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58話

「んで?実際何をどうするんだ?」

「まずは我が大地に力を与えるところからだな」

「ほう。まぁ予想通り」


封国にほど近い荒野。

神殿のある位置からはそこそこ離れているが、ここにも影響は色濃く出ていた。

ぺんぺん草も生えていない。スキャンをしても、前に取ったデータと同じ物が取れる。


ダイジュナに土地の再生への協力を頼まれてから、数日後。

準備を終えてここまでやってきたのだ。

何でそんなに準備に時間が掛かったか。それは後でのお楽しみだ。


「精霊の力ってどうやって与えるんだ?」

「ふむ。まぁいくつか手段はあるな」


魔力を直接地面に送ったり、魔力の籠ったアイテムを地中に埋めるというのもあるらしい。


「まぁ今回は別の方法を取るがな」

「お、一体どんな」

「こうする」


そう言うとダイジュナは足を地面に埋め始めた。

・・・これは一体何を。


「土遊びか」

「違うわ」


直接地面に体の一部を入れることで、魔力を浸透させやすくしているのだとか。

その方がダイジュナの力が親和性が高まり、広い範囲に送るのも楽らしい。


「唯入れればよいと言うわけではないがな」

「と、言いますと?」

「触れている部分の力が、その物と同じ性質を持ってないと意味がないのだ」

「それだと何でも条件満たせないような」

「普通はそうだな。だが我らは違うということだ」


精霊特有の自然に合わせられる力と言うことらしい。


ダイジュナが地面に足を埋めてから10分くらい。

『絶影』のカメラで状況を見ていたが、確かに地面にダイジュナの力が広がっていくのが分かる。

50メートルほど広がり終わると、ようやく足が上がってきた。


「こんなところか」

「このくらいでいいのか?」

「この程度で押さえないと、効率が悪くなってしまうからな」

「なるほど。力の量の問題か?」

「そうだ。一度に送りすぎても良くはないからな」


植物に栄養を与えすぎてはいけないとかそう言うのと同じかな。

これを繰り返して、徐々に再生をしていくつもりらしい。


「いや時間かかりすぎだろ」

「だからお主に助力を頼んだのだ」

「そういうことかい。俺が出来なかったらどうするつもりだったんだ?」

「他の精霊達に頼んでいたな」

「・・・いや、そっちも呼んだ方が効率いいだろ」

「それはそうなのだが、呼びに行くのも手間だからな。

 先にお主と我で土台を作っておきたかったのだ」

「はぁ。そういうことね」


俺は本命ではないってことだな。まぁその方が気楽でいいか。

さて、俺の方もそろそろ始めるか。多分もうすぐ戻ってくるだろうし。


「おまたせしましたー」

「お、戻って来た」


キイナさんが空から何かに乗って降ってくる。

乗っているのは俺の無人機のうちの一つだ。主に運搬用の無人機で、『ノート』って名前だ。

この世界に来てから作った新型で、半球状の物体が前に付いている。

てか、大体ターレーみたいなものだ。空飛べるけど。


んで、何故キイナさんがそれに乗ってきたか。

サーベス内の物を持ってくるように頼んでおいたからだ。『ノード』の上には二つの箱が乗っている。

俺はこっちでダイジュナのやることを見てないといけなかったからな。

こいつのやることで、俺の方とで都合が悪いとあれだしな。


「何を持ってきたのだ?」

「こちらです!」

「・・・何だこれは?」

「ナノマシン団子・・・団子って分かる?」

「いや知らんな」


む、この世界には団子が無いのかってそこではないな。

キイナさんに持ってきてもらったのは、『アビスキュイラス』にも使われているナノマシンを調整して球状にした物。

これが数日時間が掛かった理由でもある。

本来のナノマシンでは、土地の再生などは出来ない。

理解すれば、それに近いことは可能だが。やはり難しい。


そこで、初めからそれの為の物を作ったのだ。

大地再生用のナノマシン。これはゲーム内にある環境再生用のアイテムを参考にして調整を行った。

あまりその手の事はしてこなかったが、在庫はあったので何とかなった。

そして球状の理由だが・・・


「これを植えるのよ」

「ほう」

「土の中でナノマシンが拡散して、勝手に良い土に変えてくれるってわけ」

「ふむ。だがそれだけでは意味がないのではないか?」

「正解。それだと結局ナノマシンが無いと駄目な土地になっちゃう」


なのでこれとは別でもう一つ手を打つ。キイナさんの力はここで役に立つ。


「私がその後に、植物を植えていくんです」

「おお。お主の精霊は我と同類であったな」

「あ、そうなん?」

「うむ。名は・・・何といったかの」

「フェーンですよダイジュナ様」


俺も初めて名前聞いたかも。キイナさんの頭の上でフフーンしている精霊。

・・・あれ?見た目変わってね?


