11話
夜分です。調子が良かった
新鮮な海の幸を大量に獲得して、基地に戻ってきた。
あれから結局もう一回潜って色々獲ってきた。
少し積載量を増やしたから、一度目より多く採れたのは非常にナイス判断だったと思う。
基地に帰ってからは、すぐに養殖用の食糧生産所を設立した。
わざわざ他の建設を後回しにしたから、本当にすぐに作った。
既に養殖は始めさせているから、最短でも一週間ほどで安定して食べられるようになるだろう。
素晴らしきSF技術。あの幸福を何度も味わえます。
さてさて・・・最初の目的は駄目だったが、結果は良かった。
まぁ結局人間探しは初めからやり直しだけどさ。
「さぁてどうするか」
『考えられるパターンを一覧化します』
「頼む」
どれどれ・・・考えられるのはいくつかあるのか。
一つは今のままの方針。
海の方に進んで、新しい大陸を探す。
これはあまりお勧めされていない。まずここ以外に大陸があるかどうかも分かっていないし、その大陸に人がいるかってことも分かっていない。
これを選ぶならば、他のを試してからの方がいいだろう。
二つ目は、森の方面に戻ることだ。
広大な森ということはわかっているが、それでも海よりは広くないだろう。
通信中継機を再び配置して、基地との連絡を出来るようにしておいてサーベスで一気に森を抜けるパターン。
これのメリットは、闇雲に探さなくていいことだな。
地上だから偵察機が使いやすい。というか、中継補給点の制作が出来るのだ。
幸いなことに、簡易的な基地でいいため、資材も今掘っている資材で足りるだろう。
これにより、一気に調査可能範囲が伸びる。
何か見つけたら、サーベスで一気に飛べばいいってわけだ。
デメリットは、発見までに時間が掛かる可能性がある事。
サーベス自身で進むわけではないから、何かあってもリアクションを起こしにくいのだ。
三つ目は、今いる基地から北か南に進むこと。
山はその方向に進んでいるから、山岳地帯を進むことになる。
街を見つけられる可能性は低いが、鉱山などの人の手の入った場所を見つけられる可能性は高い。
それが見つかれば、街も近くにあるってことになる。
欠点は、色々設備が足りなくなるかもってこと。
山岳地点だと、普通の通信中継機も置けない可能性がある。そうすると、中継補給点も同じだ。
探すこと自体、他のパターンより資材が掛かる。
防衛兵器も作る数は増えるかもしれないしな。まぁこれは森の方もそうなんだが。
ラストは、このまま基地の規模を大きくしてから街を探すパターン。
これを選ぶと、最終的に他の選択肢を纏めて行えるようになる。
ただ、恐ろしく時間が掛かるだろうことが簡単に想定される。
安定することには安定するが・・・人と会話出来ないって点で、あまりキクヒメはお勧めしていない。
俺の事を考えてくれているのだろう。ありがたい話だ。
逆に言うと、その点以外は気にすることはない選択肢であるともいえる。
こう考えると、これを選びたくなるが・・・
「先ず、海はないな」
『かしこまりました』
選択肢が一つ消える。
海はないってのは、先に他の方面調べた方がいいだろってことだ。
まだ調べてない陸地は多いのだから当然だ。
「次に・・・基地拡張は微妙だな」
これはやろうと思えば他の選択肢と同時に行えるからだ。
効率は落ちるが、森を進むのなら通信で基地建設は行えるからな。
となると、森や山かって感じか。
「・・・これだと森か?」
『森方面の基地建設候補地の選定も行えます』
「ああ、それもあったか」
俺は必要じゃないなって思ってるんだけど、キクヒメは基地をもう一つ作るべきだと言うのだ。
理由はわかっている。
今のいる場所に何があってもいいようにってことだろう。
サーベスがあれば、要らないと言えば要らないのだが・・・まぁ備えておけってことだろう。
ゲーム内ならともかく、ここは知らない未開の地。
何が起きてもいいように、備えすぎて損は無いってことだな。
まぁそれの優先度は低い。
サーベスもあるし、まだここも建設途中の物が多い。
地下もまだ手を付けられてないし、やるべきことは多くある。
新しい基地は、まだ当面先の話だろう。
「んー・・・じゃあやっぱり森か?」
『賢明な選択であると思います』
「山は、最悪開いてからでいいしな」
そもそも今俺がいる山。
北に行けば行くほど山が高くなっている。山頂何て雲で見えないくらいだ。
南も高い。今俺がいる場所が、非常に標高が低いのだ。
