76話
殆ど返信出来てないんですけど数少ない感想はしっかり読ませていただいております。
お褒めの言葉は大変モチベになるので嬉しいです
「うーん・・・」
「悩んでますねののかちゃん」
「まぁ初めてのってのもあると思いますけど」
だがああやって悩むのはいいことだな。
ここ数日、ののかはあの栽培室・・・元いドライアド部屋に籠ることが多くなった。
どうやらドライアドとも相談しながらあの部屋をどうするか考えているようだ。
俺も昔は・・・いや、今も考えることは多い。
新しいストレングスギアを作る時はどういう風にしようかとか、どうしたらこの性能を伸ばせるのか―とか。
そうやって悩んで、失敗することで今があるのだ。
特に『アビスキュイラス』を作る時とか、あほかと言うほどの失敗作が・・・この話はいいか。
「今はまだそっとしておきましょうか」
「そうですね。あ、私ののかちゃんにおやつあげてきますね」
「お願いします」
俺は俺の準備を進めるとしよう。
竜国ドラゴニアンに行く準備だ。その時に大量に物を持って帰ってくる予定だからな。
まぁ封国の時と違って、戦いに行くわけではないからそこまで準備する物もないんだけど。
ストレングスギアは全部サーベス内に積んでるから関係なし。
武装関連は・・・まぁいい加減レイド系の武装は降ろすか。家の方の倉庫に入れておこう。
出来る限りスペースは開けておきたいから、後降ろせそうなのは・・・
「何かあったか?」
『戦闘をしない前提でしたら、修理用の資材は減らせるかと』
「お、確かにそうだな」
それもあったか。後無人機たちも置いて行こう。
最悪偵察機があればどうにかなるだろうし・・・あ、でも一応全部降ろすのはやめておくか。
家の中でリスト化して取捨選択しているだけだからあんまり減らした感じはないけど、これで大体2割くらいスペースに余裕が出来たか。
「・・・いっそヤマトも置いておくか?」
『でしたら、『エアロード』も降ろせるかと』
「まぁ空中戦しないならなぁ・・・でも一応置いておきたい」
『なら『スパロウ』を降ろしましょう』
「そうだな。あれ降ろすだけで武装全部降ろせるし」
地味に一番サーベス内にある武装は『スパロウ』用のが一番多いからな。
剣とか斧とか、大鎌とか槍とかマジで何でもあるし。
「やっぱりこういう時にアビスは便利よな」
武装の殆どをナノマシン管理で機体の中に仕舞いこめるのは強い強い。
さてと、とりあえず荷物減らしはこんなもんでいいかな。
「後は・・・あっちへのお土産かな。何が喜ばれるんだろうか」
「お土産ですか?」
「あ、キイナさん。ののかはもう食べたんですか?」
「一緒に食べようと思ったんですけど・・・集中してたので」
む、それはかなり本気だな。いい傾向だ。
でも良いタイミグだ。お土産決めるなら俺よりキイナさんの方がセンス良さそう。
そんなわけで、キイナさんに相談してみる。
「竜国へのお土産・・・ですか」
「ええ。ちょいとあっちから貰い物をする予定でして」
「なるほど。えーっと、私たちのお土産ってことでいいんですよね?」
「そうですね」
「・・・お爺ちゃんがよくくれるお土産は、大体その土地の特産品とかでしたね」
「俺の場合だとこの村のってことですかね」
「あ!じゃあウッドベリーのジャムがいいですよ!」
「まだあるんですか?」
「大量に作ってあるので、それに商人さんに渡す用の物もありますし」
結構朝とか食べてると思ってたんだけどまだあったのか。
よし、とりあえず一つはそれでいいだろう。
だがどうせ俺からのお土産なのだ、もっと俺っぽい物は何かないだろうか。
「ではこれは?」
「ん?チョコ・・・あ!チョコ!!」
キイナさんがテーブルに置いてあったチョコを持って教えてくれた。
そうだそうだ。チョコがあるじゃないか。
リアも基地で食べた時かなり気に入っていたみたいだし。
そうだな。カカオの木でも持っていくか。何せ大量にある割に植えてないし。
後あれだ。製法と育て方とか書いたものを渡せばいいか。
「ありがとうございますキイナさん。いやー流石ですね」
「そう?・・・ですか?お役に立てて良かったです」
「あ、何か飲みますか」
「じゃあお茶淹れてきますね」
「お願いします~」
何かめっちゃ簡単に終わったな今回。
いやぁ毎回これくらいなら悩まなくてもいいのに。
・・・そういえば、ここのお茶って何の葉を使っているんだろか。
「お待たせしましたー」
「ありがとうございます」
ちょっと考えながら一口飲んでみる。
・・・うん、まぁ紅茶ではない。そして緑茶とかでもないんだよな。
何と言うか・・・ハーブティー?そうそれだ、それに近いんだ。
「このお茶って何の葉を使ってるんですか?」
「これですか?これはミツナシの葉ですね」
「ミツナシですか?」
「はい。木からは樹液が出ないんですが、その代わりに葉からは甘い液が出るんです」
