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75話

「精霊亜種ってすごいんだなぁ・・・」

「どうかなさったんですか?」

「ダイジュナから色々聞きまして」

「そうだったんですね。コウ様の世界では、精霊も亜種もいなかったんですよね?」

「いなかったですね。ドライアドとか普通に植物みたいに生まれるとか」

「・・・??ドライアドは植物ではないんですか?」

「え」

「え」

「・・・え?」

「そこで我を見るな」


どういうことだってばよ。












「えぇ!?ドライアドって精霊亜種だったんですか!?」

「おいどうなってんだ」

「いや我に聞かれてもな」

「普通に森に優しい生き物としか認識してませんでした・・・」

「うっそでしょ」

「いやまぁ・・・何が亜種だったかの認識は割と国によるのかも・・・しれんな」

「お前がいるこの村がこれでいいのかと」

「・・・まぁ知らんでも問題ないしな」

「ざっつ」


色々雑な認識なのが分かって、ちょっと残念なのか良く分からない気分になる。

とりあえず、ダイジュナから色々聞いてたらあっという間に村まで帰って来てた。

ここからドライアドの植え替えを実施するわけだが、ウッドベリーの近くに植えるので先に村長に許可を取りに行くことに。


まぁ速攻で終わったけど。


「おお、ドライアドですか。それでしたら全く問題ありませんぞ」

「やっぱり」

「ドライアドですからなぁ。森に害はないですし、逆にいいことしかないので」

「本当にキイナさんの言ったとおりに返って来たし」

「それだけドライアドがすごいってことなんです」

「精霊亜種なの知らなかったのに?」

「・・・知らなくても問題なかったですし」

「おや?前に教えたと思うのだが」

「・・・キイナさん?」

「・・・ほら!早く植える場所決めて上げましょ!」

「キイナさん?」


どうやら知識云々はキイナさんだけだったらしい。


許可も取れたので、ドライアドの鉢植えを持って森の中へ。

流石にここで『ヤマトスコーピオン』で入ると森を荒らすので『アビスキュイラス』で運ぶ。

手二つでは足りないので、背中から数本腕を生やして持ちやすいように。


「どの辺がいいんですかね」

「えーっと・・・どうなんでしょう」

「キイナさん?」

「だ、だってドライアド何て初めて見たんですよ!!」

「あら?」

「そもそもこの森にはいないからな」

「いない?この森ダメな森なのか?」

「人聞きの悪いことを言うでないわ。ここらは一昔前は危険な魔物も多かったからな。

 食われるということはないが、それでも危険だから我が違う場所に移してしまったのだよ」

「あーなるほど。でもこの子はここでいいのか?」

「最近は比較的問題ないようだしな。ドラゴンが来てもお主なら問題なさそうだしな」

「実際問題はないけど」


まぁ問題ないのなら普通に植える場所を考えるか。

ダイジュナもいるけど、自分で考えろということでヒントだけ纏めてもらってある。


えーっと。注意することは・・・


「一つ、出来る限り木の近くに植えること」

「これは気にしなくてもいいですね」

「ですね。お次。日陰と日向のバランスが大事・・・?」

「ずっと日が当たる場所では駄目なんですか?」

「気温の調整が出来んからな。一番良いのはドライアド自身が自分で調整できる場所だな」

「となると、比較的枝が垂れてる木ってことか?」

「・・・ないですね」

「ないっすね」

「まぁ出来るならばと言う話だ。気にせんでもいいぞ」


む。そう言われると気になって来るな。

ののかの友達になってくれた子だし、可能ならいい感じにしてあげたい。


いや、日向の前にまずは三つめの条件か。


「三つ目・・・水場は無くてもいい」

「これは植物と同じですね」

「てか普通に植物育てるのと変わらないのでは?」

「ん?そうでもないぞ。四つ目を見てみろ」

「どれ・・・出来るだけ、人目につくところで」

「寂しがらせると枯れるぞ」

「枯れんの!?」

「枯れる。しおれる」

「ドライアドって枯れるんだ・・・」


再びキイナさんも初耳の情報だったらしい。

この条件も、本当なら仲間のドライアドがいるから気にしなくてもいい条件らしい。

でもここにはいないから、気を使わないと駄目だとか。


「精霊達じゃダメなのか?」

「ダメではないが、気まぐれで来ないこともあると可哀そうであろう」

「確かに」


でもそれ気にすると、ここに植えるの間違いな木がしてくるんだが。


「そうですよね。私たちもこの時期にしか来ませんし」

「む。そういえばそうだったな」

「考え直すか」

「そうだな。我が他の仲間を連れてきても良いが」

「どれくらい掛かるんだそれ」

「大体5日ほどだな」

「どっちにしろそれまでは住む場所決めないとだな」


