37話
さて、実際に使う機体が決まったので次は装備だ。
バイオティラノ・・・てか、バイオ系の敵と戦う時に必要なのは基本的に大火力だ。
バイオ系統の敵に共通する能力としてある自動回復能力。
俺のアビスキュイラスにも同じ能力があるが、あれがデフォルトで付いてるのだ。
だから小さい攻撃は意味がない。
自動回復のレベルによっては食らってもすぐに回復されてしまうからな。
それがあるから大火力が必要なのだが、これもこれで結構問題だ。
火力が高ければ何でもいいって話ではないのだ。
バイオ系統の敵は、敵事でその能力が大きく異なる。
実弾が効かないとか、ビームを吸収するとか種類が多いのだ。
それらに対応するためには、いくつかの武器を用意しないといけない。
本来なら、先に情報を見て耐性のついてない攻撃手段を用意するのだが今回はそれが出来ない。
つまり、全部持っていく必要がある。
「今レイドで使えるレベルの武器ってどれくらいあるっけか」
『全十三種類です』
「ん~・・・射撃のみなら?」
『十種類です』
「そんなもんか」
実弾で四種類。ビームで三種類。残りはその他だ。
その中で、アビスキュイラスで使えるのは六個だな。
ドラゴンとの戦いにも使った巨大斧である『オーバーロード』とかはアビスキュイラスのメイン武装だから弾くとして・・・
射撃となると、『雷滅』と『炎延々』が無しに出来る。
よく使うのは実弾系統なら『フェイタル』か『ノーティス』
ビーム系統なら『天津』『モンテーロ』『サンダーバード』か。
それ以外だと・・・『フロストエンド』くらいだな。
これからって考えると・・・取り回しを組み合わせを考えると全部は当然無理だ。
アサルトライフルとかの標準的な武装ならいくつでも問題ない。
問題は、特殊武装なんだよな・・・
「凍結系は鉄板だよな」
『耐性を考えますと、火炎系の武装が必要になります』
「『炎延々』は重いからなぁ・・・レイド級じゃないけどナパーム弾なかったっけ」
『性能が不足しております』
「そこは改造するしかないだか。マジでそこの手を抜くわけにはいかんからな」
いくらバイオティラノが一人でも勝てるとは言え、手を抜いて勝てるわけではないのだ。
武装の種類と言うか、ちゃんと弱点を突ける装備を持っていないと普通に負ける。
いや、負けることはないが勝つことが出来なくなるのだ。
凍結系統は、基本的にバイオ系の弱点ではある。
これは、バイオ系の性質に関係している。
あれは一つの細胞であり機械なのだ。だからこそ、極低温という環境に置かれると能力が落ちる。
逆に熱に関しては非常に強い・・・という設定だった。
実際にはそういう環境でも問題ない生物がいるのは知ってるが、そこはいいのだゲームだし。
だが時々、凍結に耐性を持っている個体もいる。
その場合は逆に熱に弱くなるのだ。
それに関しては、今回は見てから判断しないといけない。
ただ凍結系の武器を俺は『フロストエンド』・・・バズーカしか持っていない。
それを持つと、火炎放射器である『炎延々』が持てない。
背中に背負う背負い物があるから、それ込みでやると動けなくなってしまうのだ。
それを回避するために、手で持てるグレネードランチャータイプのナパームがあると便利だったのだ。
そしてそれ以外にもメイン火力が必要だ。
実弾とビームで一つずつ。
片手にはバズーカを持つとすると、腰にマウントして状況に応じて使い分けが出来るアサルトライフル。または補助武器でハンドガンが好ましい。
近接武装は物理でビーム攻撃の使い分けができる『オーバーロード』をそのまま持っていけばいいから考えない。
「アサルト二丁持ち・・・行けるか?」
『システム上は問題ありません』
「重量か?」
『左右でのバランスが崩れる恐れがあります』
「・・・いっそ両対応のマシンガンとか作るか?」
『間に合わない可能性がございます』
「それでもな。一応問題解決の為の増加装甲は作るけど」
機体事態のパフォーマンスに影響が出るってのは、武器以上に問題なのだ。
まず動けないとなると、戦い以前の問題になってしまう。
武器の性能が高くても、機体がごみでは意味がないのだ。
そのあたりはバランスなんだけど・・・難しいんだよこれが。
なにせ機体自体の性能を高めるとそれに合わせて武器も変えないといけない。逆もまたしかりだ。
今持っている既存の武装で微妙なら、新しく作った方がいいって話もよくあることだ。
それに幸い、武器のアイディアは持っている。
「機体のジェネレーターに繋ぐタイプならビーム方面は出来るな?」
『・・・機体性能上の問題はございません』
「問題は銃自体の方だな」
ちなみにだが、俺の持つ武器の中には『ガルムガトリング』という実弾とビームの切り替えが出来る物がある。
だがこれは非常に重いので持っていけないのだ。
バイオ系じゃないなら即座にこれを持ちこむんだけどな・・・
実弾とビームの併用は近接武装なら割と簡単に出来る。
武装自体を頑丈にして、その上にビームを纏わせられることが出来ればいいだけだしな。
これが射撃武装だと話が違う。
実弾を撃つのとビームを撃つのとでは全然違うからな。
ただ弾を切り替えればいいという問題ではないのだ。
それを解消すると、武装自体を大きくする必要がある。
だからアサルトライフルとかだと規格が足りなくなってしまう。だからこそのマシンガンだ。
それも重機関銃と呼ばれるタイプ・・・それをもっと大きくする必要がある。
「設計モード」
『了解いたしました」
ちょっと書いてみる。
まず、全体の形をささっと描く。ここは別に変なことをしなくていい。
とにかくサイズと形状にだけ気をつければそれでいい。
大体の形を書き終わったら、内部構造に入る。
実弾を撃つための機構とビームをを使用するためのシステム。
これらを同時に実用性を持たせて共存させる。
「いっそアビスの装甲で弾作るか?」
『他の武装との併用が困難になる恐れがあります』
「それもそうか」
あれはあれで、あれだけなら小型も出来るが他のと一緒は無理だな。
ジェネレータと直結させるなら、流れてくるエネルギーをビームに変換する物を中心部に用意する。
これの位置がおかしいと、銃身から放たれる前に消えるか爆発する。
だからこれは可能な限り銃身部からみて直線に置く。
これを基本にすると、マガジンからくる弾を薬室に送りにくくなる。
銃身のところにビームがいるからだ。最悪干渉して壊れる。
となると・・・弾が出る場所を二つにするか?
