64話
「村長はさぁ」
「はい。どうかなさいましたか?」
「いや・・・エルフっていう自分達の種族に対する評価ってなんか気にするところあります?」
「・・・はて?」
まぁこうなるよな。
『基地建設及び、周辺地域の整地が完了いたしました』
「お、随分かかってたな」
『該当地域に危険度1未満ですが、敵対生物が多く存在した為です』
「あらま」
危険度1未満ならまぁ俺はいらないけど、そんなにいたのかあの辺。
村から西の方に向かって飛ぶと見えてくる山岳地帯。
そこにある俺の基地は、現在進行形で拡張し続けている。
村を見つける前と比べたら、今はもう倍くらいの広さにはなっている。
流石にこれ以上広くするつもりはないが、別の地域に似たような物は作るかもしれない。
何故そんなことをしているのか。
単純な話、機体を動かすのに必要なあれこれの補充をしているからだ。
『アビスキュイラス』はともかくとして、他の機体はどうしても動かせば消費する。
『アビスキュイラス』だって、使ったら整備しないといけないし、ナノマシンの生成を俺自ら行う場合もある。
コロネタイトなどの、レア度の低い資材は既に十分な数を確保出来ている。
それにこの先も、どんどん掘ってくれているから溜まっていくだろう。
問題はもっとレア度の高い素材。
希少素材や、弾薬に使われている物があんまり採れてないのだ。
正確に言うと、一つと採掘機が手に入る資材が10トンだとすると、これのうち0.1%未満しか手に入らない。
これで計算すると10キロほどしか手に入らないことになる。
絶対的に足りていない。この量だと、最悪一戦戦ったらそれで無くなる量だ。
機体がダメージを受けたりなんかして、それの修理も考えると全然足りていない。
なので、採掘機を含めた様々な資材入手機材をたくさん稼働させる必要があった。
基地の拡張は、その為に行っていたのだ。
その成果もあり、今は何とか貯蓄出来るくらいには手に入るようになった。
それでも本気での戦闘を考えると心もとない量ではあるが。
前は他のプレイヤーから買ったりってのが殆どだったから、一々機材を作らないといけないのが厳しい。
サーベスを使っていた関係上、そもそも作っても死蔵されるだけだったから作るわけにもいかなかったのだが。
「んー・・・特に変わったことはないんだよな?」
『無人機及び、警戒設備の位置を再考する必要があるかと』
「あー広くなったからなぁ」
新しく広げた範囲には、何かが侵入してきたのを感知したら防衛機を向かわせているらしい。
それではいざって時に対応出来ないし、最悪折角の設備が壊されかねない。
キクヒメに頼んでというのも考えたが、こればっかりは俺がやった方がいいか。
「しゃーない。久しぶりに帰るか」
『それでは、各精霊、およびキイナ様にお伝えさせていただきます』
「頼むわ」
最近はあっちで手に入れた資材をこちらに送ってもらってたからな。
基地に行くのって一月振りとかそれに近くなるのか。
何かこう・・・村のこの家がこの世界での家って感じがするから、基地に帰るって感じ違和感すごいわ。
「これが俺の基地・・・あー、拠点ですね」
「上から見ても全然端っこが見えないです・・・」
「ひろーい!!」
「すごーい!!」
「みゃー!」
今回の同行人は、俺の契約精霊達+キイナさんとその契約精霊の計2人と4体。
キイナさんに今回の行き先を伝えたところ、物凄く行きたそうにしたので誘ってみたのだ。
そしたら合っていたようで、とても嬉しそうに快諾してくれた。
ののか達もその方が嬉しいだろうし、家の事は別に放っておいてもいいからな。
そこまで長い間いるつもりはないし。一応メインの目的は基地の警戒網の再構築だからな。
つっても、そればっかりやってもキイナさん達がつまらないだろう。
てか、警戒網なんて遊びながらでも作れるから。
「とりあえず、ぐるっと回って見ますか?」
「見てみたいですけど・・・何か用があったんじゃ」
「大丈夫ですよ。遊びながらでも余裕なんで」
キクヒメがいれば半分俺要らないしな・・・
そんなわけで、俺の基地を見学することになった。
予め危ないのが分かっているとこは行かないと伝えてあるので、それは納得してもらった。
兵器庫とか、機体倉庫とか。後廃材置き場も危ないな。
基地はとんでもなく広いので移動は車で。
オープンカーみたいに上が開いているから見やすくていいだろう。
季節的にも寒いって感じじゃないしな。
まぁ見てて面白かはキイナさん次第だけど。
ののか達?あいつらは大丈夫だよ。だって元々そういう子が俺と契約してるし。
「ますたー!」
「はいはい?」
「あれはなんですか?けむりもくもくです!」
「ん?あれか。あれは発電施設だな」
「はつ・・・でん?」
「あー・・・雷魔法ってあります?」
「ありますよ。風の魔法の一つです」
「その雷を魔力無しで作ってるところですね」
「おおー!だからぼくとおなじちからがあるんだね!」
「そうそう・・・ん?ライチちゃん?」
「んー?なーにー?」
「今・・・なんと申しました???」
ライチが風云々ってのはまぁ知ってた。
雷よりなのも知ってたから、キイナさんの言ったことから考えると同じなのだろう。
で、問題はそこじゃない。
今、あの発電施設から同じ力を感じたと言ったな?
