50話
投降作業してて思ったのが、今書いてるところと比べて全然話すすんでないなって()
とは言っても、先ずは他の封印魔法を調べないと駄目か?
「封印魔法の教科書みたいなのってあるんですか?」
「それでしたら、書庫の方にございます。後でお持ちいたしましょうか?」
「お願いします」
お言葉に甘えよう。
寝てしまったライチとましろをキクヒメとののかに頼んで、サーベスに戻す。
恐らくあの感じだと1、2時間くらい寝てるだろうからな。
ついでにののかにもお昼寝してこいって言ってあるから、並んで寝ている事だろう。
俺はちょいと調べたいことがある。
絶対ののか達が暇になることだから、後回しにしていたことだ。
それは、土地の調査だ。
「さて、この辺でいいかな。キクヒメ、計測始めるぞ」
『了解いたしました』
ここの土地は、大地から魔力が無くなっている。
そのせいで土地が痩せて、植物が全く育たない環境にある。
だが現代日本の知識が軽く齧った程度とは言えある俺からすれば、それはおかしなことだ。
魔力が無いだけで、本当にそんなことが起こるのだろうか。
持ってきた調査機を大地に突き刺し、データを計測する。
「・・・どうだ?」
『養殖用の土と比べ、明らかに劣っております』
「具体的には?」
『植物の育成に必要な要素が一つも存在しておりません』
「一つも?」
一つもと来たか。
例えば微生物だったりだな。そういった存在がかけらもいないと。
だがそうなるとこの土地は・・・
「文字通り死んでいると」
『再生の為に必要なプロセスを構築いたしますか?』
「ん?出来るのか?」
『『アビスキュイラス』を用いれば可能です』
「アビス?」
何でここにアビスキュイラスが出てくるんだ?
『アビスキュイラスのナノマシンを応用し、疑似的な微生物を生成します』
「ほう。それでいない分を代用すると。だけど、とんでもない量が必要だよな?」
『初めの一部をそれで代用し、時間をかけて大地を再生させていきます』
「ふむふむ」
何か他にもいろいろ言われたが、俺に理解出来たのはその辺までだ。
とりあえず、狭い範囲にアビスキュイラスのナノマシンをバラまく。
そこに植物を何でもいいから植えて、徐々に再生させていくというプランらしい。
範囲が狭いから、そんなにナノマシンも使わないし、世話は俺がやる必要ないしな。
「撒くだけ撒いて、後は放置か?」
『日々の経過データを収集し、効率を上げることを推奨します』
「げっ。毎日必要じゃんか・・・俺出来ないぞ?」
俺はあくまでも封印を・・・バイオティラノを倒す為に来ている。
大地の計測は完全に気になったからだし、そこまでは頼まれていない。
まぁ出来ることではあるので、俺があんまり忙しくならないのならやってもいいとは思っている。
だが、流石に毎日ここまで来るのはなぁ。一々数時間かけて観測だけするってのも。
『中継塔を建設すれば、該当地までの移動が無くなります』
「却下だな。補給も出来るし、貯蓄もあるけど量が多すぎる」
それに結局建て終わるまでは俺が来ないといけないといけないじゃないか。
あとそこまでする気はないぞ俺。
「経過データを無しでやっても問題はないんだよな?」
『ございません』
「効率が上がるだけなら・・・まぁいいか」
本当に俺が撒くだけなら雑でいいしな。
一応一つの手段として、キクヒメやコヒメみたいなAIをここに設置するってのがある。
制御をキクヒメからそのAIに渡して、現地で管理させればいい。
そうすればデータはそっちで勝手に処理して、効率を上げてくれる。
問題は、俺の労力がえぐいということ。
電波中継塔は指示を出せば資材を消費して勝手に建ててくれるが、AIの場合は俺が作らないといけない。
コヒメみたいに、元となる物があれば簡単に出来るが・・・多分もうないんだよなぁ。
そらAI用の基板やらは持っている。だが性能の高い物となると数が無い。
それもキクヒメの拡張用に残してあるやつだし、今回は使えない。
となるとそれも含めて、全部一から作ることになる。
流石に嫌です。
「まぁ気になっただけだから、とりあえずはこれでいいか。キクヒメ撤収」
『データは破棄いたしますか?』
「んにゃ。後で見るから残しておいてくれ」
『かしこまりました』
「それにしても完全に死んでるとは・・・ん?死んでる?」
さっきも言ったが、俺はあくまでもその手の知識は齧っただけだ。
何となく気になって、ネットでちょろっと調べただけ。
だが、その時見た画像は・・・
「こんなに普通の地面だったか?」
もっとこう・・・荒れてる感じがあった気がするんだがな。
これは、何か別の要因があるのか?
