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51話

がぶりがぶりと、アビスキュイラスの口が地面を食べる。

口と言うか、その形をしたってだけなんだが。

これで暫く待てば、アビスキュイラスの中で食べた物を消化し、機体に反映される。

まぁ精霊の力は僅かばかりだから、これで大きな変化が起きるわけではないが。


すぐに大きな変化を起こしたいのなら、それこそ精霊自体を食べる必要がある。

そんなことはしないけどな。


「だけど、時間はかかるが下地は出来るな」

『より多くの土を捕食すれば、効果の上昇が見込めます』

「とは言っても、土ばっかり食わせてもな」


精霊の力が重要なのであって、土はどうでもいいのだ。

今だって土を食べて、そこから精霊の力を抽出。その上でアビスキュイラスが学ぶって感じだからな。

土を大量に食べたところで、集まる力が少しだから意味はあんまりない。

確かにマシにはなるんだろうが・・・下地を作るだけなら今でも十分だからな。


「よっし。とりあえずは行けそうだな」


あと考えないといけないのは、食った後どういう方向に機体を持っていくかだな。

とりあえず、今のまま俺が手を加えないとすると精霊を受け入れることが出来るだけになる。

例えば、ダイジュナなんかを取り込んでその力をそのままそっくり使えるような状態だ。

これはこれで強いんだが、それでは精霊がいないと意味が無くなってしまう。

アビスキュイラスを、そんな機体にするつもりはない。


こいつのコンセプトは、万能であり多様であること。

ナノマシンの進化と変化。操作次第でありとあらゆる形になる。


これを活かしつつ、精霊の力を利用するのならどういった形にするのが正解か。


「精霊の力をナノマシンで使えるようにする・・・これは最終段階で先の話かな」


これはゴールの話だな。

となると、ここに辿り着くまでのルートが重要になる。

まずはアビスキュイラス自体に、精霊の力をもっと深く理解させる必要がある。


だが精霊を直接取り込むわけにはいかないし・・・


「ってなると、必要なのは吸収か」


これまた得意分野で決着がつきそうだ。

まぁ元から『アビスキュイラス』はそういう機体なのだが。

足りない部分を、自分から取り込むことで補い強化されていく。


「直接取り込むのは結局効率が悪い。何で効率が悪い?一々食べないといけないからだ・・・」


だが実際の所、吸収行為自体は必要だ。

量がいるが、その量を手に入れる為には効率の悪さと俺の心情的な問題が大きい。

解決手段は・・・


『空気中からの吸収を提案』

「・・・出来るのか?」

『現空間を調査したところ、空気中にも同様の力が存在していることが分かりました』

「ほう。だったら出来るか?」


あるのなら、出来るだろう。

気になるのは、俺がその調整をアビスキュイラスに施せるかどうかだが。

こればっかりは、やらんことには始まらないか。


「よし。そうと決まれば早速・・・」

「何をしているのだお前は」

「ん?おうダイジュナ。準備はいいの・・・どちら様だ」

「何を言うている。我だ我」

「俺の知っているダイジュナはそんなマスコットみたいな恰好してないぞ」

「ますこ・・・なんだ?」


ダイジュナの声が聞こえたので、そちらに振り替えるといたのは小さな緑の鹿。

それも何かデフォルメされている、ぬいぐるみみたいな恰好の何かだ。

いや声からして間違いなくダイジュナなんだけど・・・なんで小さいんだ?


『エネルギー量が大幅に減少しております』

「は?魔力が減ってるのか?」

「む、そこまで分かるのか」

「分かったのは、俺じゃなくてキクヒメだけどよ・・・なんだその恰好」

「準備の為に魔力を使ってな。節約の為にこうなっている」

「姿形は自由とは聞いてたけど・・・ここまで自由なのか」

「おう。そもそも姿に意味などないからな」


とはいえ限度はあるだろうよって感想しかないんだが。

いや、逆に考えて鹿の形が残っているだけマシなのか?


「って、んなことはどうでもいいんだ。何しに来たんだ?」

「お主が不審な事をしていると聞いて、来たのだ。何故に土なんぞ食わせておる」

「ああそらまぁ不審人物だわな俺」


とりあえず、ダイジュナに『アビスキュイラス』のことをサラッと説明。

そして精霊の力に関しても色々話しておいた。


すると、何故か納得したように頷き


「なるほど。確かに我らの力は残っているだろうな」

「知ってたのか?」

「いいや。だが聞いて納得はした。だが、そんな残りカスの様な物でも強化は出来るのか?」

「まぁな。時間はかかるけど、それの解決策を・・・今から試しに行く感じだし」

「ほうほう。興味深いな。付いて行っても良いか?」

「いいぞ。暇なのか?」

「流石の我もこの状態では出来ることも少ないからな」


まぁ魔力の殆どを使ったって話しだしそれもそうか。


そんなわけで、ダイジュナを肩に乗せてサーベスに戻って来た。

サーベスは俺の基地を兼ねているから、ここで改造が出来る。

てか、俺がこの世界で作った基地の施設に比べても金も資材も掛かってるから上等だし。


「そういえば、ダイジュナはサーベスのドックに入るのは初めてか」

「そういえばそうだったな」


艦橋や居住区はここに来るまでに入っている。

だがドッグ部分や、機体の開発部に関しては見てもないはずだ。

そもそも来る必要もないし・・・それに、危ない物も多いしな。


「例えば、どんな物があるのだ?」

「そうだな・・・そこにあるあそこの大剣とか」

「あれは何だ?」

「高熱を周囲にまき散らして、全部ぶった切る剣」

「??強力だな。だが何が危険なのだ?」

「まき散らす熱が高すぎて、自分以外燃えるか溶ける」

「欠陥品ではないか!?」


大体ここらに放置している武器なんてこんなもんだぞ?


