表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
65/241

62話

昨日投降したのをいいことに今日分の予約投稿を忘れた間抜けがこちら

本当にすいません・・・

「ところで、クロウ殿は一体どのように戦うのですかな?」

「まぁ見てればすぐに分かりますよ」


あんまり変わった戦い方はしないとだけは言ってもいいかもな。


俺の持つ機体。それらはペットも含めて、全て俺の制作物が殆どだ。

元よりそういうゲームで作った話なので当然ではあるのだが。


そんな数少ない、メイドイン俺ではない機体。

そのうちの一機がクロウだ。

ロボペットと呼ばれる無人機やストレングスギアとは違う部類のマシーン。

ペットの名の通り、大体は愛玩動物の代わりとして作られる。

だが異常なまで自由性の高いBMW。それはロボペットでも変わりない。

当然それだけの労力と資材はかかるが・・・戦闘用にも作れる。


クロウを手掛けたプレイヤーはとても有名なプレイヤーだった。

なにせロボペットを戦闘用に改造する定石をたった一人で生み出したのだから。

無人機より賢く、そして強い。

僚機のいない状態での戦闘を行う際に、無人機ではなくこいつを連れていくプレイヤーを爆発的に増やしたのだから、その功績は計り知れない。


まぁそのプレイヤー自身は、あまりランナーとしては強くなかった。

代わりにロボペットを主戦力として用いて、PvPではそれなりに暴れていたのだが。


そしてこのプレイヤーにも当然こだわりがある。

俺の機体毎のコンセプトに性能を偏らせるといったこだわりの様なものだ。

そのプレイヤーのこだわりは・・・絶対にそのモチーフになった動物を超えないことだ。


クロウは、爪と牙以外の攻撃手段を持ち合わせていない。

ロボペットとして見ても、無人機として見てもシンプルすぎる武装構成なのだ。

それは、クロウの戦闘スタイルにも現れる。


フォースアームベアーを視界に捉えると、一気に加速する。


「なんと!」

「相変わらず速いな」


クロウの持ち味はその瞬発力だ。

最高速度こそ平均的な部類に入るが、そこまで持っていく時間が圧倒的に短い。

どのような体勢でも同じように動くことが出来るそれは、まさに狼。

得物を見つけ、決して自分の間合いから逃がさない動きは、場合によってはランナーの乗るストレングスギアすら撃墜するほどだ。


四本ある腕の内側に一気に潜り込むと、弾けるようにジャンプし腕を一本食いちぎる。


『ガウ♪』

「ご機嫌だわこりゃ」

「驚きましたなぁ」

「・・・本当に驚いてます?」


何か反応薄くない?・・・いや、慣れた感じなのか。


ぺっと腕を捨て、再び低く構える。

ああなると、もういつでも最高速度まで一瞬だ。

それにこの距離では、俺でも反応が遅れるかもしれない。

フォースアームベアーも警戒はしているのだが、クロウからしたら、あまりにも隙だらけだ。


先ほどの繰り返しの様に、腕が再び食いちぎられる。

フォースアームベアーなのに、もう二本しかない。

だが、思っていたよりこの熊は賢かったらしい。

腕を咥えたままのクロウを、残った腕で殴りつけたのだ。


「だけどまぁ・・・」


それではクロウには届かない。


迫る腕を見るや否や、体を捻り尻尾を腕に巻き付ける。

勢いの付いた腕に巻き付いた尻尾を軸に回転し、そのままその場を離脱した。


・・・実は今の尻尾の動き。本当はクロウには無かったものだ。

俺の元に来てから、少しは出来ることを増やしたいとちょっとだけ手を加えたのだ。

まぁ製作者にバレたらハチャメチャに怒られる事間違いなしなのだが。


だが、ここから。クロウは俺の想像も超えた動きを見せた。

いや、正確には・・・クロウとあの精霊がか。


宙を舞うクロウの足元に、突如として魔力の反応が生れ土の足場が生れる。


「お?」

「おや、どうやら精霊が手を貸したようですな」

「ああ。魔法か・・・ん?クロウが頼んだってことですか?」

「時々なのですが、ああして契約した者の動きに合わせて魔法を使ってくれることがあるのですよ」


ふむ。クロウは何も言っていないが、あの精霊が状況を判断してあれを作ったと。

だがいきなり現れては、流石のクロウも対応出来ないんじゃないか?

