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52話

アビスキュイラスを弄るのも程ほどにして、他の物も見てみる。

あんまり触りすぎても急な変化で俺が上手く扱えない機体になる可能性だってあるからな。


アビスキュイラスをドックの格納庫に仕舞って、別の物を持ってこさせる。


「今度は何をするのだ?」

「ののか達の機体を調整しようかと」

「ほう。そういえば詳しくは聞いてなかったな」

「まぁ言っても唯の動く倉庫だしなぁ」

「倉庫は普通動かんと思うが」

「俺の常識では動くんだよ」


倉庫=移動拠点だし。

まぁ流石に盛ったけど。


二分ほどで猫玉ラックが開発室に来た。

相変わらず丸い猫にしか見えない。これで一体どんな性能があるんだ!!


「大体こんな感じ」

「・・・数値だけ見せられても分からんな」

「実際これだけで分かるやつは相当な変態」


ダイジュナに見せたのは猫玉ラックのスペックデータだ。

装甲値とか、機動力とかが数字で表されている。

だが、基本的に機体の戦闘力と言うのはこれだけでは分からない物だ。

性能は把握できるので、ある程度は想像は出来るかもしれないが。


猫玉ラックの場合。役割が武器を運ぶことなのでこれだけ見ても分からない。

戦闘力の本体は、中に積んである武装しだいだ。


「とは言っても、今は空っぽだけどな」

「この場合はどれくらい強いのだ?」

「えぇ~・・・体当たりくらいしか出来ないぞ」

「それは大丈夫なのか?」

「基本的に、弾をこいつで撃ちきるか、俺に渡し終わるかしたら下がらせる気だし」


想定では、アビスキュイラスの基本武装・・・『オーバーロード』と『アビスエッジ』

後は猫玉ラックの武装のうち5割を使い切ったあたりで倒せる想定だ。

これはキクヒメの中に残っているデータから割り出した結果だから、かなり精度の高い予測だ。


「だから基本的にこいつに戦闘力を持たせる気はないんだよなぁ

 それにののか達も危ないだろうし」

「む、そのあたりは考えているのか」

「そらな・・・そういや、憑依してた物が壊れた場合って精霊にダメージはあるのか?」

「ないな。強大な魔力で攻撃されて壊れたなら痛いが」

「物理的な損傷なら問題ないと。まぁ想定内だな」


猫玉ラックは今回の戦いの為に用意したサポート機体だが、将来的にはもっと色々な戦いに使う可能性もある。

その時の為に、出来る限り予想図は持っておきたい。

今のところ考えているのは、魔力に対する防御力を高めることだ。

所謂耐魔力コーティング材のような物の開発が出来れば一気に楽になる。

それ以外にも、何かの素材を使えば耐魔力性能が上がるとかがあれば、それを使って作り直しも出来るのだが。


「その辺は追々だな。今は必要ないし」

「お主はやることが多いのだな」

「やることって言うか趣味だしなこれ」

「知っておるよ。ちなみにだが、我に作るのならどういった物を作る?」

「ん?ダイジュナに?」


キーボードを叩いていた手を止める。

ダイジュナに・・・ダイジュナにかぁ。


「・・・まず、ののか達に出来ることってダイジュナは大体出来るって想定であってる?」

「それでいいぞ。大抵のことは出来る」

「んで能力は上位互換みたいなもんか。じゃあ・・・」


まず猫玉ラックの様な、所謂サポート系にすることはないだろう。

あれがサポートなのは、結局ののか達がまだ子供だからだ。

彼女達が大人になればあれを改良してもっと戦えるようにしてもいいのだが。


「後、多分だけどもっとお前に形を寄せると思うわ」

「この形にか?」

「大きい方な?」


戦うのなら、その方がやりやすいだろうし。


ダイジュナが憑依して戦うのなら、まずクロウの様なAIは積む必要はないな。

その分のリソースは別の所に回せるから戦闘力は上げられる。


後はこいつの戦い方次第かな。

遠距離からドカドカ撃つタイプなのか、近距離でゴリゴリに戦うタイプなのか。

それ次第で武装が大きく変わる。


「さぁどっち」

「・・・何故に完成予想図があるのだ?」

「暇だったから作ってみた」


ダイジュナが封国に行っている間の時間で暇つぶしに作った。

ずっと訓練なのも疲れるし、いい気分転換にはなった。


一つは中・遠距離先仕様。

仮名、『ダイジュナ・ブラスター』

鹿の形状で、その角の部分には大きなキャノンが付いているのが特徴。

そして巨大なキャノンのサポートをするために脚部が太くなっている。

反動を受け止めて、連射を可能にした優れものだ。

腰の部分は何もないので、ここには状況に併せた武装を積み放題だ。


「固定武装が一つな分。柔軟に状況に対応できます」

「お、おう・・・」


次、近距離戦特化型

仮名、『ダイジュナ・スラスト』

こちらも鹿の恰好をしていることには変わらない。

違うのは角の部分。キャノンではなく巨大なソードランスが二本付いている。

剣角って感じのイメージで作っており、接続部が回転するのでどの方向にも対応できる。

そして可能な限り機動力を上げる為に機体の軽量化をしており、後ろ脚にはブースターが二つ付いている。