「後これはまだマシな方だ」

「ち、ちなみにお主が思う一番マズイ物はなんだ・・・?」

「あー・・・ここにはないかな」

「そ、そうなのか?」

「おう。流石にきちんと管理しないとヤバイやつだし」

「・・・使うとどうなるんだ?」

「周囲の生命体を根こそぎ食らって爆発する」

「何故作ったそんなもの!?!?」


思いついたからかなぁ。


下らない話をしていたら、開発室に辿りついた。


「ここで危険物が生れたわけか・・・」

「普段はそんな物作ってないからな?必要だから作ったんだからな??」

「そんなもの使わんといかん場合とはなんだ?」

「人類を滅ぼせる最強の機体を倒すのに必要だったんだよ」

「勝てたのか?」

「・・・俺の機体の中で、間違いなく最強だって言える機体が全損して何とか」


当然だけど、今説明したのはあくまでもゲーム内で見たカタログスペックの話だ。

現実で使った場合。スペック上だけなら今言ったことが起こるわけだ。


「まぁそんなことはいいんだよ。今はこいつの改良だ」

「『アビスキュイラス』と言ったな」

「ああ。俺の機体の中でも古株だな」

「ほう。思い入れも多くあるのだろうな」

「そうだなぁ。何せこいつのフレームに関してはずっと育ててたわけだし」

「育てる?」

「アビスタイプの機体は、機体に使われているナノマシンを強化していくことから始まるんだよ」

「む。道具と聞いていたが・・・生きているようだな」

「実際生きてるようなもんだよ。俺の戦い方とか、何から何まですべての影響を受けるんだから」

「なるほど。長く戦えばその分お主にあっていくということか」

「そんな感じ。でもまぁ、それじゃ足りないから、偶にこうやって直接手を加えるんだけど」


さて、じゃあはじめっか。

土を食わせる為に着ていたアビスキュイラスは既に脱いで、ドックからここまで運んである。

開発室まで来たら、指定の場所に運ばれて改造が始まる。


先ずは、取り込んだ物の選別からだ。

ただの土に意味はないから、先ずはそのデータを取り除く。

仕分け自体はキクヒメがやってくれるし、『アビスキュイラス』自体もある程度は出来るからこの作業は割と簡単だ。


「・・・見てて楽しいか?」

「おもしろいぞ?何せ今まで見たことのない物ばかりだ」

「そんなもんか」


ダイジュナは肩から頭に移動してくれた。俺の邪魔にならないようにと、見やすいようにだろう。

まぁ面白いとは言っているし、少しだけでも解説はしてやるか。


ダイジュナにも見えやすい様に画面を大きくする。


「ほれ」

「お。すまんな」

「この色が着いたのが、精霊の力だ」

「これがか。色分けされているのは、属性か?」

「分かるのか?」

「我らも魔力の属性を色で例えることもあるからな」


色分けは俺達と大体同じだったようだ。

だからすぐに理解出来たのだろう。


「今やってるのは、この色のある部分だけどアビスキュイラスに馴染ませてるんだ」

「馴染ませる?」

「俺の理想はあるんだが、実際の所すぐにそこまでは出来ないからな」


その為の下準備。俺がさっき下地といったのはこれだ。


「そもそも、今の『アビスキュイラス』は精霊の力を感知することも出来ないからな」

「ん?あれを着て我らを見ていなかったか?」

「あれはカメラの性能ってだけで、『アビスキュイラス』自体ではないんだよ」

「んんん???」

「えーっとだな・・・『アビスキュイラス』の本体って、最小規模だとこれくらいなのよ」

「・・・なんだこの小さい物は」

「細胞って言っても分かんないよな・・・何て言うべきか」


『アビスキュイラス』

機体構成自体は、他の機体とあまり変わらない。

ベースがあって、インナーがあって、そこを覆う様に装甲が付いている。

俺が本体と言ったのは、この装甲とベースに使われている物のことだ。


そもそも三種類ある機体。ファイター。アウトサイダー。アビス。

この三つの違いはベース部分のことだ。

前二つの種類は、形状の違いが違うという分かりやすい特徴がある。


ではアビスのベースはどうか。

それは・・・ナノマシンで構成されていることだ。

形自体はファイターと変わらないが、その部分が大きく違う。

だからこそ、始めは他の二種に比べて性能が低いのだ。


「んでそのナノマシン自体が、精霊を感知出来る段階が今なんだが・・・分かるか?」

「む、むぅ・・・難しい話だな」

「あー・・・今度分かりやすい様に纏めておくわ」


この部分の話だけは、めっちゃ難しいよなぁ

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