48話
最近仕事が終わって家に帰るととんでもなく眠いんですよね・・・五月だからでしょうか
「そういえば、サーベスはどこに置けばいいんだ?」
「そうだな。どこか広い場所はないか?」
「広い場所でございますか?建物の無い場所でしたらどこでも大丈夫ですが・・・」
「なら近くに置いていくか。キクヒメよろしく」
『ここから500メートル先に着陸させます』
「頼むわ」
さて、早速封印の話を・・・
「・・・サトハさんどうしました?」
「な・・・な・・・」
「な?」
「何なのですかあの巨大な物は!?!?」
「・・・あー」
忘れてた、こっちもステルスで消してたわな。
通りで降下艇だけで驚くわけだわ。
とりあえずサーベスを近くの広場に下しておいて俺達は神殿の中に。
サトハさんにはとりあえずざっとだけ説明はしておいた。
まぁ何となく俺の空飛ぶ馬車だって認識があれば大丈夫でしょ。
「それでは、我々が守る封印に付いて改めてご説明させていただきます」
「お願いします」
「にゃ?」
「お前らはあっちで遊んで来ていいぞー」
「わーい!」
ましろが俺の頭で話を聞く体勢になっていたがどうせ聞けないと思ったので遊ばせることに。
幸い精霊も近くに数体いるみたいだし、ののか達もいれば問題は無いでしょ。
「あ、すいませんうちの子が」
「いえ。大変仲がよろしいのですね。契約してからは長いのですか?」
「一、二週間くらいですね」
「なんと!・・・コウ様は本当に才能に溢れているのですね」
「いやぁそうでも・・・って、サトハさん。精霊見えるんですね」
「あ、はい。私を含めて、ここに住んでいる者は皆精霊を見ることが出来るのです」
「それは封印と関係が?」
「はい・・・今、この瞬間もあの中で封印を掛け続けている方が・・・」
「ん?今も?」
「そもそも、この封印は完璧な物ではないのです」
「何?」
それは聞いてない話だな。どういうことだ?
「完全じゃないのに、封印なのか?」
「はい。我々が守っているのは、正確には封印されている物ではなく、この不完全な魔法そのものなのでございます」
どうやらこの封印魔法は・・・かけ続けることで初めて効果がある物らしい。
なるほど、確かに封印の意味を考えればそれは不完全なものになるな。
だが、そのような魔法を使う理由は何だ。別のがあるのならそちらでいいと思うんだが。
「この魔法が、もっとも強力な封印魔法なのだ」
「そうなのか?」
「ああ。これ以外では、一瞬たりとも抑え込むことが出来なかった」
時間が経てば経つほど、封印魔法はその効果が弱くなるらしい。
掛けてすぐがもっとも強い拘束力を持つ。
だが、それでもバイオティラノは封じ込めることが出来なかったそうだ。
「そこで、封印魔法をかけた方・・・大精霊の『アルディーン』様はある方法をとりました」
「それが、封印魔法を使い続けるって方法か?」
「はい・・・」
「この魔法は、元は我ら精霊の魔法ではない。だが、その当時これを使える者の中で唯一無事だったのが奴だったのだ」
魔法をかけた瞬間が最も強く、それで抑えられるのならそれを掛け続ければいい・・・
そういう結論に至ったダイジュナ達は、それを実行したらしい。
魔力を大地から吸収しているのは、封印ではなく封印魔法を行為している精霊そのものってことだな。
「だが、封印されて結構長いんだろ?そんなことできるのか?」
「精霊だからこそ・・・だな」
「寿命という概念が無く、意思さえ折れなければ魔法を行使し続けられる存在・・・
だからこそ、アルディーン様はそれを選んだのです」
「どっちにしろ、精霊以外ではこの役目は出来なかったってわけか」
「そう言うことになる。あの時、アルが無事だったのはあの戦いの中での唯一の幸運だった」
無事と言っても、本当に魔法を使えるくらいしか出来ない程度には消耗していたようだが。
だがまぁ大体分かった。
「守ってるのは、その封印魔法の使用を止められない為だな?」
「その通りでございます。繊細な魔法ですので、外部から何かあった場合に止まってしまうのです」
「幸い、今の今まで封印は在り続けている」
「とりあえず、その間は中の精霊も無事ってわけだな」
「ああ。奴に何かあった場合は、既に封印が破られているだろうからな」
「なるほど・・・なんでそのアルディーンってのは、自分ごと封印したんだ?」
というか、封印されている状態で魔法って使えるのか?
