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67話

「もうフェーンダメでしょ!」

「フフーン」

「何か家猫世話してるみたいですね」

「コウ様も甘やかさないでください!」

「あ、はいすいません」


甘やかしてるつもりはないんだけどなぁ・・・


「じゃあ早く手を噛んでるの注意してください」

「・・・まぁこういうのもありだと思いますよ」

「コウ様ー・・・!!」


まぁ人の家の子だから注意しにくいってのもあるんですよ。

いや逆にここでちゃんと注意しないとキイナさん的には駄目なのか。

じゃあ注意しないと駄目だわ。


「メッ!」

「・・・」(プラーン

「・・・ダメみたいなんですけど」

「フェーン~!」


何か前に比べて駄々っ子になってないこの子?

一体誰に影響されたのだろうか・・・















色々見学して、何かあっという間に一日経った。


精霊亜種達が基地に住むことが決まり、新たな居住区を作ることが決定した。

ただ好みの施設はそれぞれ距離があるので、中心部に作ることになる。

なので一度区画整理を行わないといけなくなっている。


まぁ実は一度やろうと思ってたからな、ある意味丁度良かった。


あ、キイナさん達に見せるには流石に退屈だろうから今日は別行動だ。

キクヒメに一応見ておくように命令はしてあるから迷子にはならないだろう。

代わりに今日のお供はましろだ。ライチも誘ったんだけど、遊ぶ約束した―と言ってシルフ達の所に向かってしまった。

ちょいと悲しい。


「まぁお仕事しますか」

「なにしゅるの?」

「皆が住むところを作るんだぞー」

「おお~。ひろいところがいい~」

「む。ましろはそう思うか。じゃあそうしよう」


別に癒し係でましろがいるわけではない。

俺に無い視点。精霊的な視点が欲しかったのだ。

ののかでも良かったが、ののかにはキイナさんをもてなしてもらおうとそちらに向かわせた。

基地自体は分からないが、キイナさんより機械慣れしてるからな。

猫玉ラックの経験が活きている。


案内させるように、わざわざ猫玉ラックを改造もした。

だから今のののかは猫玉ラックに憑依してキイナさんと共にいると言うわけだ。

無いとは思うし、あってもそんな機会は無いと思うが、一応何かが合った時に戦えるようにはしてある。

地味に広くて、場所によってはこちらの対応が遅れることもあるからな。


「まずは・・・管理系統の施設を見直すか。ましろ」

「んにゃ?」

「これみて、どの辺が好きとかあるか?」


ましろに建物が何も建ってない状態の土地の立体映像を見せる。

ほぼ完璧に周辺の状況を再現しているから、精霊的に好きな場所があればましろも何か感じるだろうと思ったのだ。

だがあんまり反応は良くなかった。


「・・・ん~?」

「あれ。あんまりって感じ?」

「かわんない~」

「変わんない・・・なるほど。普通だから好きも嫌いもないと」

「ん!」

「お~・・・じゃあこうするとどうだ?」


一か所に大きな噴水を建ててみる。

これで水の属性に寄ったから、ニンフたちが気に入るはずだ。

そしてこれは正解だったようだ。


「ニンフのおねえちゃんたちがいっぱい~」

「たくさん寄って来そうと。ならやっぱりそうなるのか・・・」


うーん。やっぱりそれぞれ何か分かりやすく属性に偏らせた方が良いか。

いくら各施設が好きだからと言って、寝泊まりする場所が居心地悪いと意味ないしな。


だが水や風、土はともかく炎は難しいな。

これと言ったモチーフになりそうな物が思い浮かばない。

噴水や水車。風車とか、小物では風鈴もいいだろう。

土だったら地下に作ると言うのも手だが・・・炎、炎か。


「ましろ何か聞いてる?」

「あのぼわっとでるのがいいって」

「ぼわっと?・・・あ、煙突?」


あんまり俺の基地にはないのだが、燃料を燃やしている施設がある。

発電ではなく、資材の変換の為の施設だ。

鉱石を燃やして、精錬したり他にもいろいろやっている。

そうか、ああいうのがいいのか。それはそれで難しそうだが。


「燃えてた方がいいんだよなぁ多分」

「だめなの?」

「ダメって言うか、燃やし続けるのが難しい」


ずっと燃料を燃やし続けているのならともかくって感じだ。

でも俺の基地燃料は集めてないのだ。

基地の運用エネルギーは、全てある物体から抽出している物だ。

無人機もストレングスギアも、すべてそのエネルギーで動いている。


「そんなわけで、燃やすのはちょいと難しい」

「ざんねん~」

「ほんとそれな?」


しゃーない。これは俺の手に余るか。

良し、何が良いか直接聞きに行こう。














場所は変わって精錬所。

ここでは高熱を使いながら鉱石を燃やして資材を精錬している。


この中、ちょうど燃えている所にサラマンダーたちはいる。

いると言うか・・・群がっている。わらわらと。


「相変わらずすげぇ光景だなこれ・・・」

「みゃ―・・・」


火の中に子供くらいのサイズ人間が大量にいるのだ。

控えめに言ってやばい映像だ。全く熱がってないのは分かってんだけどさ。


「おーい!イリートいるかー!」

「お!どうしたー!」


その中で、頭一つ大きい身長のサラマンダー。

彼・・・ん?彼女か?

