71話
PSO2NGSが9日からですね。
「コウ?どうかしたのか?」
「・・・いや、何でもない」
いや、その考えになるには早計か。
まだ見つかってもいない脅威に対して気を遣うのは馬鹿らしい。
それが現れる確率が高いならともかくといったところだが。
「リアは、ハイドラにどうやって勝ったんだ?」
「ん?私か?撃ち合いになったな」
「良く勝てたな?」
「最後は近づいて自滅覚悟でドーンだったがな」
俺達がそれやろうと思ったらどれだけの火力と装甲が必要になるんだろうか。
実に羨ましい。一回俺もそんなストレングスギアに乗ってみたい。
・・・ん?乗れるのでは?
「なぁ。ハイドラって破壊したんだよな?」
「ん?そうだと言ったが」
「破片とかって残ってる?」
「・・・」
「・・・コウ。どうするつもりだ?」
「いや、それで俺の機体作りたいなって」
火力はともかく、装甲の方が再現が出来るはずだ。
それにそちらが再現出来れば、俺の方で持っている武器で火力を寄せることも出来る。
あんまりにも威力を高くしすぎて、撃った方が破損するとかいうバカみたいな兵器がある。
・・・いくつか。
なんなら今この基地の中にある。
破損具合にもよるが、使える部分を集めたら普通のストレングスギアくらいのサイズにはなるはずだ。
元々が大きいからな。さっき見たリアくらいあるんじゃないか?
そんなわけで聞いてみたんだが、リアは何となく察したのか呆れていて、ダイジュナも念のための確認と言った感じだった。
「悪いとは言わんが・・・こう・・・何かないのか?」
「無い。俺は前に愛機を壊された奴をまるっと別の機体に改造したこともある」
ヤマトスコーピオンのこと。
「はぁ・・・実際残っているのか?」
「残ってはいる・・・と言うか、壊しきれてないのだ」
「・・・ん?」
「確かに私はあの竜を倒すことには成功した。だが、完全な破壊は出来なかったのだ」
機能停止までは持っていけたらしい。
ハイドラは確か、自分の周辺にフィールドバリアを張っているから、それの消費が大きくなりすぎたって感じかな。
確かレイドボス戦でも、攻撃を与え続け得て、バリアに負荷をかけ続けると一時的に出力を弱らせることが出来た。
同じレイドボス級レベルのリアの攻撃。それも至近距離で自爆覚悟なら威力も十分だろう。
「後で爆発した?背中か胸のあたりで」
「おう。それはちゃんと確認しておるぞ」
じゃあジェネレーターは壊れてるな。完全に討伐には成功している形だ。
いいなぁ。俺達が戦えるレイドボス戦は倒してもパーツは手に入らないし。
ちょっとした報酬と、何かしらのおしゃれグッズ程度しか貰えなかった。
「まぁあるだけで場所を取るからな。お主が引き取ってくれると言うならそれはそれで喜ぶだろうが」
「よっし!!」
「それにしても運命とは不思議な物だ。かつて我らを苦しめた怪物たちの影が次々と消えていくではないか」
「私は助けられましたし。良いことなのでは?」
「・・・そうだな。よし、コウ。あの破片は取りに来るか?」
「あー・・・竜国だったよな。行ってみたいんだよなぁ」
「それがいいだろうな。コウにとっては魔法面でも面白い物が見つかるはずだぞ」
そうそれだよ。封国に行った時もそれが目的ではあったし。
まぁ大量に貰うことになったんだけど・・・お金使わなくて良かったなぁって思うべきか?無理だな。
とにかく、竜国ドラゴニアンにあるその国特有の物は欲しい。
だがリア的には、それが意外だったようだ。
「何だ。魔法も学んでいるのか」
「おう。目的は機体に反映することだな」
「こやつはそういう男なのだよ」
「ダイジュナには芸術家って呼ばれたぞ」
「・・・あの連中程偏屈ではなさそうだが」
「知り合いにいるのか?」
「知り合い・・・いやまぁ知り合いか」
「どんなやつなんだ」
物凄く嫌そうな顔したぞ今・・・
とりあえず、俺が竜国に行く日取りを決めるのはもう少し後になった。
先ずは先に片づけないといけないことがある。
大地再生に関して、俺とダイジュナに相談しに来たアルの話だ。
「そういえばそれが用件で来たのだったな」
「ええ。でもいいんですか?先にリアの国に行っても良いんですよ?」
「まぁ私の国には荷物を受け取りにいくだけだからな。後回しでもいいだろうさ」
「そういうこと。んで?何かあったのか?」
「えーっとまぁ・・・あったと言えばあったのですが・・・」
「うん?」
「どうかしたのか?」
何か合ったのなら、多分俺のせいなだよな。
ダイジュナはそう言うことに慣れているだろうから魔法でミスをすることはないだろう。
だが俺が撒いたナノマシンは、それ専用に調整されたとは言え元は別物。
何かの拍子に、性質が変動してもおかしくはない。
「直接見た方が早い?」
「そ、そうですね。見ればすぐかと」
「OK。ちょいと待ってて」
ダイジュナに誘われる前、それこそ封国でバイオティラノと戦う前の事。
封国に着いた俺は、その大地の調査を行った。
