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14話

金曜日は気分が良いので投稿してみます。


2021/05/13

村長の年齢を変更。

「おはようございます。コウ様」

「おはよう村長さん・・・様じゃなくていいんすよ?」

「いえいえ。我が村の救世主でございますから」


うーんこのね。

まぁ仕方ないか。


朝・・・大体7時くらいかな?

俺の感覚では結構早い時間だったんだけど、既に村の人たちは結構起きているみたいだ。

あちこちで声が聞こえる。既に弓を持って出かけようとしているのもいるくらいだ。

狩りにでも行くのかな?


「はい。我が村は森の恵みを授かって生活をしておりますので」

「おおー。何かそれっぽくていいね」


まぁ装備が貧弱でちょっと気になるけどな。

これは俺基準の話だから、もしかしたらこれが普通なのかもしれないけど。

それに、エルフは精霊の力を借りられるんだったな、武器ってあんまりいらないのかも。


「いや、我々は狩りをする時は魔法を使わないのですよ」

「ん?どうしてだ?」

「精霊も、そして我々も自然の一部でございますから」

「あー・・・恵みを得るなら、自分でやると」

「そう言うことでございます」


なるほどな。そういうこともあるのか。

やっぱり世界が違えば・・・てかそもそもエルフなんですけどこの人たち。

結構俺と常識は違うよな。俺なんて使えるもんは使う・・・


「あ」

「如何されましたか?」

「ああいや、ちょっと思い出したことがあるだけだから」


そういやサーベスの中にあれ入れっぱなしだな・・・起動もしてないから壊れるとかはないだろうけど、見ておきたかった。

それにあれもまだ見てないし・・・いや、考え事は後にするか。


「エルフは・・・てか、この村ではこの時間にはもう働いているのか?」

「正確には、日の出前には目を覚まして、朝食を食べてからですな」

「はっや!?」


日の出前って・・・すげぇな。

現代人の俺にはない発想だ。まぁ俺たちの世界でも昔はそうだったのかもしれないけど。


「あれ?じゃああっちの集団は?」

「これから二度目の狩りですな」

「ほぇー」


朝にそんな何回も行くのか・・・


と、俺が驚いていると、ちゃんとした理由があるからだった。


「夜に近づきますと、どうしても危険が多くなりますからな」

「なるほどそういうことか」

「幸い、コウ様が周囲の魔物を倒してくださいましたので、比較的安全にはなってはいるのですが」

「ああ、縄張りを持ってた連中が一気にいなくなったらって話か・・・あれ?それ狩り大変じゃね?」

「いえいえ。狩りと言うのは基本罠を仕掛けて行いますので。場所を知っていれば問題ないのですよ」

「ほぇー」


それに、時々精霊の気まぐれで獲物がどこら辺にいるかを教えてもらうこともあるらしい。

自分から力を借りるのは駄目だが、貸してくれるというのならOKらしい。


「ああ、申し訳ございませんコウ様。朝食のお準備がございますので、よろしければ」

「あれ?この時間なのに?」

「妻と娘に先にお伝えさせていただきましたので」

「お、なら頂こうかな」


昨日大暴れしたから、その分起きるのが遅くなるだろうって予想してたみたいだ。

・・・この村長エルフ。出来る!!


さて、村長の案内で村で一番大きな家え。

木造の二階建てだ。この村唯一の二階建てだから高くて目立つ。


中に入ると、木造建築特有の木のいい匂いが鼻をくすぐる。

それに少し遅れて、何やらパンのような匂いもする。


キッチンと思わしき場所には、二人のエルフが立っていた。


「アカサ。キイナ。コウ様をお連れしたよ」

「あら。おはようございますコウ様」

「お、おはようございます!」


昨日の晩の宴で、村長一家は先に自己紹介を受けていた。

村長・・・アカイルと言う名の村長。

そして奥さんのアカサさん。

最後に一人娘のキイナさんだ。全員俺より年上・・・ていうか、エルフはまじで長命らしく、千歳を越えるエルフもいるとかなんとか。

村長は今157歳だそうです。娘のキイナさんでも53歳だってさ。

人間換算で、村長は40後半。キイナさんは15、6歳くらいだそうだ。

だからだろうな。キイナさんは俺を見て緊張しているようだ。


今日の朝食は、薄いパンのような物に果物の・・・恐らくはちみつ漬けかな。

それに野菜のスープだ。

一瞬農業もしてるのか?って思ったけど、よく考えたら森で採れるのか。俺も採ったし。


『恐らく、蕎麦の実を潰して焼いた物かと思われます』

(ガレットてことか。洒落てんね)


ふむ、蕎麦も出来るんじゃない?ないだろうけど。


「じゃあいただきます」

「おかわりもありますからね?」

「ほっほ。沢山召し上がってください」


うーんやさしさが身に染みるね。割と長い期間一人だったし・・・まぁキクヒメがいるから寂しくはないんだけど。


先ずはガレットからいくか。

手にした感じは、普通のガレットより少し重いか?

