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18話

夜分一話です。

ゴールデンウイークが待ち遠しいです

村から来た全員の籠がいっぱいになるまでウッドベリーを収穫できた。

それでもまだあたりを見渡せば大量に生っているから、非常に多く実るタイプなのだろう。


「放っておくと育ちすぎちゃうので、定期的に選定してるんです」

「まぁこれだとそうだろうな」


石垣のような草になってるのは、そういう理由もあるらしい。

生物が触ると、魔力で柔らかくなるそうだから食べるのも問題ないのだろうが、それでも増えすぎるらしい。


その代わり、ジャムにするのは大変らしい。


「道具が使えないので、手作業なんです」

「あー」


ミキサーはないにしても、木の棒とかで潰すのも出来ないだろうな。

一度切れ目を付けると、硬さが固定されるらしいから普通に食べる時はそれでもいいらしい。

でも、ジャムにする時は駄目らしい。


何でもこの果実は、最初に出てくる果汁が一番甘いらしい。

ジャムにする際には、その甘い部分が重要になってくるので、潰す前に切ってはいけないらしい。

何でも、甘い果汁と実が一緒になってないと駄目だとかなんとか。

そしてこれを潰した物を他の果実やハーブか何かとかと混ぜ合わせて大鍋で煮る。

それを小瓶に摘めて完成らしい。

村の貴重な外貨獲得手段になっているそうだ・・・あんまり使うことはないそうだが。


「私たちはエルフですから、鉄の道具を使えなくって・・・」

「使えない?」

「正確には、鉄は魔法の発動に影響がありますから出来るだけ使いたくないって感じです」

「へぇー」


そんなのもあるのか。

となると、今朝見た包丁とかも鉄ではないのか。

ぱっと見は確かに珍しい包丁だとは思ったが。


(後でスキャン)

(了解いたしました)


ヨシ


ちなみに使えないのは鉄だけだそうだ。

他の金属・・・青銅や金と言った物はむしろ好まれるパターンが多いらしい。

これは、精霊が気に入るかどうかによって変わるそうなので、力を貸してくれる精霊によっては鉄もOKだそうだ。

キイナさんの傍にいる精霊は鉄NGの子で、唯一大丈夫なのは貴重な物だからほとんど金属類は付けられないそうだ。


帰り道は特に何もなかった。

小さい動物が出てきて、その子達に別で採った果実を上げたりして和んだくらいかな。


村に着くと、女性の大人陣はそのままジャムづくりをするらしい。

本来なら、キイナさんも手伝うはずだったが・・・


「え?いいんですか?」

「ええ。そんなことより、コウ様のお世話。よろしくね!」

「え?いやいや。別にそこらへんで昼寝でもしてるんでいいですよ?」

「いいえ。コウ様はこの村の恩人なのです。それなのに村の者が誰一人として傍にいないのはありえませんよ」

「そうですのぉ」

「キャ!?・・・お父さんいつの間に!?」

「ほっほ。そろそろ交代の時間での。そういうわけじゃ、しっかりとコウ様についていなさい」


ってな話があって、今キイナさんと二人っきりで村を歩いている。

殆どが狩りに出ているか、ジャムを作っているか。

それ以外の人は、家のなかで内職しているらしい。道具の手入れだったり、小さなアクセサリーを作ってる人もいるらしい。

殆ど村の外に出しているそうだが、立派にお金になっているそうだからいいかと言うことになっているらしい。


「狩りもしてる方ですから。罠とかの出来はすごいってよく褒められてますよ」

「手先が器用なんだな」

「はい、村で一番の職人って言われてます!」


そらいいことだなっと。

さて、キイナさんと一緒に村を歩いているのはいいが・・・何をするか。

キクヒメからの報告は無し。あってもこのままで聞ける。

村の解析・・・って言うほど物がないんだよな。

世界樹とかあるかなとか思ったけどないみたいだし。辺鄙な村とは聞いていたが、本当に普通に村なのだ。

だから案内される場所もない。

それをわかっているのか、キイナさんの話す内容もほとんど村の人の話が殆どだ。


うーん・・・だったら、聞いてみていいかな?


