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25話

「ただいまー」


って誰もいな


「あ、おかえりなさいコウ様!!」

「・・・ただいま?」


何でキイナさんいるの・・・?


山の基地に滞在したのは、一日だけ。

必要な物を積んだり、ドラゴン調べたりしたけど結局そのくらいで十分だった。


後は普通にサーベスで村に帰ってくるだけ。

何事もなく到着して、村に立てた俺の家に帰ってきたというわけだ。

その家には、当然誰もいない・・・はずだったんだけどなぁ?


「あれ?」

「どうかしましたか?」

「・・・いや、キイナさんなんでいるのかなって」

「あ。お父さんに頼まれまして」

「村長に?」

「はい!どれくらい空けているか分からないから、掃除をしてこいって」

「あー・・・それは俺が悪いわ」


そういえばどれくらいで戻るとか教えてなかったわ。

そのせいでキイナさんがここに掃除に来てくれていたわけか。

普通に申し訳ない・・・


「わざわざ申し訳ない・・・」

「いえいえ!このくらいならどうってことないですよ」


満開の笑顔でそう答えてくれるキイナさん。

おおう・・・孤独に寂しい心には効きますなぁ・・・あ、そうだお土産あげよう。


「キイナさんこれどうぞ」

「え?これって」

「お土産です」

「ええ!?そ、そんないいですよ」

「いやいや。そこにあっただけの物を持ってきただけなんで」


実際自販機のクッキーってだけだし。

まぁそこそこ高価な物選びましたけども。

・・・選びましたけども!!


「安物なんで遠慮しないでいいですよ?」

「・・・い、いいのでしょうか」

「うんうん・・・あ、じゃあ一緒に食べます?」

「食べる?食べ物何ですか?」

「ええ。クッキー・・・焼き菓子ですね」

「・・・焼き菓子?」


おっとー?これはまさか。


「・・・お菓子って食べたことあります?」

「・・・お、お話には」


そういうことか・・・ああいや、これは想定しておくべきだったな。

森の中の村・・・それも辺鄙であることを自覚するくらいの辺境の村だ。

この村の感じから行って、大体の大規模な街の様子も想像が付いている。

その通りなら、そもそもお菓子と言う概念自体が珍しい部類なのではなのだろうか。

砂糖などの甘味が貴重な時代ということだな。

むしろだ、キイナさんが名前は知っているのがすごいレベルなのでは?


「やっぱり、珍しいんですかね」

「そうですね・・・おじいちゃんが一度持ってきてくれたくらいで」

「どんなやつです?」

「えっと・・・確かに硬いパンのような」

「保存期間を重視したやつかな・・・」


ふむ。乾パンのようなものかな。

まぁその程度じゃないとここに持ってこれないってことか・・・これは、あれだな。


「キイナさん。今日って時間あります?」

「え?今日というか、明日も明後日時間はありますけど・・・」

「じゃあ自分とお茶しましょう」

「へ?」


お菓子・・・食べさせてあげよう。


















俺の建てた家の中は、凡そ見た目は他のエルフ達の家と変わらないようにしてある。

それは外観も含めて、内装もということだ、

だが当然ながら、その実態は全く違う。

今回サーベスで運んできた物も含めて、多くの家具が揃っている。

瞬間湯沸かし器とか、まぁ色々な。流石に自販機は置いてないけど。


だからあまり料理が出来ない俺でも、簡単におしゃれなティーパーティが出来るのだ。


「わぁ!!」

「ドヤ」


俺が手際よく・・・キクヒメの説明を聞きながら用意した物を見て、キイナさんは目を輝かせている。

この世界では、大きな街に住む金持ちですら見れないような物ばかりだ。

それに、カップも出来るだけ可愛いものを揃えてみた。

何でか知らないけど、課金アイテムのはずのこういう小さなグッズは簡単に作れるんだとな。

正確には家具のレシピを買うんだけど・・・だったら他のも手に入るようにしてほしいところだが。


テーブルもそれ用の物を・・・なんだっけか。確かロイヤルシリーズとか言うやつを全部作ってそれをそれっぽく置いてみた。


そこに腰かけるキイナさんは、さながらお姫様の様だ。


「本当のお姫様みたいです!」

「似合ってますよキイナさん」

「そ、そうですか・・・?えへへ」


服は普通にエルフ達が着ている、何の変哲もない服のはずなのにな。

何故だろうか。キイナさんとロイヤルシリーズが一緒に視界に入るだけで眩しい。

絵になるとはまさにこのことだろう。

・・・なんでアバター用の衣装は作れないのだろうか。おのれ課金アイテム。


テーブルの上には、様々なお菓子を用意した。

わざわざサーベスから用意したのだ。

チョコやクッキーの類は当然として、マカロンやワッフル。

小さなケーキに、甘さ控えめのアイスなんかも・・・なんでこんなに料理一杯あったんだろうかあのゲームは。


テーブルや椅子に目を奪われていたキイナさんも、少し落ち着くとそちらのお菓子を珍しそうに見ている。


「これがお菓子・・・ですか?」

「うん。まぁ種類はいくつか用意しましたから。ちょっとずつ食べましょうか」

「・・・ど、どれから」

「あー・・・じゃあワッフルからの方がいいと思いますよ」


好きにと言いたいが、どれもこれも見たことないのなら選べないだろう。

だったら、先ずはワッフルだな。

一番馴染み深い味だと思う・・・というか砂糖が入ってるだけであんまり変わったことしてないし。


「ジャムとかかけてもおいしいですよ」

「・・・可愛い」

「あらま」


お菓子の見た目も気になるようだ。

手に取りながら見ている。手に着く小さな砂糖を舐めて、びっくりしたような表情を浮かべる。


「あ、甘い」

「まぁ砂糖ですしね」


本当に砂糖が貴重ってことだな。指先についたほんのわずかなかけらを舐めただけでこれだ。

食べたらどんな表情をするのだろうか・・・わくわく。


「まぁ他にもありますし。食べてみてください」」

「で、では・・・いただきます。・・・あむ」


意を決したといった感じで一口パクリ。

すると、最初は遅る遅ると言った感じだったキイナさんは、一口食べてから猛烈な勢いで残りを口に入れた。

もぐもぐと、幸せそうな顔で咀嚼して飲み込んだ。


「美味しかったですか?」

「はい!!・・・あ///」


一気に食べてしまったのがはしたないと思ったのだろうか。

顔をすこし赤らめて俯いてしまった。


まぁそれだけ美味しかったってことだな。いい事いい事。


「ふふ。まだありますから。ゆっくり食べましょ?」

「は、はい・・・///」




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