「あそこ、魔力何てかけらもないはずなんだけど・・・」
「え?そうなんですか?ずっと精霊達がいると思ってたんですけど」
「キイナさんまで?どういうことです?」
「ここに来てから、ずっと精霊達の力があちこちにあるって感じてたんですけど・・・
コウ様は何も感じなかったのですか?」
「感じてないねぇ」
これはあれか、精霊使いとしての実力の差なのだろうか。
ののかにも確認を取ったが、ののかも同じことを言っていた。
採掘機がたくさんある場所に、自分と似たような力を感じると。
ののかの精霊としての力はダイジュナと同じ自然・・・植物関係だ。
植物の力を持つ精霊は、同時に大地の精霊としての一面もあるらしい。
今回はそちらの力が多くあるそうだ。
「ましろは何か分かるか?」
「みゅー・・・わかんにゃう」
「んー?」
「ましろちゃんはまだ力が定まってないですから、そのせいだと思います」
「ふむなるほど」
キイナさんの契約精霊フェーン。
こいつも植物関係だが、風の力も持っているらしい。
そしてその力も、とある物から感じるようだ。
「」(アレ
「風力発電所の方か・・・うーん?」
一体何がどうなっているんだ?
この基地の物は、俺がこの世界で学んだ知識を一切活かしていない。
BMWの中で作れる物のみで構成されているから、精霊の力なんてあるはずがないのだ。
俺が知らないだけで、実はそういう設定でしたーとかだったら分からないが・・・流石になさそうだしな。
「・・・一回行ってみていいですか?」
「大丈夫ですよ。ののかちゃん達もいい?」
「おーけー!」
「いいよ~」
「にー!」
全員に許可をもらったので、進行方向を一番近い施設である採掘機のある場所へ。
全体を含めて、採掘施設を呼んでいるその場所は、大きな突起物が大量に並んでいる。
そこには、大地の精霊の力を感じるらしいが・・・
「ここから中に入ります。あ、なか階段なんで気を付けてください」
「分かりました。フェーン。頭乗って」
「」(ヤー
「なー」
何故かましろも一緒にオンザヘッド。
入ったのは採掘機が採掘している所を見られる管理所。
そこに入れば、全体を一気に把握できる。
少しだけ暗い室内の階段を下っていく。誰も入ってはいないが、定期的に掃除機が動いているので埃などは溜まっていない。
俺達が中に入ると、一気に電源が付いて明るくなる。
するとそこには、驚きの光景が広がっていた。
「マブシ!!」
「メガー!!」
「ナンデナンデ!?!?」
何か小さい人・・・人?
人っぽ何かがうろちょろしていた。
「・・・え、何こいつら」
「なるほど、だから精霊の力を感じたんですね」
「え。こいつら精霊なんですか?」
「正確には亜種精霊って言う、精霊の仲間の別存在なんですけど」
「うわ、そんなのもいるのか・・・で、こいつは一体?」
「彼らはノームです。大地の精霊で、鉱石大好きな子達ですね」
「ののかのなかまです!」
「ああなるほど・・・なるほど・・・???」
ノームなのは分かった。だがなんでこいつらはここにいるんだ。
しかもこいつら・・・採掘作業手伝ってね?
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