そもそも魔力が無くなっていることと大地に微生物がいないってのが結びつかない。
実際この土地には人が住んでおり、ギリギリではあるが生活が成り立っている。
そんなことが可能なのかどうか。
「他の何かで、その部分を無理矢理補っている?」
キクヒメの計測や、俺の中途半端な知識に無いとなると・・・精霊か魔法だな。
魔法に植物を育てるとかそういうのがあれば分かりやすい。
精霊がいれば、直接植物を育てることも可能なのではないか?
事実、ダイジュナはあの庭で自分の力で緑を増やしたと言っていた。
俺、何か調べるもの間違えてるな?
「キクヒメ。計測もう一回だ。今度は魔力と精霊の力を調べろ」
『了解いたしました』
恐らくこれで何かしらは出てくるはずだ。
そして答えは、数秒で出てきた。
『計測完了。土の中に、精霊の力を感知。視覚化します』
「・・・薄い、けど確かに広がってるな」
無影のカメラに、キクヒメが感知した力を眼で見えるようにしてくれた。
確かに、地面の中に精霊の力がある。あるっていうか・・・埋められているのかこれは。
だが妙だな。精霊ってのは、こんなに薄くてもいいのか?
村の精霊樹で見た精霊達の半分以下・・・いや、それ以下だ。
「確か、精霊は力が弱いと形を保てないんじゃなかったか?」
『形状を保っているわけではないようです』
「ん?」
『動きはありません。ただそこにあるだけです』
「ふむ・・・妙だな」
形を保っていないとはいえ、それなりに意識はあると思うんだが・・・
無いにしても、全く動かないってことがあるか?
精霊である以上、これらは自然の影響を・・・
「あ。だから動かないのか?」
大地が死んでいるのなら、精霊がその影響を受けたらどうなるか。
「止まる。または消えるか」
精霊が来れる場所に関しては・・・特に聞いた覚えがないな。
だが大体間違ってないと思う。そうじゃないと説明がつかない。
封印の為に、多くの魔力が大地から失われた。
その結果、大地は痩せ食物は育たなくなる。それが続いて、大地自体が使い物にならなくなる。
そうなると、その場所に残っていた精霊の力は動かなくなり・・・
「・・・いや、そもそもこれはどこから来た?」
『ダイジュナからの影響があると考えられます』
「それはないかな。だったらちゃんと効果が出てるだろうし」
あとなんか違うんだよな・・・何と言うか、ダイジュナから感じる物とは別の感じがするんだ。
「ちょいと庭の計測もするか。ここのデータも取っておけよ」
『了解いたしました』
庭に戻り、ダイジュナの力を受けているという植物を調べる。
すると、面白いことが分かった。
「やっぱり違うな」
言葉で説明は出来ないが、何かが違う。
庭のこの植物からは、ダイジュナを計測した時と殆ど同じデータが取れた。
時間が経っているからか、若干低めの数値が出たくらいだ。
しかし、ここ以外の土地ではそもそもダイジュナの力は影も形も無いことが分かった。
キクヒメにある精霊のデータは、精霊樹の付近にいる精霊達のみ。
つまりは、全員ダイジュナの影響を強く受けている精霊達ということだ。
だから、それ以外の精霊のデータが無かったのだ。
実際今比べて、初めて違いが分かった。
「とは言っても現状だと魔石から得たデータを使っての色分けしかできないか」
ドラゴンや森で倒してデカい蜘蛛なんかの魔石だ。
あれらは属性ごとで色が違った。それのデータが、精霊達のそれと似ていたのだ。
まぁこれは当たり前か。精霊だって元をただせば魔力に依存する生態なわけだし。
ダイジュナは植物の力・・・緑色。
そしてこの大地に散らばっている精霊の色は複数あった。
一番多いのが赤色と茶色。逆に少ないのが青だ。
「確かアルディーンって精霊は、水の精霊だったな?」
水の精霊アルディーン。
その精霊がもっとも消費していなかったから、封印を行うことになった。
つまり大地に散らばっている力は・・・
「精霊達の・・・ダイジュナ達完全体の精霊の破片か」
それが大地をギリギリのところでつなぎとめているのだ。
恐らく、ダイジュナ達がこの地に来るたびに、少しだけだが影響を受けているのだろう。
だからこそ、どれだけ長い時間が経とうとも踏みとどまっている。
「・・・ハハハ!面白い。面白すぎるぞこの世界」
ここまでか。ここまで法則が違うかのか!!
「キクヒメ。アビスキュイラスにこの土を少し喰わせるぞ」
『微量とは言え、異物の力が入り込みます』
「分かってる。だからやるんだ」
アビスタイプの機体であるアビスキュイラス。
機体の名前に、タイプを示す『アビス』が入っているこの機体。
その意味は・・・その特性を異常なまでに強く押し出していることが理由だ。
本来、アビスタイプの機体は自分の行動の影響を受けて変化し、それに合わせて強化を行う。
そう、アビスタイプの本質は、外からの影響を受けるという部分にある。
俺の『アビスキュイラス』は・・・それを能動的に、狙って行える。
「精霊の力の影響を受けたアビスキュイラス・・・たまんねぇなぁ」
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