「そして何より、こいつにはエネルギーシールドが付いております」

「それはどういう物なのだ?」

「ドラゴンのブレス攻撃を無傷で耐えられる盾」

「・・・なんだろうか、もはや驚きも少なくなってきたな」


ブラスターの方にシールドが無いのは、キャノンの出力にエネルギーを持ってかれてるからだ。

ソードランスはその質量で貫き、叩き切るタイプなのでその辺はエコな機体だ。

何より機動力が重要な機体なので、メインのブースター二つと補助ブースターで推進剤は持ってかれるが。


「お勧めはブラスターの方です。一撃でドラゴンに気が付かれる前に木っ端みじんにできます」

「スラストとやらは出来んのか?」

「ドラゴンを串刺しにして挽肉に出来ます」

「それはあまり変わらないのではないか・・・?」


経過が大事だろうよ。


「んで?どっちが良い?」

「いや別にどちらでもよいなこれだと」

「えぇ~」

「明らかに過剰になるわ!」

「・・・ちなみにダイジュナの戦い方に近いのはどっち?」

「・・・しいて言うならブラスターの方だな」

「あ、そうなんだ」

「そもそも精霊は魔法を使うのだぞ?前に出て戦うわけなかろう」

「・・・それもそうだな」


よく考えなくてもそうだったわ。こいつら魔法メインの生命体だ。

いや、でもワンチャン前に出たくなる日もあるんじゃないか・・・???


「我は無い」

「そっかー・・・」

「まぁ我の友に近接戦を好む変わった精霊はおるがな」

「お。誰だそんな俺好みのやつは」

「お主近接戦の方が好きなのか?」

「まぁね。どの機体にも格闘武装積んでるくらいには」


ぶっちゃけエアロードとかにはいらないんだが一応積んでいる。ナイフ程度だけど。

正確に言うと、俺は射撃が嫌いなわけではない。

ただ射撃は近接戦に比べてワンパターンになりやすいから飽きてしまうのだ。

距離取って撃つ。距離取って撃つ・・・これの繰り返しは普通に飽きる。


しいて言うなら、ヤマトスコーピオンが射撃よりな機体ではあるが・・・最大火力は鋏だしな。


「それでそれで。その変わり者はどんな精霊?」

「あー・・・大地の精霊でな。とにかく物理的な攻撃が好きなやつだ」

「大地?それってお前じゃないのか?」

「我は正確には緑の精霊だ。植物や生物全体の方が正しいか」

「・・・あれ。お前ってマジで精霊の中でもトップな感じ?」

「何だ。今更理解したのか?」


別名命の精霊。

一番強く司っているのは植物であることには違いないらしいが、それと合せて生命力その物も操れるらしい。

流石に問答無用で命を奪うとかは出来ないらしいが、相手の調子を悪くしたり、逆に活性化させたりは簡単に出来るらしい。


「それは精霊にとっても変わらんのでな。

 だからこそ、我はこの地でも緑を根付かせることが出来るのだ」

「あ。他の精霊では無理なのか」

「無理であろうな。そもそも管轄外というのもあるが」

「その変わり者の大地の精霊は?」

「無理だな。奴は大地を活性化させることは出来るが、命を育てることは出来ん」

「それは本当に出来ないのか、向いてないのか」

「向いていないだな。本人の性格もあるが」


生命を支える土台である大地。

それを司る精霊ならダイジュナと同じことが出来ると思ったがそうでもないようだ。

理由が本人の性格がなんとなくあれな感じが否めないが。

まぁ出来なくはないが、苦手な範囲なんだな。


「そやつは大きな猿みたいな形をしていたな」

「・・・それゴリラか」

「お。お主の世界には大きな猿に猿以外の名があるのか」

「ある。てか厳密にいえば別物扱いだし」


猿ではあるんだったか?よく覚えてないなその辺は。


「てか、ゴリラってことはゴリゴリに殴ってくるタイプか」

「正解だ。態々魔法で鋼鉄の拳を作って殴ってくるぞ」

「自分の拳に纏わせて?」

「うむ。完全体なだけあって、生半可な防御では防げずに潰されるな」

「うわぁ。是非とも会いてぇ」


そして機体をプロデュースしてぇ・・・


「自分が使わない機体でも作るのか・・・」

「そらな。巡り巡って俺の為にもなるし」

「経験を積むと言うことか」

「そそ。いい刺激にもなるしな。てか、村に渡した『ソキウス』はその流れで出来たんだぞ?」

「ほう?」

「知り合いに頼まれてな」


へんてこな依頼だったのを覚えてる。

クランメンバーの為に、見た目からして量産機な物を作ってくれと頼まれたのだ。

自分でやれとも思ったが、それなりの性能を要求されたし、面白そうだったので受けたのだ。

他にも数人のプレイヤーが制作したらしく、最終的にコンペみたいな形になった。

直接戦闘での結果でどの機体を採用するか決めたのだが、無事に『ソキウス』が採用されたのだ。


「決め手は見た目のカッコよさだったな」

「性能はどうした」

「まぁ量産機って注文だったからな・・・」


性能なんてぶっちゃけ二の次だったよね。何で戦わせたのだろうかあれは。

いやまぁ楽しかったけどな?



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