別におかしなことではない。アサルトライフルの中にはグレネードランチャーを付けられる物もあるしな。
あれはまぁ補助武装と言う感じだったはずだけど。
メインとなる物を二つ用意するってなると少し変わってるか。
・・・ああいや待てよ。ビームは別にマシンガンじゃなくていいか。
照射系にすればいいのか。そうすれば少しだけ構造を楽に出来る。
ライフルの様にすると、どうしても変換機がデカくなるのだ。
これは引き金を引いている間ずっとエネルギーを変換し続ける必要があるからだ。それも、一発一発ごとにしないといけない。
これが小さいとあっという間に熱が上がって使えなくなる。そうすれば他の所にも影響が出る。
照射系の場合は二つのシステムが存在している。
一つは変換し続けて撃ち続けるタイプ。これは結局ライフル系と変わらない。
そしてもう一つは、初めにチャージを行って撃つタイプだ。
これは、予めエネルギーをチャージを行い、それを変換して暫く保持する。
すると、一度の変換で終わるから比較的負荷が掛かりにくいのだ。もちろん、大きなエネルギーを扱えばその分のはあるが。
しかし、ここまで書いたところで一つ思いついたことがある。
「・・・あれ、ウェポンラック持ってくでよくね?」
『機体重量が大きく上がることになります』
「いや俺が背負うんじゃなくて持ってこさせるんだよ」
『無人機では対応が間に合いません』
「それでもなくてな?精霊達に動かしてもらえばよくねっていう」
考えたことがなかった・・・というか、ゲーム内では出来ないのだが。
ウェポンラックとは、要するに武器を積んだ入れ物、或いは収納の事だ。
機体に背負わせて、状況に応じて武装をそこから取り出して戦うことが出来る物だ。
当然これはすごく重い。なにせ複数の武装を積んでいるからな。
機動力は下がるし、被弾すれば壊れる。
だから、俺が背負うのは駄目なのだが・・・俺が背負うことをしなければいいのだ。
ビットの様に自動で動けば俺の機動力は落ちない。
キクヒメの言う通り、無人機のAIの応用とかだと俺の戦闘に着いてこれず置いて行かれるだろうし邪魔になる。
だが、精霊達に強力してもらえば話は別だ。
彼らは物に憑依して動くことが出来る。
そして、憑依した物の性能を上げることも可能だ。
これを利用すれば、自動で動き、状況や俺の指示に応じて武装を取り出してくれるウェポンラックが生れる。
「それなら一々武器作る必要ないし、持っていくの選別する意味なくね?」
『・・・演算終了。機動力の保持が可能ならば戦闘能力が大幅に上昇します』
「よし!そうと決まればそっちの設計だな」
描いていた物を破棄して新しいのを書く。
まぁとりあえず形状は基本の物でいいとして・・・あ、そうだそうだ。
「ののか達呼んできて」
『了解いたしました』
どうせなら精霊達の好みに合わせた方がいいかと思ったのだ。
その方が気分的に上がって性能が上がるかもしれないしな。
まぁ流石に基本から大幅に変えるのはきついけどな。
とりあえず、中に積み込む物を入れられるところだけ作って・・・どうせなら箱は箱で独立させるか?
ののか達が憑依する部分は車とかそんな感じのにして、それに搭載する形にすれば自由度増えるよな。
あ、でも車だと地上しか動けなくて危ないか。
それ単体で自衛が出来る感じにしてっと。
・・・いかんな、これ本気でやると一つ新しい機体を作るのと同じレベルの作業量と集中力がいるぞ。
流石にそんなことしてる暇ないから、簡潔にしなければ。
となるとやっぱり、基本は無人防衛機のどれかにする。
なんなら個々の良い所を組み合わせてもいいしな。
『お呼びいたしました』
「おまたせしましたー!」
「しましたー!」
「しましにゃー!」
「おうごめんないきなり。遊んでた?」
「おえかきしてました!」
「あらら。後で絵見せてね。ほれお菓子」
「「「わーい!」」」
自由にさせてたけどいい子にしてたみたいだ。
今日はキイナさんいないからな。何でも家で家事の練習だとかなんとか。
傍に置いておいたクッキーの盛り合わせを差し出すと小さな口いっぱいに頬張り始める。
ライチは鳥だから突っつく形になっているから、こちらで細かくしてあげる。
「ありがと!」
「いいえいいえ」
「ところで・・・ゴクン。なにかありました??」
「おう。ちょっと手伝ってほしくてな。ダイジュナも関係してるんだけど」
俺的にも前代未聞。
まさに世紀の発明の始まりだ。
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