そう思っていたが、あっさりとそれを裏切って見せる。


急に生まれた足場を確認し、それを踏みつけさらにフォースアームベアーに接近してみせた。

直進するだけだから、フォースアームベアーも反応して剛腕を振るう。

クロウはそれを更に体勢を低くすることで回避し、上に跳び上がる。

気が付いたら、フォースアームベアーの周りには先ほどの土の足場と同じような物がいくつも浮いていた。

それを踏み台に、加速しながらフォースアームベアーをかく乱していく。


「あいつら本当に一緒に戦うの初めてなんだよな?」

「むぅ。とてもそうとは思えませんな」

「村長から見てもそう思いますか」

「はい。私もそれなりに自信はありますが・・・

 ここまで息を合わせて戦うのはまだ無理でしょうな」


村長はエルフとして、長い時間を生きている。

精霊との契約歴も、それに応じて長いのだ。

その村長にこう言わせるほどの連携・・・クロウにこんな才能があったとは。


いや、それだけではないか。

クロウと契約したあの精霊。そちらもクロウに合せる才能があるのだろう。

まさに一心同体。理想の精霊使いの戦い方のようだ。


そうなると、ただでさえなかったフォースアームベアーの勝ち目が更に無くなる。

二本腕を奪われ、最初から一方的な展開ではあったが、その後も危うげなく倒すことが出来た。


『アオーン!!』

(ヨッシャー

「いやはや。まさかここまでとは」

「いや、俺もこれは想定してなかったな」

「私も久しぶりに精霊と戦ってみたくなりましたなぁ」

「『ソルキス』が来てから一緒に戦ってないんですか?」

「はっはっは。そもそも私が戦うことはあまりないのですよ」


まぁ村長だからそれもそうか。

ちゃんと他の村人は『ソルキス』を使っての精霊との連携について色々考えているらしい。


だが俺も一ついい参考になった。

精霊と息があった戦いが出来ると、ああも動けるのかと。

明らかにクロウの性能以上の動きを見せていた。

是非とも、コツを聞きたいところだが


「どうやってんの?」

『???』

(???

「二人して首傾げないでくれます???」


あらやだ天然さん?


















「・・・むぅ。我も見たかったのだが」

「文句を言うなら捕まった自分自身に言いな」

「ぐぬぬ」


家に帰るとダイジュナがいた。

どうやら朝っぱらから村の人に捕まっていたらしく、つい先ほどまで色々ご馳走になってたらしい。

それはそれで美味しかったから満足なようだが、それ以上にクロウが気になっていたようだ。


「どうにかして見れんのか?」

「キクヒメが撮った映像ならあるけど、それでいいか?」

「・・・言っておいてなんだが、どうにか出来るのだな」


この世界には録画なんてものはないからそうなるわな。まぁ俺からしたら簡単なことなのだが。


キクヒメに頼んで、その辺にある端末に戦闘映像を映してもらう。

簡単に操作方法だけ教えると、集中して見始めたので後は放置で良さそうだ。


さて、話題の中心であるクロウだが、今はののか達も含めた4体の精霊に遊ばれている。

クロウと契約した精霊・・・名前はまだないが、どうやらののか達と既に仲良くなっていたらしい。

てか、元から村の近くの精霊樹に住んでたのだから当然か。


大きな体を横に倒して、精霊達にされるがままといった感じだ。

とても先ほど見事な戦いをしていたとは思えない。


クロウはロボペット。契約時にも外部から魔石を取り付けることで問題を解決している。

そう言う点では、クロウには精霊使いとしての才能の第一条件が無いと言える。

なにせ元は魔力を持っていない。精霊が見えない存在なのだから。

まぁそれを言ってしまえば俺もなのかもしれないが。


だが戦闘においては、先ほど見せたあの連携が出来ている。

意思疎通。精霊とコミュニケーションを取ることでその精度を高める。

これはダイジュナにも言われたことで、俺もやってはいることだ。

クロウが精霊と出会い、気に入られたのは俺がののか達と契約したのとほぼ同時。

時間に違いがないとすると、それ以外の部分で差が大きいと言うことだろう。

こればっかりは、機械で数値化出来ない物だ。


「ん~動物・・・何か関係あるのか?」

「ふむ。なるほどこうなるのか・・・」


クロウのAIは、可能な限りの範囲で動物そのままの動きをするように作られている。

それは制作者のこだわりの一つだし、ペットとして見ても出来の良さに繋がる部分だ。

そういう点では、クロウは非常に本物の狼に近いと言えるのだろう。本物を見たことはないが。

その本物への近さが、精霊との意思疎通に関係しているのだろうか。


もしくは・・・


「子供っぽい方が、精霊と仲良くなりやすいとか・・・ちょっとありそうなの困るな」

「おお!ここまで!!」


素直というか・・・何と言うか。

俺にはない部分だからなぁ。それはちょっと難しいとかそういうレベルではない。


いや、村長ですらクロウの精霊使いとしての実力を褒めているのだ。

そんな簡単なことではないのかもしれない。


「まぁ俺は気長にやるしかないかなぁ」

「どうかしたんですか?」

「何でもないよののか。クロウ登りはもういいのか?」

「はい!こんどはますたーのぼります!」

「のぼる~」

「飛ぶ~」

(エッホエッホ

「ほほーう。もう登ってるやつもいんな?」

『・・・アウ』

「待て。お前は無理だ」


お前どんだけ重量あると思ってんだおい。

よろしければ評価やブクマ登録お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