まぁ数えるほどしか食べたことないからエアプなんだけどさ。


一口かじってみる。

すると、口の中に広がる蕎麦の香り。

もちもちとした食感もいい。優しい歯触りが朝にはちょうどいいだろう。


「果物を乗せると、また違う味わいになりますよ」

「へぇ」


早速乗せてみよう。

蜜を吸って、見るからに美味しそうだ。このまま食べたい衝動にかられるが、それは後でだ。

バナナっぽい果物を乗せて、ぱくりと一口。

するとどうだろう。ガレットは何もつけずとも十分な味があったが、それが果物の甘さを引き立てている。

それに、これは蜂蜜じゃなくてメープルシロップのようだ。

控えめな甘さが、果物の良さを潰さずに共存している。

まるで高級なクレープを食べているかのようだ。


うん。美味い。


「美味い」

「まぁ良かった。さぁ、どんどん食べてくださいね」


言われずともだ。


次はスープを頂こう。

見た目野菜たっぷりのスープだが、嗅いだことのない匂いだ。

どことなくだが、ぴりりとする感じに近い。


一口飲んでみる。

すると、匂いの通りピリリとした刺激が舌を刺激する。

それと同時に、何やらうま味のような物が口に広がる。これは・・・何かの骨か。


「も、森で獲れた魔物の骨から出汁を取っています」

「へぇ。出汁ってここにもあるのか」

「流れ人の方が、数百年前にお伝えしてくださった知識の一つなのですよ」


あまり広まっているわけではないらしい。

何でもその流れ人、世捨て人のような人だったらしく大きな街にはいかなかったそうだ。

この村の様に、辺境に住むエルフや獣人と言った人たちに伝えられた食文化のようだ。


「あんまり、エルフとかは国の中心には行かないのか?」

「いえ。そんなことはございませんよ」

「うん?そうなのか」


あんな人を攫って奴隷にして売ろうとか考える人間がいるくらいだから、そういう物だと思ったが違うらしい。

どうやら、あれは本当にごく少数のようだ。


「むしろ街に住んでいるエルフの方が、あまり被害に合わないと聞きますね」

「ああなるほどね」


要するに、あいつらの様にお国の目が届かないようなところで悪事を働くのが多いってことか。

まぁどこの世界もそんな物だろう。


聞くところによると、この世界では奴隷を売ると言うのは何気にリスキーなのだ。

得られる利益は大きいが、その分危険が大きい。

これも流れ人の成果なのだが、そういった存在を絶対に許さない集団がいるからだ。

文字通り地の果てまで追いかけて、壊滅させる。


「ここに来たと言うことは・・・まぁそういうことなのですよ」

「なるほど。あいつらも追いつめられてたってか」


まぁ知らない話だし。興味のないことだ。

いや、あのゴミ共がいたからこそ、今こうやってエルフ達と仲良くしているのだからそこは感謝してもいい。


それに、そういった存在がいるにせよ、悪は決して消えない。

この村も、あの集団に襲われていれば大変なことになっていただろう。

村の男衆が死を覚悟で女子供を逃がしていたのがその証拠だ。

だからこそ、今俺はこうやって厚遇されているのだろうが。


それにしても、戦える男が少ないなとは思っていたが。


「元々エルフは、男が少ないのですよ」

「んぐ・・・はい?そんなのあるの?」

「ええ。それに、男として生まれたら、こんな辺鄙な村で過ごすのは退屈でしょうからなぁ」

「ああ、経験談ですか」

「ご想像にお任せいたしますよ」


そういうことだったか。要するにあれだ、東京デビューか。

うん。違うな。


あ、スープは野菜にもちゃんと味がしみ込んでて美味しかったです。

フルーツもちゃんと全部食べ切って・・・


「ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした」

「お、美味しかった・・・ですか?」

「はい。かなり」


実際美味しかった。

普段カレーとかそういうジャンキーなものばっかり食べてるからな。

好みの問題で、どうにもこういったメニューは敬遠しがちだった。

お腹にも優しく、健康にもいい。

まさに理想的なメニューだったのではないだろうか。

後地味に甘い物を定期的に食べないと動きが悪くなるのでメープルの甘さは良かった。

この村の特産品とかなのだろうか・・・ぜひ欲しいな。

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