うーん。どこかにない物か。

日当たりが調整出来て、人目に付いて、水とか栄養とかがちゃんと地面にある・・・


「あるわ」

「あるのか?」

「あるある。俺の家」

「・・・あ、もしかしてあのお部屋ですか?」

「そうそう。キイナさんは時々入ってますよね」

「お野菜とか頂いているので」

「お野菜?家の中にか?」

「保存しているってわけじゃないからな。見た方が早いか」


再び村に戻り、今度は俺の家へ。

行く先は言えの地下。工房や開発系、倉庫がある場所とは違う所。

俺の家の中では、こじんまりとした施設だ。


「ほいここ。栽培室」

「なんと、家の中にこのような場所があるとは」


サーベスの中では、ランナーが食事をするための施設が存在している。

主な種類は二つ。

エネルギーを消費して、特定のメニューを出す配給機。

もう一つは基地内で養殖や栽培を行う施設を作り、調理機を別で設けることだ。

特に二つの差はなく、単純に好きな方をお選びください位しかない。

俺はサーベス内に二つとも持っている。

そしてこの家には後者の施設を置いているわけだ。調理はキイナさんがしてくれるから要らない。


この栽培室。人口太陽光発生装置があるので太陽の光が無いと駄目と言った物でも問題なし。

水の循環や、栄養面の管理なども全部機械任せに出来る。

この世界で手に入れた野菜なんかは、こういう部屋で栽培して増やしている。

今の俺の食糧庫には、かなりの数が貯蔵されている。


そしてここなら、ドライアドの為の環境を整えることが出来る。

まだ使っていない栽培室があったので、そこを丸っとドライアド部屋にしてしまうことに。


「まず木を植林します」

「いきなりとんでもないことやっておるな」

「んで、次に蔓性の植物を植えます」


既に蔓がある程度伸びている物を別の部屋から持ってきてある。

多分これは長芋だと思うんよ。


この蔓をいい具合に天井に引っ掛けて、緑のカーテンとする。


「これなら好きな時に日差しの調整が出来るだろ」

「ほぉ。これはいいな」

「コウ様出来ましたー!」

「ありがとうございますー!」


キイナさんにも手伝ってもらいながら、緑のカーテンを作っていく。

大体部屋の半分程を覆うように出来たなら、後はドライアドを植えていくだけだ。


「ほれ。ここがお前の家だぞー」

「??」

「良く分かってないみたいですね」

「まぁ子供みたいですし。ののかー!」

「・・・・・はーい!!!」


上でライチ達といたののかを呼ぶ。

一緒にライチとましろも付いてきたが、まぁ問題ないか。


「ほれ、自己紹介しなさい」

「ライチ!」

「ましろ!」

「・・・!!」

「分かってんのか?」

「名前は分かっていると思うぞ」


ならヨシ。


ののかの力も借りつつ、ドライアドの植え替えが終わる。

今ここには、木と長芋の蔓のカーテンしかない。ちょいと寂しいな。


「何か追加するか?」

「・・・ふむ。ののか、やってみるか?」

「え?」

「ん?どういうこと?」

「自然のバランスを、この小さな部屋に作ってみろということだ」

「・・・ええ!?」

「あらま。いいんじゃない?」

「難しく考えることはない。ただバランスよく、見栄え良く出来ればそれで良いよ」

「ドライアドちゃんの為だぞ?」

「むむむ・・・やります!」

「「おおー!!」」


ののか一大決心だ。

それにライチとましろにはアドバイスを求めていいということにもなったので、何があっても賑やかなことにはなるだろうな。


それにこれは、ののかにとっては訓練にもなるらしい。

精霊の力を使って、環境を整える。

ダイジュナクラスになると、必要な物も自分で作れるそうだが、まだののかはそこまで出来ない。

なのでそのあたりは俺が用意することになる。

それでも、力を使ってと言う点が大切らしい。


「何かガーデニングみたいだな」

「何ですかそれは?」

「自分の家の庭を綺麗に整える・・・的な?」

「ああ。庭師の仕事のことだな。まぁある意味で同じだぞ」

「同じなのか?」

「うむ。必要な植物を生み出すかどうかの違いはあれど、見栄えを整えるのも重要だからな」

「へぇー。そうなのか」

「無秩序に成長してしまうと駆除せねばらなんからな。その前にこちらで整えるのだ」

「今回のは、それの練習ってことか」

「そういうことだ。出来るなののか」

「がんばります!」

「何か必要なのあったら言えよ?」

「はい!」

「ああそうだ。キイナの精霊にアドバイスを求めるのは無しだからな」

「あ、そうなの?」

「そうなんですか?」

「やつは何気にそういうのが得意だからな。聞いてしまうとすぐに答えになってしまう」


それは確かにいかんな。


こうして、ののかの初めてのチャレンジが始まった。

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