「キイナさん」

「あ、はい。なんでしょうか?」

「出来たらでいいんですけど、俺に魔法を教えてくれませんか?」

「え?魔法・・・ですか?」

「うん。今まで知らなかったですし」


キクヒメの解析で、精霊を用いた魔法に関してはわかった。

だが、それ以外の魔法は結局見る機会がなかった。

キイナさん自体は普通の魔法も使えるそうだから、それを見てみたいと言うのが大きな理由だ。

俺に教えるっていうのは、それの口実だけど、俺自身が覚えることでいいこともあるかもしれないからな。


だが、キイナさんはやや難しい顔をしている・・・


「魔法・・・」

「・・・ダメ的な?」

「あ、いえ!そんなことはないんですけど・・・そんなことでいいんですか?」

「うん?」

「魔法何て、子供の頃に教わるようなことなので・・・」

「あー」


そういうことねー。

話しを聞くと、猶更納得出来た。

この世界では、魔法という存在が俺の思っているより大きなウェイトを占めているようだ。

量に差はあれど、殆どの人は魔法を子供の頃に親から教わるそうだ。

親のいないような環境・・・それこそスラムのような環境に住まう人々でも、簡単な魔法は使えるらしい。

それだけ、当たり前にある存在と言うことだろう。


キイナさんが戸惑ったのはこれだ。

余りにも当たり前、自分達にとっては大したことでもない魔法で教えを請われるってことが変だったと言うことだろう。


「魔法って、習う物じゃない感じ?」

「えーっと・・・私も詳しくないんですけど」


村長から聞いた話だと前置きを置いて、キイナさんは魔法を学ぶと言うことを教えてくれた。

何でも、国に仕える高位の魔法使いなんかはそれ専門の学び舎があるそうで、そこで学ぶということはあるそうだ。

だが、それ以外では学校何て存在していないらしい。

だからこそ、魔法は子供の頃から親から聞くもの・・・しつけと同じなのだろう。


「コウ様の世界では、魔法がなかったのですか?」

「なかったねぇ。俺達にあるのは科学でしたね」

「科学・・・ですか?」

「そうそう。さっき見せたカメラもその科学」


ちょっと未来を生きてる科学だけどな。俺が使っているのだから間違いではない。


キイナさんは俺の世界に魔法がなかったというので納得したようだ。

笑顔で、俺に魔法を教えることを快諾してくれた。


「では、広い所に行きましょうか」

「お願いしまーす」


















ウッドベリーを採りに行った方面とは逆の方角。

村に隣接した場所に明らかに開かれた土地があった。

村のエルフは、ここで魔法を使うそうだ。


「それでも、使うのは精霊魔法だけなんですけどね」

「普通の魔法は練習しない?」

「しないですね・・・殆ど使うことがないですし。調整もしにくくて」


精霊魔法は、精霊に魔力と使いたい魔法のイメージを渡して使っている。

精霊は非常に魔力との親和性が高く、制御が人間より上手いそうなのだ。

だから、普通の魔法より威力が出やすいし制御も細かく出来る。


それに対して、普通の魔法は自分一人ですべてを行う。

だから才能に依存するのだそうだ。


結論、エルフ的に言うなら、普通の魔法は使いにくいってことだろう。


「はい。じゃあさっそく始めましょう!」

「はーい」

「最初は、自分の中の魔力を認識することなんです」

「どうやるんですかー?」

「私は瞑想してました」

「え」

「ふふ。冗談です。お母さんから魔力を流し込んでもらったんです」

「お、おお・・・」


驚く俺の顔を見て、くすくすと笑うキイナさん。

可愛いんだけど、可愛いんだけど・・・!!


いや、まぁ慣れてきてくれたって思えばいいかなうん。


俺に魔力を流すために、広場の切り株に二人で腰かけて手を握られる・・・お?


「じっとしていてくださいね」

「あ、はい」


両手でぎゅっと握られる。

さっき森で俺から握った時は、顔真っ赤にしていたのに、今は非常に真剣な顔で俺を見ている。

魔法を教えるっていうので、スイッチが入っているのだろう。


・・・こうなると、俺が恥ずかしい・・・(●´ω`●)

うわぁ手温かーい


どきまぎしている俺に気づかず。キイナさんは集中している。

数分立つと、手の温かみ以外にも何か別の温かさがあるのが分かる。

それが手を通じて、体全体に流れてくる・・・これは。


(体内に未知のエネルギー反応を感知)

(魔力だな。データとっとけ)

(了解いたしました)


俺も集中しよう。

体全体にある魔力・・・ここからどうするんだ?


「魔力が、自分の中のどこから出ているかを探してください」

「ウィッス」


らしいぞ。

さらに集中する。

キイナさんの魔力は、体全体に流れたがそれは表面だけだ。

体の奥・・・中の方にあるのは俺の物らしい。


その奥にある魔力を辿っていく。

魔力とは、体の中を巡回しているそうだから、それを辿れば魔力源が見つかるだろう。


「実際に体の中にあるのではなく、魂の奥から湧いている・・・そうお母さんは言ってました」

「魂・・・ねぇ」


非科学・・・今の俺が言うことではないか。

奥に、さらに奥に入り込むイメージで・・・


「・・・見つけた」

「え?もうですか?」

「ああ、こうかな」


魂の奥・・・とか言われても分からないから、魔力の流れを全部かたっぱりから辿った。

キクヒメのサポートが、効いているのが分かる。

力技で全て解決出来たのはラッキーだった。それに、全体を辿ったことでイメージを持つのも簡単になった。


手から先ほどキイナさんがやったように、俺の魔力を少しだけキイナさんに流してみる。


「ひゃ!」

「あ、すいません!」

「い、いいえ・・・ちょっと驚いちゃって///」


キイナさんから手が離れた。

立ち上がって、顔を赤くさせながら手を擦っている

・・・驚かせてしまったようだ。



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