるんだけどさ。

これを積み重ねて、ナノマシン自体がこの現象を単体で再現出来れば・・・そんな狙いがある。

機能の活性化と言うのは、俺にとっては微妙に管轄外の点ではあったのだ。

そもそも、その場合はナノマシン自体の性能を高める方向に持っていくからだ。

燃費やコントロール性など、そういった部分に影響を与えずに強化を行うというのはとんでもなく難しいのだ。


例えば『アビスキュイラス』の『オーバーロード』

これの強化を行うなら、稼働時間を短くして火力を上げるとかになる。

ダイジュナの力が与えた影響は、この稼働時間をそのままにしているから驚愕なのだ。


魔法の力と言われてしまえばそれまでだが、これは是非とも再現したい。


「今の時点だと必要なのは魔素の影響だよな。これはののか達でもいいのか?」


分からないのは、まだ植物関連でしか影響を確認出来ていないところだ。

精霊の力・・・魔素で何でも強化できるならそれでいい。

だがそこまで上手い話はないだろう。恐らくそれに関連する魔素の力が必要だ。

それも『アビスキュイラス』の属性に合った力がだ。


だが幸い、俺はそれを解決するための属性を知っている。

先日聞いた、『無属性』の力だ。

あれなら恐らく、どんな機能でも活性化が行えるはずだ。


「問題は今の時点で無属性を使える精霊が近くにいないことだよな」

『精霊ましろの成長を待つという案もございます』

「まぁな。それだったらいいんだけど・・・俺はその辺ましろの好きにしてほしいんだよなぁ」


俺のストレングスギアに関しては、自分の好き勝手に機能を加えて改造する。

だが精霊達はそうするつもりは一切ない。

彼女達は生きているのだ。俺と契約して、俺の力になってくれる存在である。

だがそれでも、成長するのなら自由に育ってほしい。

もちろんましろがそれを望むのなら、そういう方向に持っていくことへの助力を惜しむつもりはないが。


「まぁそうなると結局保留になるんだけど・・・最近多くねこれ?」

『不確定要素が多いため、仕方ないかと』

「そらそうなんですけどねぇ」


もっとこう・・・派手に機体を改造したいところだ。

まだまだこの世界の知識に関しては不十分と言えるが、それでも使えそうな部分はあるのだ。


「今パッと思いつくのはライチか」

『『エアロード』の強化案でしょうか』

「正解。あの子は風も使えるし、雷も行けるだろ。あれを使えそうだなって」


特に雷だ。

ストレングスギアはゲームに出てくるパワードスーツだから、当然その理論は現実的ではない。

だがそれでも、電気と言うのはかなりのウィークポイントなのだ。

使うにも食らうにも、対策をしてないと一瞬で負けになるくらいには。


「EMP兵器とか・・・何なら電撃そのものとして使ってもいいよなぁ」


相手が機械でも生物でも、電機は強い。

これははっきりと証明されていることだ。


何なら超電磁砲みたいにして使ってもいい。

ああ、夢が膨らんでいく。


「というか、試すだけなら『サンダーバード』で行けるか?」

『属性の強化なら、武装での試用でも問題はないかと』

「ふむ・・・ちょいとシュミレーションしてみてくれ。最悪壊しかねないし」

『了解いたしました』


ナノマシンの場合は、あれ自体が結構な耐久度持っている。

変化などを行う関係上、それが足りないと変化に耐えきれないからだ。

まぁそれに、強化された内容がナノマシン自体の耐久度に影響しないことだったというのもあるだろう。


だが『サンダーバード』は普通に武器だ。

火力が上がっ場合に、最悪銃身が吹っ飛ぶとかいう話もあり得る。


必要なデータは・・・『サンダーバード』自体がどこまでの威力を出しても壊れないかだろうな。

あれはレイドボス戦用の武装で、あんまりおもしろい性能はしてないしな。

どこまでも高火力で安定性がある。見る人が違うのなら、つまらない兵器ではある。


「一応射撃モード自体見直して色々見ておいてくれ」

『了解いたしました』


よし、じゃあついでに他のも見てみようかな。

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