まぁ都合のいい土地であったことはありがたかったが。
これがあるから、偵察機も飛ばしにくいのだ。山にぶつかるってことはないだろうが、それ以外の状況に対応しにくくなる。
それに比べて、森はそういうのあんまりないしな。
木は生い茂っているが、そこまで背の高い木はない。
気温も丁度良いため、何か特殊な環境に機体を対応させなくていい。
あと、これは個人的な話だが・・・
「森の幸って何があるよ」
『キノコなどでしょうか』
「後は猪とか鹿とかいればいいねぇ」
割と期待しております食物関連。
正直言って、海にいって味を占めたと言ってもいい。
野菜とかは既に収穫しているが、あれは割と普通だった。
故に、期待しているのは肉だ。
こちらも養殖は出来るそうで、捕まえたいなとは思っていた。
まぁ森じゃなくても、平原を見つけられれば何かしらいる可能性があるし。
ぶっちゃけ、肉ならなんでもいい。
牛でも豚でも鳥でも羊でもなんでもいい。
ステーキタベタイ
「よし、森に行こう」
『了解いたしました』
早速行きましょう。
『周辺地域のスキャン終了』
「ここってどうよ」
『一般的な針葉樹林と情報が一致します』
「そこらへんは普通なのか」
『データにない果実を発見』
「・・・まぁそんなわけないか」
俺が初めに降り立っていた?場所から東に移動しているところだ。
下に広がるどこまでも続いている森は、非常に景色的には変わり映えしないから飽きる。
為に降りて、退屈しのぎに歩くと毎回毎回知らない何かを見つけるのは面白いな。
木の実とか、何か緑の果物とか。
検査の結果は食べられるそうです。味は梨で食感はブドウだった。
「今どんだけ進んだー?」
『出発視点より、332キロ』
「遠いなぁ」
予想通りだが、ここまで森は続いている。
このレベルだと、この大陸めちゃくちゃ広いんだなって思い始める。
通信中継点も無限ではない。
必要な素材は取れるとはいえ、本当にゲーム通りの仕様かどうかわからんしな。
ゲーム通りなら、一度資源採集機を置いたら無限に手に入るんだけど。
最悪、めちゃくちゃ資材を消費してある施設を作れるんだけど・・・それは本当に最後に作るようなやつなんだよな。
それも後回しだろう。
今はとりあえず人を探さなければ。
「村も何もないんだもんなぁ」
『建造物、および痕跡は確認出来ません』
「わかーとるよ」
まだ初日の数時間だけど、これが数日かかるのは不味いな。面倒だし飽きる。
機体の改造でも考えるか・・?
とか考えてたその時。
『偵察機05から通信。複数の建造物を確認しました』
「お!!05だと・・・南か?」
『向かわれますか?』
「もちろん。映像出して」
偵察機05・・・まぁ普通に小型の飛行機なんだけど。それの五番機ってだけだ。
05が見つけた建造物を映像で見る。
見つけたのは、小さな村のようだ。木造建築の・・・いや、そんな立派な物じゃないな。
人影は・・・写ってるけど・・・
「耳長くね?」
『スキャン終了。身体構造は、人間と差異がほぼございません』
「どれくらいの違い?」
『87%一致しております』
「あー・・・いやそれって」
DNA的な話ならチンパンジー以下じゃん。
「似てる・・・のか?」
『身体構図のスキャンの結果です』
「ああそういうね。言葉とか聞き取れる?」
『可能でございます』
「頼む」
人間ならともかく・・・てか、世界が違うだろうから言葉が通じるか分からないしな。
『集音モード起動』
「・・・そういやそんなモードあったな」
使わないから忘れてたわ。
映像に音声が付く。
耳の長い人々は、何やら深刻な顔で話し始める。
何やら、村に危機が迫っていると言っているのが分かる。
『あれから姿を見た物はいないのだな?』
『はい。それどころか、痕跡すら・・・』
『・・・ただ通りすがっただけなのか?』
『だとしても、森に被害が一切ないとは・・・』
『何者かに倒されたのでは?』
『いや・・・あのドラゴンが、何者かに殺されたとは考えにくい』
『そうだぞ!500年もの間倒されることのなかった凶暴なドラゴンだぞ!!』
『それに、もしそうだったとして、その存在自体も問題だ』
・・・なにやら大変そうな話をしているなぁ。
「・・・あのドラゴン、解析終わってたっけ」
『終了しております』
「そっかー・・・」
・・・多分あいつだな。
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