34話
「どれも問題なさげ?」
「問題ないようだな」
「まさかダマスカス鋼まで問題ないとは」
「まぁ金属の好みは精霊ごとの好みによるからな」
「ダイジュナは何か嫌いなのあるのか?」
「我はないな・・・ああ、水の奴は確か金が嫌いであったな」
「ああ、デカい精霊でもそういうのあるのか」
「こればっかりは成長してどうこうなるものではないからな」
それは仕方ないな。
ところで、クロウの事を気に入ってくれているこの子はどうしましょうかね」
さっきからべったりなんですけど。
「うむ・・・そのままでも良いのではないか?」
「いいのそれ?」
「別に契約しないと傍にいてはいけないなどの決まりはないからな」
「あー。稀におりますな」
「あれは大体無許可だがな」
そんなのあるんかい。
と思ったけど、ある意味で当然か。
だって精霊が気に入っても、そいつが精霊を見えてないと契約出来ないからな。
そんなわけで、クロウの事を気に入っている精霊に関してはこのままと言うことになった。
あれだな。俺が早い所クロウをアップデートしてやらなんと行けないというわけだな。
・・・どっから取り掛かったもんか。
ああでも封国とやらにも行ってみたいしな。
でもでも魔道具の勉強もまだ途中だし・・・やる事多いな。
基地の拡張は片手間でもいいけど、この世界の勉強は続けないといけない。
その点はキイナさんに頼めばいいだけなんだけどさ。
新しい武器とか機体の開発もあるし・・・マジでどれから手を付けたもんか。
緊急性が高いのは、今のところはクロウなんだけど。
それでも封国は放置してもいい感じじゃないしな。
「・・・どこからやるか」
「ふむ・・・彼の者は、すぐには対応出来ぬのか?」
「無理。データ足りないし。後調整も足りない」
クロウの改造とかマジで一筋縄ではいかないってレベルじゃないからな。
俺が作った子じゃないってのもあるけど、それ以上に元の出来が良すぎてな。
全く手を付けられないってわけじゃないのは、まだいいんだがな。
せめて拡張性が広い子ならよかったが。まぁ無理な物は無理だ。
「最低でも・・・データ揃えてそっから検証だから・・・俺が必要になるまででも一月かかるな」
「そうか・・・なら、頼みたいことがあるのだが」
「封国?」
「ああ。お主があれを知っていて、倒せると言うのなら頼みたい」
「全然いいぞ」
正直、そろそろ全力で戦いたいと思ってはいたからな。
この世界で戦った仲で一番強かったのはドラゴンだが・・・あれも一撃で終わったからな。
攻撃を食らってらマズイとかそういうのもなかったし、危機感がなかった。
だからこそ、ここらで一発戦いたいのだ。
まぁ仲間も一緒に封印されているダイジュナにはやや申し訳ないが。
まぁ勝てるのなら問題ないだろう。
「いつ行く?」
「我があちらに伝えてからになる。そうだな・・・六日程待ってくれ」
「ういうい。その間に準備しておくわ」
その間に何するか・・・
「でしたら、精霊達と遊んではいかがですかな?」
「遊ぶ?」
村長の提案は、聞くだけならただの暇つぶしにしかならないがそういうことではないらしい。
なんでも、遊びと言う名の精霊との意思疎通の練習だそうだ。
完全に意思疎通が出来るようになると、魔法を使う際にもいいことがあるそうだ。
「何をするんです?」
「そうですな・・・単純に魔法を使うでもいいですし。それこそ本当に遊ぶのでもいいですぞ」
「何でもいい感じだったりします?」
「そうですな。肝心なのは、精霊達と心を通わせることですからな」
「うむ。精霊達に好かれた者は、より精霊の力を引き出すことも出来るからな」
「なるほどそれならやってみるか」
まぁ何するかは色々考えないといけないけどな。
ああそうだ。どうせなら精霊達に新しい機体でもこしらえてやるのも悪くないな。
そこまで本格的な奴じゃなくても、それこそビット的な奴でもいいしな。
最終的には、精霊達と俺とキクヒメが全力で協力しながら戦える機体も作りたいところだけど。
これは先の話だな。今は精霊達とのコミュニケーションを取らないとな。
ダイジュナは、早速封国に向かうようだ。
心なしか、出会った時と比べてうずうずしていたようだしな。
それだけ、封印に巻き込んでしまった仲間とやらが心配だったのだろう。
村長は村人たちにダイジュナの話をしに行くと言って家を出ていった。
恐らく、宴会は後日に持ち越しになるのだろう。
俺はキイナさんを来てくれたので、そのまま精霊の話を聞くことにした。
・・・したんだけどね?
