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24話

『エアロード。出撃準備完了』

「OK。開けろ」


基地の中心からまっすぐに地面が開いていく。

開いた地面の下から何かがせり出し・・・カタパルトが出現する。


『全シークエエンス。オールグリーン』

「エアロード、出撃するぞ」


カタパルトに付いていたエアロード・・・俺だ。

それが一気に射出される。

一気に体にGが掛かるが、割と慣れたものだ。


さて、ここで武装紹介。

機体は先ほどから名前が出ているエアロード。

空中での高機動を強みとして持つ機体だ。

主な武装は両手に持つビーム兵器だ。実弾も使えるけど。


そして何より大きな特徴は、背中に持つ巨大な翼だろう。

白く機械的な翼は、力学的に考えられた素晴らしい形をしている。

今回はその翼に、ある武器が装着されている。


大きなキャノンを思わせるような形の二門の武装。

エアロード専用兵器。『グリンクラスターミサイル』

膨大なエネルギーを消費する兵器だが、威力は折り紙付きだ。

これはビーム兵器ではなく、プラズマ兵器というのが特徴だ。

着弾と同時に爆発し、相手を焼き殺す。


主な使用用途は二種類。

一つ目は数の多い敵に対して、一気に殲滅を行う時。

もう一つが今回の用途・・・巨大な敵に対して使う時だ。


どんな武器かは・・・すぐに分かる。

なにせ基地の近くだ。戦いが長引けば被害が出ることもあるだろう。

故に、これだけで終わらせるつもりだ。

まだドラゴンはこちらに気が空いてはいない。だが、既にこちらはロックが完了している。


『発射可能』

「ファイア!!」


二つの突起の先端に。緑の光が溜まっていく。

それは凡そ50cmほどのサイズに膨れ上がると、高速で上空に向かって飛んでいった。

そのまままっすぐに飛び、ドラゴンすら飛び越え・・・炸裂した。

散った光は、それぞれが意思を持っているかのようにドラゴンに向かって飛んでいく。

ドラゴンは光が自分を追い越したことは気が付いたようだが、既に遅い。

緑の光・・・プラズマのミサイルはドラゴンに次々に着弾していく。

爆発の光が、ドラゴンの鱗を砕き、肉を焼いていく。

たまらずドラゴンは大きな悲鳴を上げるが、だからと言ってどうしようもない。

総弾数1000発オーバー。光の雨はドラゴンに一切の抵抗を許さずに、その体を地面に叩き落した。

それでもまだ、残ったプラズマがドラゴンの体の上で爆発していく。

遠くから見たら、綺麗な花火が上がっているようだろう・・・この上なく物騒な花火だけどな。


「反応は?」

『・・・生体反応なし。討伐完了』

「まぁ、これ使えばこんなもんか」


これが『グリンクラスターミサイル』だ。

巨大な敵に対しては、無数の爆弾が狙った体に向かって迫ってくる。

その誘導性能は非常に高い。例え音速で飛ぶ個体ですら、追いかけ続けるだろう。

まぁ問題があるとすると、使った対象の敵が木っ端みじんに消し飛ぶってことなんだけどな。


「もったいない」

『肉体の残存を確認』

「おろ?」

『魔力を用いた特殊なバリアを張っていたようです』


キクヒメのセンサーにはまだ残っている部位があるそうだ。


先ほどの映像を見ると、確かにドラゴンの体に着弾する前に何かに阻まれている。

爆発がある度に、そのバリアは薄れていき最終的に壊れているが・・・これが原因か。


『映像からの解析結果ですが、恐らく高密度に圧縮された風が爆発の勢いを削いでいたようです』

「へぇ・・・こんなことも出来るのか」

『再現研究はいかがなさいますか?』

「・・・一応データ上だけでやっておくか。コヒメに余裕はありそうか?」

『問題ありません』

「ならそっちで頼むわ。俺達は死体の回収だな。ココナツ達を出してくれ」

『了解いたしました』


お楽しみの剥ぎ取りタイムですよってね。



















ココナツ達と共に、ドラゴンの体を回収して解析を開始した。

その結果、面白いことが分かった。


「魔力の属性違い?」

『前回討伐した、レッドドラゴンの魔石のデータとの比較結果です』


ふむふむ・・・

レッドドラゴンの魔石は、比較的熱の力・・・火の力が高いそうだ。

それに対して今回倒した・・・グリーンドラゴン。これの魔石からは熱をあまり感知しなかったようだ。

代わりに、別の謎の反応を捉えたそうだ。これを暫定的に、風属性として登録する。

理由は、あのドラゴンが風のバリアと思われる物を張っていたからだ。


ドラゴンごとで、属性が違うと考えていいだろう。

面白い話だな。同じドラゴンでもこう違うのか。


