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29話

うん。それは置いておこうか。今起こすつもりないしな。


精霊達を引き連れて、村へと戻る。

勝手なイメージだが、精霊ってもっと気まぐれと言うか、かなりお転婆なイメージがあった。

しかしだ、思ったより粛々と付いてきている。

ダイジュナがいるからというのもあるのかもしれないが、今から見たことのない場所に行くからといい子にしているのだそうだ。


「精霊を抑えたいなら、上からでない方がよいのだよ」

「何かご褒美を上げた方がいいと」

「そう言うことになるな」


ペットの躾か。

いや見た目的にはペットでいいんだろうけど。


成体に近づけば大人しくなっていくそうだからまぁ・・・大変なのは最初だけってか。


「始めはきちんとお互いを知るところから始まりますからなぁ」

「やっぱりその子も大変だった感じですか」

「えぇえぇそれはもう」


それを言わると、村長の精霊はぽこぽこと村長の頭を殴るが村長は笑うのみ。

違うもんという抗議行動なのだろう。


だがあそこまでの信頼関係があるってのはいいなぁ。


クロウを気に入っている精霊は既にこれくらい出来そうだけど。

まぁクロウが言葉を理解できていないんだけどね。

ジェスチャーとかでどうだろうか・・・今度教えてみるか。


そんな感じで精霊達を観察していたら村に着いた。

すると、村で内職してたり外でお話をしていたりしていた村人たちがダイジュナに殺到してきた。


「ダイジュナ様!」

「お久しぶりじゃないですかダイジュナ様!」

「だいじゅなさま―」

「お、おおう。久しぶりだなお主ら・・・」

「・・・毎回こんなんです?」

「こんな感じですなぁ」


ダイジュナが前に村に来たのはかれこれ6年前になるそうだ。

精霊樹にはいるそうだが、村には滅多に来ないから来るたびに大歓迎だそうだ。

まぁ本人はそんなことせんでも・・・みたいな感じらしいけど。

それだけ慕われているってことだな。


「まぁコウ様も今や同じでしょうがな」

「・・・はい?」

「この村にしてくださったことを考えれば当然でございますよ」


窮地を救い、さらに自衛手段を与えた。

他にも色々出来ることは教えてるし・・・あーうん。そうかも。

この村の文化レベルを考えれば、俺の知識を使えばそうもなるか。

まぁ俺は悪い気はしないぞ!!


「数百年も繰り返されるとこうな・・・」

「そんなもんか?」

「お主は今のこやつらに対して何かしたのだろう?我はかれこれこやつらの曽祖父くらいの年代の出来事だぞ」

「・・・お前そんな長生きなの!?」

「今更か?」


なんとダイジュナ、御年約2300歳。

精霊の中でも上から数えた方が上の年齢だそうだ。

というか、順番で言うなら上から4番目らしい。

上は同じ守護者と、精霊の生みの親だけだそうだ。


「あ、親っているの?」

「うむ。正確には、我ら精霊の始まりのお方ということなのだがな」

「ほぇ~」


そんなのもいるのか・・・だが王様ってわけじゃないそうだ。

本当に人間で言う親って感覚らしい。

色々な事を教えてくれて、見守ってくれた存在だそうだ。


今俺が連れてきた精霊達にとっては、ダイジュナがそれにあたるそうだ・・・


「とこの子が教えてくれました」

「何をしておるのか・・・というか聞こえないのでは?」

「身振り手振り」


ささっとクロウに乗っていた子が俺の目の前に来て、これまたさささっとジェスチャーで教えてくれたのだ。

体が柔らかい・・・というか、固定の体ではないのだろう。体を少し変えてダイジュナっぽい形も作っていた。

いや君器用ね?