それだと封印の意味ないと思うんだが。
「封印の意味は、中から外への干渉を防ぐことだ」
「ああ。じゃあ外から中へは良いのか」
「そしてだからこそ、己から封印に入っていったのだ」
「中でバイオティラノに襲われる可能性は?」
「それも問題ない。魔法を己の意思一つで使える我々だからこそ出来る芸当だからな」
なるほど、精霊であるが故に自由に行動が出来るというわけだ。
一つ懸念があるとすれば、バイオティラノがダイジュナ達と戦ってた時に本当に魔法に対して適応してないかってことだが。
まぁ適応してたなら既に封印を破って暴れてるか。これは流石に気にしすぎか。
まぁいずれにせよ、俺のやる事には変わりはなさそうだ。
あと気になるのは、どうやって俺が叩ける環境を作るかだ。
「封印って外からどうにか出来るのか?」
「そこは我がやる。外から無理やり破る」
「できんのか?」
「正直力技だがな。それに本来ならそんなことは出来ん」
「どうしてだ?」
「外から強引に破れる封印など意味がないであろう?そういうことだ」
バイオティラノの動きを止めるのに力の殆どを使っているから、外部からの刺激に弱いんだな。
ああ。それもあってここで封印を守る人間が必要だったのか。
「んで?サトハさんとそのアルディーンってのとの関りは?」
「この地で、封印を守り始めた人間と契約していたのがそのアルディーンなのだ」
「そして、我らはその血を継いでいるのです」
ようやく納得がいった。そう言うことだったのか。
それにしても、異世界でも日本人の血がかなり広まっていると考えると不思議な気分だ。
てか、血のつながりがあれば精霊が見えるのは初耳だな。
「それはアルのせいだ」
「精霊の?」
「ああ。例えば我がお主と契約して、お主に子が出来たとしよう」
「おう」
「その場合、精霊は無条件で見える」
「・・・ああ。お前の影響がデカいってことか」
「そういうことになる。一つ才能を確実に手に入れられるということだな」
精霊と契約するための条件の一つは精霊が見えることだったな。
うん。精霊使いが重宝される理由の一つはこれもあるのだろうな。
上手い具合に子供がたくさん出来れば、それだけで大量の精霊使いを確保したのと同義だ。
「ののか達だと駄目だと」
「今の段階ではな」
「なるほど。楽しみな話だ」
「まぁ今は良いだろう。何か他に聞きたいことはないか?」
「うーん・・・まぁ状態に関しても分かったからな・・・あ、戦う時ってその精霊さんは俺の近くにいることになるか?」
「・・・どれほど消費しているかによるのではないでしょうか」
「魔力こそどこまでもあるが、精神的な疲れはどうしても溜まるからな」
「あー・・・そうですか」
ちょいと困るかもしれない情報だな。まぁ運が良ければ問題ないということだが。
だがそうなると。万が一の場合は精霊を守りながら戦うことになるか?
「だったらそれの準備は必要かな」
「いや、その場合も我が何とかする」
「ん?大丈夫なのか?」
破りやすくなっているとはいえ、強引な行為であるこちには変わりないはずだ。
ダイジュナだって、かなりの消耗を強いられると思うのだが。
だが、そんな俺の気持ちを読んだのか、軽く笑って見せると
「何、かつて見ている事しか出来なかった友を救えるかもしれんのだ、
この身を引きずってでも、お主の戦場から遠ざけてみせよう」
「我らも、この身を掛けて」
「・・・OK。だったら俺はそこは考えないで行くとするよ」
実際その方が楽なのには違いない。
いくらバイオティラノのノーマル体が、レイドボスの中で弱い方だとしてもだ。
背後で何かを守りながら、巨大な敵を倒すのは流石にきついからな。
その場合は『アビスキュイラス』じゃ足りない・・・『アレ』を持ってこないと行けなくなる。
「後は・・・あ、一応その精霊の嫌いな物とかあるか?」
「む?何故だ?」
「いや、万が一はあるだろうよ。その精霊が力を発揮できないような状態にしない為にしたいんだ」
「なるほど。とは言っても、奴は大抵の物は問題ないぞ」
「あら。結構融通の利く精霊なんだな」
「ただ単純に力の強いタイプだからな。強いて言うなら、闇が苦手だな」
「闇?」
「単純に暗いのがあまり得意ではなくてな」
闇って・・・なんだ?
俺の攻撃手段的には氷とか炎とか雷なんだけど、闇ってなんだ。
あ、いや。重力系の武器はあるからそれは闇っぽいぞ。黒い球体を撃つし。
持ってきてないけど。
「じゃあ気にしなくても良さそうだな。どうする?いつから始める」
「そうだな・・・二日貰っていいか?我の方も万全を期したい」
「俺は全然OK。サトハさん達は?」
「我らはいつ何時でも、問題が起きてもいい様にしておりますので」
じゃあ二日間。ののか達の様子を見ながら俺も色々備えておくか。
武器もワンチャン積んで来たものと取り換えるのを考えて、複数パターンを見ておかなければ。
「あ、そういえば食料どうします?」
サービスに積んできた食料。降ろせばいつでも配れるようになっている。
何なら今から配ってもいいくらいなのだが。
「それでしたら、今からよろしいでしょうか?」
「ういうい。ダイジュナは今から準備か?」
「ああ。目に物見せてやろうぞ」
「ほう。期待してるよ」
何をしてくれるのかな。
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