「そんな猫っぽかったでしたっけ?」

「ああ。最近変化しまして」

「えぇ・・・」


そんな気軽に変化するのか精霊って。普段から受けている影響が大きいって話だよな。


「うちの子結構ポンポン変わるので」

「それはそれで強い精霊である証なのだがな」

「あ、そういう基準もあるのか」


前は犬だが猫高って感じだったが、今は完全に猫だ。

一体何に影響を・・・ハッ!


「まさかましろに・・・?」

「多分ですけど・・・」

「む?あの子がどうかしたのか」

「キイナさんがましろばっかり可愛がるから嫉妬してたのよ」

「」(フンス

「ごめんってー」


渾身のどや顔である。これで可愛がるよなおおーん?って感じの。

まぁこれはキイナさんの問題だからいいか。

いい加減始めよう。


「とは言っても、やることは簡単」

「ふむ。穴を開けるのだな?」

「俺はそこでも動きはしないけどな」

「なに」

「キイナさんもう一つの箱を」

「わかりました!」


キイナさんがもう一つの箱を開ける。

そこにはナノマシン団子より大きい箱型の物体がいくつかある。


「工作用無人機穴掘り君です」

「・・・変わった名前だな?」

「俺が付けたわけじゃないから直接言ってくれていいぞ」


これはゲームにある普通の無人機だから俺制作じゃないし。

まぁこいつは非常に簡単だ。指定したサイズの穴を開けるだけ。

そしてもう一つだけ出来ることがある。

工作用なのだから、穴を開けるだけでは意味がないということだ。


「本来は開けた穴に爆弾を入れるのが仕事なんだがな」

「なるほど。今回はこのダンゴを入れるというわけか」

「そういうことです。んじゃキイナさん。さっき教えた通りに」

「はーい」


無人機たちの電源を入れて、掘るサイズの設定を行う。

大体10cm程に設定して、等間隔で掘らせる。

設定のやり方は前もって教えたのでキイナさんもこれくらいなら楽々こなせる。

最近シュミレーターを動かしているから、機械の操作に慣れてきているのも大きい。


「後はこいつを地面に置けば終わり!!」

「何とも楽が出来るのだなぁ」

「その為の準備には時間掛かるけどな」

「数日で出来るのだからよいのではないか?」

「数がいれば精霊って即日で同じことできるだろ?」

「まぁ出来るがな」

「俺的にはその時間が惜しい時もあるからなぁ」

「ふむ。これはまぁお互いが出来ることの差であろうなぁ」


俺は準備時間さえあれば後は何もしなくて済む。

ダイジュナは準備期間はいらないが後でやることが多い。


単純に労力がかかるタイミングの違いってだけだが、お互い出来ない範囲だからな。

隣の芝生は青く見えると言う様に、どうしても羨ましく思えるのだ。


「私からしたら、どちらともすごいなぁとしか思えないんですけど・・・」

「・・・その心持が一番いいのかもな」

「そうだなぁ」

「え?・・・ええ?」


純粋に両方共を凄いと思える心は大事ってことですよキイナさん。

そうだよなぁ。俺のこれってすごいんだよなぁ。


「うむ。我もそういえば精霊の中でも上の存在であったわ」

「いやそこは普通忘れないのでは?」

「長生きしてると、どうでも良くなるからのぉその辺」

「今までそんなお爺ちゃんみたいなこと言ってなかったじゃないですか!?」

「ほっほっほ・・・さて、仕事をするかの」

「そうだなぁ」

「えぇ!?・・これ、私がおかしいのかな?」

「」(コテン?

「キイナさん手伝ってくださーい」

「あ、今行きます~!」

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