どっちでもいいが、とにかくこいつはイリート。

精霊亜種達はそれぞれ名前がある。ここは精霊と違う点だな。


そしてこいつが、サラマンダーたちのリーダーである。


「ちょい相談事があってな」

「おう!何でも聞いていいぞ!」


相変わらずの元気っ子だ。

まぁ話しやすくていいけど。


彼らも別に暇では・・・いや、火に巻かれるの趣味って言ってたけどとにかく暇ではないのだ。

すぐに聞きたいことを聞いてしまおう。


「いやな?お前らの住むところの相談なんだが」

「ここでいいぞ?」

「ここは寝泊まりする場所じゃないんだよ」

「えぇ~?ベッドとか置けないのか?」

「燃えるわ」


火の中でも大丈夫布団とかは流石にないわ。

てかここの火は一際熱いんだからそれこそストレングスギアじゃないと耐えられないわ。

あ、俺は別に火に近づいてないからな?管理室から声かけただけだからな?


「とにかく。宿舎に作るモニュメントを考えたいんだよ」

「ああ。属性の象徴のことか。確かにあった方が良いな」

「だろ?でも常に燃やし続けるのはそれはそれで難しくてな。

 何か別の物で替えが効かないかなと」

「なるほどなー。確かにそれはコウでも難しいよな」

「俺は人間だからなぁ」

「ハッハッハー!三体も契約してるのに?」

「普通に人間なんだよ俺は」

「面白いことだな!」

「おもしろい・・・のか?」


いや精霊的にはジョークみたいな扱いだったりするんだろうか。

とりあえず聞くことは出来た。だがやはり難しいのか、考え込んでいる。


「ん~・・・火を出し続けるってのは難しいんだよな?」

「難しいな。そうなると燃料が必要だし」

「あー。そういえば、火が燃える水はないんだったな」

「石油のことそう呼んでるのかお前ら」

「ん?石油っていうのかあれ」


何が燃えるとかは分かるが、名前は知らんのか。

いや、この世界の物だから正確にはまだ名前が無かったのか。

となると、俺が今こいつらに伝えたことでその名が広まる可能性もあると。

何気にとんでもないことしたのか俺?


「まぁ最悪。熱い何かがあるなら何でもいいぞ?」

「熱い何か?」

「そうそう!俺達は炎も好きだが、根本的に好きなのは熱だ!」


なるほど通りだ。炎は高熱を発しているからな。

逆に冷たい炎なんかは炎でも好きじゃないんだろう。

炎の精霊というか、高熱の精霊の方が似合ってそうだ。


でも高熱・・・高熱か。


「・・・めちゃくちゃあっつい地面とかでもいいのか?」

「おお!全然いいぞ!むしろ大歓迎だ」


みんなで寝転がるくらいには気に入るだろうとのこと。

ふむ。こうなると考え方を変えた方が良いかもな。

燃えているというよりは・・・暖房器具が整っているところ?


「・・・あ、出来るかも」

「どんなのがあるんだ?」

「ちょい待ち・・・多分カタログにあると思うんだけど・・・」


基地建設と言うより、自室のコーディネイトを行う際の家具カタログを探す。

俺が見るのは暖房器具。それも結構古い物だ。


「・・・あった。これこれ」

「・・・お?真ん中が赤くなってるな」

「実物見た方が分かりやすいんだけど、この赤い部分が暖かいんだ」


割と大人は見たことがある人は多いのではないだろうか。

所謂石油ストーブだ。まぁ石油では動かさないからこの名前は正しくないが。

しいて言うならエネルギーストーブ?急に情緒が無くなったな。


とにかくこれならワンチャンとか思ったのだ。

実際イリートは興味を示している。

まだ画像だから、熱を感じなくてそこは微妙な顔してるけど。


ここでさらにましろからも一つ提案が。


「おこたは?」

「ああ炬燵?確かにいいかもな」

「こたつ?なんだそれ」

「布団に包まって、その中が熱で熱くなるやつ。こういうの」

「・・・これが本当に熱いのか?燃えちまいそうだけど」

「まぁ暖房器具は実際に体験しないと分からないよなぁ」


あ、そうだ。炬燵はサーベスの中にあるからいっぺん試してもらうか。

イリートだけだとあれだろうし、後数体手伝って貰うとしよう。


「よし、数体付いてこい」

「本当に熱いんだろうなー?」

「熱い熱い」

「おこてゃ~」


・・・まっしろは炬燵で丸くなる~

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