「それを煮詰めてって感じですか」
「そうですね。煮だしてそのまま飲んでもいいですし。冷やしても美味しいんですよ」
むむ。これから夏だから冷やしは気になる・・・?冷やす。
「キイナさんキイナさん」
「はい?」
「どうやって冷やすんです?」
この世界には、当然だが冷蔵庫はない。
魔道具としての冷蔵庫は存在しているが、一般人は持っていない。
当然この村の人たちは持っていない。というかそのコスパの悪さから、貴族ですら滅多に使わない代物だそうだ。
王族への献上品として、冷やさないといけない物とかを運ぶ時に使われる程度。
それが常識なのに、どうした冷やすのが当たり前みたいな言い方をキイナさんはしたのだろうか。
「私たちは魔法がありますから」
「でも氷魔法で冷やすのってあんまり良くないんですよね」
「あ、覚えてたんですね」
「そらキイナさんから教わったことですし」
魔道具の事を聞いている時に、ついでに聞いたのだ。
何でも氷魔法は冷やしすぎてしまうらしく、解凍した時にダメになるんだとか。
俺の世界にある冷蔵庫ではそういう面も考慮したものがあるが。
あと冷やす方法だと、氷室を作るとかがあるがそれも効率が悪いらしい。
何でも、定期的に魔法を掛けなおすのが厄介なんだとか。
「あ、冷たい物を飲むときはこうするんです。えい!」
キイナさんが魔法を使うと、テーブルの上に氷のジョッキが現れる。
なるほどこれに入れて飲むのか。
「でもこれだと味薄くなりませんか?」
「そうなんですよねー。だからみんなあんまり飲まないんです。
私は好きなんですけど」
「ふむ・・・そうか冷やすか」
これは考えてなかったな。
・・・てか待って、キイナさん冷蔵庫見てるよな。
「キイナさん冷蔵庫使ってないんですか?」
「れいぞうこ?・・・ですか?」
「あの白い箱なんですけど」
「・・・あ、あれ冷蔵庫って呼ぶんですね」
「そこからだったか・・・」
マジか先に教えておくべきだった。
簡単に冷蔵庫の説明をする。
「これに物入れておくと、飲み物とか冷たくなるんですよ」
「・・・これ、魔道具じゃないんですよね?」
「そうですね」
「・・・すっごく便利じゃないですか!!」
「でしょ?」
今まで何で使わなかったのか・・・とちょっとしょんぼりしているキイナさん。
まぁ知らないなら無理もないと言った所。
だけどこの反応なら、割とこの考えもいい線言ってるかもしれない。
「キイナさん。一つご相談なんですけど」
「これがあれば冷茶が・・・あ、はい。何ですか?」
「これと似たような物を村中に配ったら喜ばれますかね」
「・・・出来るんですか?」
「出来るかどうかは微妙ですけど」
「でもあったらみんな喜ぶと思います!」
そうかそうか喜ぶか。
別にこの冷蔵庫をそのまま送ろうとは思っていない。
俺はこの冷蔵庫を元にして、新たな魔道具を作ろうと思っただけだ。
何かを冷やすための魔道具は、作り自体はそこまで難しくない。
問題は冷やし続けるための魔力が多いことだ。魔石の交換でも何個も必要になる。
そこで俺は考えた。
この魔力の燃費問題の解決と、どうしたら一々魔力を送らなくても稼働させられるかをだ。
後者に関しては、実は既に解決策を得ている。
俺の世界でもあった、発電方法の一つに近い。
まぁこれはあくまでも一部の話であって、大々的に行われていた物ではなかったと思うが。
問題は前者。どうしたら燃費を良く出来るかだ。
これに関しては、そもそもどうやって冷やしているかを改めて見ないと正確なところは言えない。
ただ俺の持っている冷蔵庫に関して言うなら、稼働するためのエネルギーを魔力に置き換えればとりあえずは出来る。
実際それでどうなるかは、試しに作ってみないことにはって感じか。
まぁ竜国に行くのが先だし、ちょいと後回しにしたい。
それでも夏までには試作を完成させたいところだ。
うんうん。地味に予定が埋まっているな俺。
キイナさんは冷蔵庫が来るかもというのがすごく嬉しいのか、今もずっと喜んでいる。
「これがあれば家でも毎日・・・」
「・・・今ふと思ったんですけど、キイナさんの家に冷蔵庫要ります?」
「・・・え?」
「そんな悲しそうな顔しないでください上げないとかそういうことではなく」
「じゃ、じゃあどうして・・・」
「いや・・・キイナさん大体うちにいるんで、飲みたいならこれ使えばいいんじゃ」
「・・・あれ言われてみれば」
夜寝る時以外帰ってないとかも割と良くあるからねぇ。
まぁどっちにしろ村長たちはあっちにいるんだし冷蔵庫上げるけどさ。
てか、あんな悲しそうな顔するほど好きなので冷やしたミツナシのお茶。
「俺も飲んでみたいなぁ」
「じゃあ今から作ります!!」
「いや今はこれが・・・聞いてない」
ほんとにどんだけ好きなの?
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