それに、肉体面でも少しずつ違いがある。

例えば翼の形状。レッドドラゴンを基準とすると、グリーンドラゴンはより鋭く、加速するのに向ている形状の翼をしている。

爪は逆にレッドドラゴンより薄く軽い。だがその分、加工しやすそうな感じがあるな。

レッドドラゴンは、死体のどの部位も火に強かったが、グリーンドラゴンはさほど火に強いといった感じはない。

これが、キクヒメが属性違いと言った理由で、その原因は魔力のあるのではないかと言うのだ。


「他の奴らって何かそういう傾向はあったか?」

『規模が小さいため、比較情報として最適ではありません』

「・・・それだけドラゴンと他の個体で差があるってことか」

『基礎的な数値を比べるのなら、明らかに低い数値です』


ふん・・・比べるなら他のドラゴンを倒さないと駄目か。

まぁわざわざ探したりはしないけどさ。


そんなことよりだ。


「クラスター全部食らって体が残るって・・・レイド以来か?」

『精密調査待ちですが、バリアとしての性能はかなり高いと思われます』

「だろうねぇ・・・いやはや・・・」


BMWはオンラインゲームだから、当然のようにレイドボスと呼ばれる巨大で大勢のプレイヤーが協力して戦うボスがいる。

そのボスは、当然スペックも高いから、『グリンクラスターミサイル』を叩き込んでも殺すことも出来ない。

ダメージはデカいが・・・まぁ当然耐久力も多いからな。体を消すなんて出来ない。


それが、このドラゴンで起こったのだ。驚きもするさ。

死体から取れたデータだけ見れば、明らかにそこまでの能力はないのにも関わらずだ。

そうなると、発見したバリアってのがよほどいい性能であるという結論になるということだ。

エアロードの専用武装の中で見るなら、グリンは上位の威力がある。

それを一時とは言え耐えられるバリア・・・そんなのゲーム内にもなかなかなかったぞ。

数発程度ならともかく、映像では百発ほどは当たっているのにも関わらずだ。

これは、研究しないといけないねぇ。


「コヒメに回すリソースって・・・ああ、コヒメの方が限界か」

『想定スペックを超えてしまいます』

「拡張すっかぁ・・・」


コヒメは元はそこまでいい性能のAIではない。

それに俺が手を加えたから、ある程度の性能は今は持っているが・・・それはあくまでも無駄を省いて少し手を加えただけだ。

基礎的な部分はあんまり変わっていない。

そこを変えないと、これ以上性能を高くできないってことだな。

時間はかかるけど・・・仕方ないか。


「余ってるお前の余剰機材とかってあるっけ」

『電子基板のみございます』

「うっげ・・・他のパーツはないのか」


高性能なAIを作るというのは、一からパソコンを作るのとあまり変わらないくらいの労力がかかる。

一度でもパソコンを組み立てたことのある人なら分かるかもしれないが・・・ああ、もちろん本当に組み立てるだけの奴は例外な?

自分でパーツを自作して、それをちゃんと動くように設計して、尚且つ出来るだけコンパクトにまとめて高性能に・・・つらい。


しかも不親切なことに、このAI作成に関してはゲーム側からのサポートがほとんどなかったのだ。

まぁなくてもいいし、課金すればそのままある程度の性能のは買えるし。基本それで十分だし。

まぁ要するにだ、廃人プレイヤー御用達のエンドコンテンツなんだよAI作成を本格的にやるっていうのは。

始めに作ったコヒメ程度なら、片手間でいいのだ。外で手に入るパーツを雑に組み合わせて、とりあえず動けばいいだけだし。

後コヒメは肝心な部分は最初からあったしな。


ちなみにキクヒメの余剰パーツ・・・電子基板とはAI達の格となる部分と考えてもらっていい。

まぁキクヒメクラスになると、どんな電子機器にも自分の存在のバックアップを取れるから関係ないんだけど。


さてさて・・・そろそろ現実見るか。


「パーツってどれくらいで出来たっけ?」

『組み立てまででしたら、約3日です』

「・・・組み立ては俺がやるってなると?」

『約2日』

「それでもか・・・しゃーない。作るだけ作って後で取りに来るか」


バリアの解析をちゃんとしたいからな。

コヒメのアップデートは必須だ。これも必要経費必要経費っと。

・・・はぁ。


「新しい機体作りたい」

『可能です』

「他にやることあるからなぁ」


ぱっと思いつくだけで、面白そうな機体が五機はいるのに・・・ままならない物ですよ全く。


「・・・ソキウス達の装備でも更新しちゃう?」

『しばらく様子を見るとの発言を記録しております』

「・・・はーい」


やつあたりも出来ないZE☆ミ

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