その時から、大地の再生に関してはどうにか出来ないかと考えていたからだ。
だが結局、かかる手間と結果が見合わないということで見送りにしたのだ。
逐一俺が確認して、調整を行うのでは面倒だしな。
まぁ別に必須ではないのだが、万が一があった場合には対応できない。
だが状況は変わる。想像以上に貰い物をしてしまったし、ダイジュナにも誘われたのでやることにしたのだ。
ナノマシンを撒いてからまだ数日だし、調整は行っていない。
流石にそんな短い期間でやるのはな。やってもいいんだけど。
しかし万が一があっては困るので、現地を確認出来るようにカメラだけは用意した。
これを使えば、基地からでもサーベスからでも現地を確認出来る。
無線だからちょっと画質が悪いのとラグいのは目を瞑っていただきたいところだが・・・よし、準備完了。
部屋のモニターに映るように設定を変えた。
これでこの部屋で見れるはずだ。
「キクヒメ」
『封国周辺。再生試験所付近の映像を受信します』
さぁこれで状況が・・・
「・・・キクヒメ。これ村近くの森映してないか?」
『電波送信位置は。間違いなく封国付近です』
「・・・ダイジュナ。お前の魔法ってすごいな」
「いや我の力でもこれは無理だ」
「ほぉ。立派な木々ではないか」
「問題って・・・これ?」
「問題と言いますか・・・何をしたんですかという・・・」
モニターに映ったのは青々と生い茂る緑の森。
複数の地点に設置されたカメラが全て同じような景色を映している。
そのうち一つは、木の成長に巻き込まれたのか随分と高い位置から景色を映し出されている。
先に言っておくと、俺のナノマシンでこれは無理だ。
元々似たようなことはゲーム内でやってたから、調整すればワンチャン出来るんじゃないか?
そう思ってやったのだ。だから正確に言うと、俺も効果の程を知っているわけではない。
だが絶対にこれは無理だ。こんなに一気に木々を成長させられるのなら、ナノマシンの使い方を考え直す必要がある。
具体的には『アビスキュイラス』がもっと強くなる。
「だから俺じゃない」
「むぅ。それを出すとは本当のようだな」
「そらな。てかナノマシンはあくまでも微生物たちの代わりをするだけで、植物の成長に直接干渉はしないんだぞ?」
「・・・となると我か?」
「でも出来ないんだろ?」
「無理だな流石に」
うーむ。原因が分からない。映像だけではダメか。
ええい。やっぱり直接行かないと駄目か。
「しゃーない。行くか」
「そうだな」
「あ、でも急がなくてもいいですよ。悪い影響は起きていないようなので」
「そんなこと分かるのか?」
「私は水の力に関しては、自慢できると思っていますので」
「大地の活性にも関係があるからな、ダイジュナほどではないが簡単なことは分かるのだろう」
「へぇ~。リアは?」
「む。流石にそういう方面は出来ぬなぁ」
「自然の象徴とも言える我らと同じことが出来てたまるか」
「似たようなことなら出来そうですけどね」
「それでは意味がないからのぉ」
竜国にも精霊使いはいるらしいから、そっちに頼めばいいだけらしい。
流石貴族様だ。配下にも優秀なやつが多いんだろうな。
まぁうちの子達も優秀ですけど。
「ののかにも大地の管理について教えておくか?」
「え?良いのか?」
「構わんぞ。大抵の精霊は成長するにつれて勝手に出来るようにはなるが」
「先に学んで悪いことは?」
「無いな。単純に力の使い方の指南でしかないしな」
「逆になんで他のには教えてないんだよそれ・・・」
「勝手に育つからなぁ」
「ああ分かる。それは良く分かるぞ」
「竜など飯さえ与えていれば勝手に強くなるだろうからな」
「全くだ。世話のし甲斐が無い」
まぁ確かに生まれた時から強くなることが確定しているような物だからな。そら学ばんし教えないわな。
無駄とは言わないが、あまり効果があるとは思えないし。
それに精霊の成長は遅いのだ。
年齢次第で力の最大量が変わるみたいだから、どうしてもその時に強くなるのには限界があるのだろう。
ののか達はまだまだ子供で、つい最近まで戦ったことはない。
この間の猫玉ラックに憑依してたのが始めてなレベルだ。
そうなると、伸びしろは非常に大きいだろう。そもそもダイジュナのお墨付きだしな。
「ふむ。どうせだ。今回のこれも手伝わせてみるか」
「面倒見るのは頼むわ。俺はちょいとナノマシンのデータ見てくる。キクヒメ」
『ナノマシンの稼働データ。最新版に更新します』
「どれどれ」
「リア。見えないんだけど」
「・・・お前、こんな数字だらけで何か分かるのか?」
「まぁ一応」
「さっぱりわからん。私はナユタと話してくるかな」
「あ、じゃあ私も行きますね。ダリアちゃんの緊張をほぐさなければ」
「ついでにののか呼んで来てくれ」
あとダリアはお前が行くと逆に緊張すると思うぞ。
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