「かわいいー!」
「みゃ~」
「・・・俺の精霊取られてね?」
「ま、まだこどもなので」
「君も子供でしょうに」
ましろがキイナさんにべったりなのよ。
というか、家でましろを見た瞬間にキイナさんがましろにべったりになった。
ましろは契約した三体の精霊達の中で最も幼い。
赤ちゃんと言ってもいいくらいの年齢で、好奇心は一番強い。
というか、精神年齢が幼いから構ってくれるのなら何でも嬉しいのだろう。
そんな愛らしいましろに、キイナさんは一発でノックアウトされた。
もうメロメロよ。俺より仲いいんじゃない?
「まぁ俺達は俺達で遊びますか」
「いいの~?」
「そのうち来るでしょ」
ライチが心配してくれるけど、今はあれでいいでしょ。
キイナさんの方が精霊達に慣れているとも思うし。
ああいう赤ちゃんみたいな子なら、俺より適任だろう。
「人間に慣れるって意味でもな・・・そういや、君らって人間って見たことあるの?」
「あるー」
「あります!」
「お、あるんだ・・・って、この村のエルフか」
「あとしょうにんさんー」
「ん?・・・ああ、商人か」
なるほど、精霊樹から離れることもそらあるわな。
それでも見たことあるのはエルフが殆どみたいだが。商人さんはエルフじゃないらしい。
それに話したことがあるわけではないそうだ。
「ん?じゃあののかはなんで人型なんだ?」
精霊達は、その姿を変えることがある。
変える時は、自分の身近な存在や物に近しい形に変わるらしい。
その理屈で行くと、ののかの周囲には人型の何かがいたと言うことになる。
だがそれでは、話したことがないというのはおかしな話になる。
「近くにいたのか?」
「いなかったです!」
「・・・おおん?」
謎が深まる。
どういうこと?
「どうかなさったんですか?」
「ああいや・・・仲いいっすね」
「みゃ!」
猫か己は・・・いや現時点では猫だな。
キイナさんにののかの形状の話をする。
すると、キイナさんはその原因がすぐに分かったようだ。
「多分、ダイジュナ様だと思いますよ?」
「・・・いや鹿だよな」
「あ、いえ。高位の精霊になると、いくつかの形状を持つ場合があるんです」
「複数の?」
「はい。力が弱い・・・成長途中の精霊達が姿を頻繁に変えると、自分の形が分からなくなってしまうんですけど」
「おっと新情報が」
自分の形が分からなくなると、ひどい場合はそのまま消えてしまうこともあるそうだ。
え、何その知らないと危ない情報。
ダイジュナも村長も教えてくれなかったぞ。
と思ったが、基本的に契約していない精霊で、それも生まれたばかり、さらには周囲に精霊がいない環境出ないとなかなか発生しない状況らしい。
その状態でも、かなり稀らしいが。
それで、ダイジュナが何だっけ。
複数の形状を持つってどういうことだ?
「ダイジュナ様は、珍しく人前に出てくるお方ですから」
「ああ。人型の方が都合が良いってこともあると」
「そうらしいですね。私もご本人から聞いただけなんですが」
「なるほど。そのダイジュナを見て、ののかは今の姿になったと」
「多分。もっと小さい時に村に来たんだと思います」
「行ったことある?」
「あります!」
「なるほど納得だわ」
そんなこともあったのか。
こういう精霊毎のお話を聞いて、知っていくのもコミュニケーションでは大事なことだそうだ。
ただ遊ぶだけではだめだと言うことだな。
勉強になるなー
「・・・ところでその子寝てません?」
「あれ?」
「みー・・・zzz」
「おかしいな、その子うちの子なのに」
「可愛いですよね」
「うんそうっすね」
ところでキイナさんの頭上で精霊がプンスカしてますけどいいの?
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