なんとか村人たちをなだめて、俺の家に向かう。

まぁ今回は俺のお客様だしな。

・・・この後にまた色々する時間をとるって約束させられてたけど。


「愛されてますなぁ」

「全くなぁ・・・」

「ほっほっほ」


村長。先ほどから笑うばかりである。


俺の家は、村の家々が集まっている場所から少しだけ離れている。

これは俺の要望なのだが・・・これ言ってなかったな。


村の端と言うわけではないが、森には近いいい場所だ。

村長の家から歩いて10分ほどだろうか。

その場所に、二階建ての森の家がある。外観を合わせてほしいと、村人たちに頼んで色々教えてもらったのだ。

おかげでおしゃれなログハウスって感じの家になった。


「思ったていたよりは普通の家だな?」

「まぁ外はな」

「実際中は・・・あれは驚きましたなぁ」

「うん??」


ダイジュナは疑問なようだ。

まぁこの見た目で驚くような中身って想像つかないだろうな。


「とりあえず入るぞー」

「うむ・・・む。靴を脱ぐのか」

「おう・・・お前ら足って・・・」

「案ずるな。微妙に浮いているからな」


聞いたことのある設定だ・・・


家に入ると、なんと精霊達もお邪魔しますと頭を下げた。

やべぇいいこだ。


「ふむ。普通では?」

「まぁここはな?」


ここは居住スペース・・・くつろぎの場だ。

面白いのは下だ。


「地下にスペースが?ふむ・・・ん?」

「どうした?」

「・・・広くないか?」

「あ。分かるのか」

「ま、まぁこれでも精霊では上位の方だからな・・・いやそこはいいのだが」

「まぁ見たら分かるよ」


向かうのはまずは地下一階。

普段はただの倉庫でしかないんだけど・・・


「変わった物は・・・む。これか?」

「それそれ」


明らかに世界観に合わない物。

電気的な光が輝く操作パネルだ。


それを操作して、倉庫の一部を可動させる。

すると、壁だった場所が開き、中からまた小さな部屋の様な物が・・・いや、こんな説明いらんな。

エレベーターですはい。


「おお!」

「何度見ても変わっておりますなぁ」


ダイジュナも村長も、当然見学に来ている精霊達も驚いている。

まだ乗ってもないんだけどなぁ。


「ほらほら。早く乗って乗って」

「お、おう・・・」


それなりに大きなエレベーターだから、ダイジュナが入ってもスペースに余裕はある。

他の精霊達はまだ子供だからか、少し怖いのかクロウにくっつく。

何故か俺の頭にも一体しがみついている。


「それじゃあ下に降りまーす」


軽い衝撃が来て、下にエレベーターが降り始める。

このエレベーターは防犯の関係で地下一階までしか行けないからすぐに止まる。

扉が開くと、そこに広がるのはまさに研究室といった感じの部屋だ。

まぁ見た目だけなんだけど。完全に待機所か休憩室・・・まぁそんな感じの部屋だ。


「んで、次はエスカレーターね」

「まだあるのか?」

「まぁ下に行こうとするとまだまだあるけど・・・見学だけならこれで最後かな?」


実際に何か制作する場所に行こうとするとエレベーターとか色々乗るけど、見学だけなら上から見るだけでいいだろう。

流石にこれはダイジュナでは大きすぎるので、普通に飛んでもらうことに。

小さな精霊達は手を繋いで、手がない物は他の子に捕まえて貰って仲良く降りていく。


二十メートルほど降りると到着。

ガレージに到着だ。ここにから全体を見渡す為の場所に移動する為の乗り物に乗る。


「これは?」

「バギーってタイプの車だな」

「車?」

「自動で動いて、馬より速い乗り物だよ」

「これは初めて見ましたなぁ」


めちゃくちゃ音は静かだけどな。

それに全員乗り込む。ここまで来ると、村長も始めてな領域になるのできょろきょろとあたりを見渡している。


まぁ運転するのは俺じゃない。

この建物の中なら、キクヒメが自動で運転してくれる。

少しの振動度、僅かな音を立てながらバギーが建物内・・・というか、ここまで来ると一種の基地なんだよなこれ。

まぁ広さ的には大したことはない。歩きまわると結構時間が掛かるが、車だと大体10分ほどで回り切れてしまう。

中にあるのも、一部の武装製造系の建物と特殊製造系の物だけだ。

山にある基地みたいに、資源入手系は一つも置いてないし、それこそ機体を作ることは出来ない。


「騎手もいらんのか」

「キクヒメが操作してくれているからな」

「キクヒメ?」

『初めまして』

「おお!?」

『汎用サポートAI。キクヒメでございます。主に、パイロットのサポートを行っております』

「・・・こ、この者はどこに?」

「俺がいればどこにでもいるな」


俺の着ているストレングスギア。

そして何より、俺自身の身にまとっている衣服などのいずれかにキクヒメが搭載されている。

今は無影を服の中に来ているが、他にはチョーカーとか時計とか。マジで何でもありなのだ。


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