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131話

『おはようございます。検査結果をお伝えしますか?』

「・・・今何時」

『現在12時46分でございます』

「・・・まぁまぁ寝たか。検査結果は後で」

『了解いたしました』


その前に腹が減って仕方ない。

とりあえず食堂にでも向かうとしよう。


既に基地では昼休憩が終わったのか。それとも交代でやっているのか施設の稼働音が聞こえている。

あまり大きくない音ではあるが、ちゃんと動いてるんだなーというのが分かる。


「そういや。最近コヒメの方はどうなんだ?」

『定期連絡では特に問題はございません』

「ふむ。サーバーの方もメンテとか思ったけど」

『稼働率は下がっておらず、万全の状態をキープしております』

「そらまた良いことだな」


結構長いこと動かしっぱなしだが割とどうにかなるんだな。

一応予備サーバーはあるし、コヒメを避難させる用のパーツも揃ってはいるからいつでもできるんだが。


食堂に辿り着くと、中はあんまりにぎわってなかった。


「お昼時だよな?」

「あれ~おはよー」

「ん?モルナか。おはよう。皆この時間に食べないのか?」

「イア達はすぐ食べてすぐ行っちゃうんだー」


ああそういうことね。

そして一応時間は分けているらしい。

イアとモルナ達のチームが前半。残りが後半らしい。

大体一時間を基準にして交代が行われているんだとか。


「ちなみにここにいるのが多いのは?」

「ん~・・・イリートじゃない?」

「まぁそらそうか」


元気娘だからそらカロリーも消費するわな。

ちなみに交代だなんだと言っているが、実は好き勝手に休憩しているのを俺は知っている。

そしてその休憩時間は大体近くの遊び場にいることも。

まぁ施設への憑依自体彼らにとっては遊びみたいなものなのだが。

それで結果が出ているのだから俺は全く文句はない。むしろどんどん休んでほしい。


「てかお前は何してんだ?」

「ん~・・・zzz」

「おい」


テーブルの上で一人で座ってたモルナだが話の途中で寝やがった。

まぁこいつも休憩だった・・・ということだと思っておこう。

尚この後、ウンディーネの一人に担がれる様に回収されていきました。


そんなモルナは放っておいてお腹減ったのでご飯ご飯。

するとメニューの前には意外な人物が。


「あら?アルカナ?」

「ん?ああ。あなたか。ここで見るのは珍しいな」

「それ俺のセリフなんだが。フィアに頼まなかったのか?」

「今日はお休みだからね。そんな日に頼むのもあれだろう?」

「ああそういえばあいつも今日か」


フィアはメイド。だがちゃんと休みの日が設定されている。精霊亜種達もそうだが。

その日には出来るだけ仕事は頼まないようにはしている。

偶にあっちから物を持ってきてほしい時には頼んでしまうが。


アルカナにフィアの事を言ったのは、基地にいる間の世話・・・ご飯とかの用意をフィアに任せていたからだ。

俺の基地の食堂も俺的には十分美味しいとは思うが、やっぱりこの世界の人間的な好みとかあるしな。

精霊亜種達は気に入ってくれたが、アルカナがどうかは分からなかったから任せてみた。

感想的には物凄く美味しいとかいわれたから、まぁ気に入ってくれたんだろう。


「じゃあお前らは今日はここか」

「実は定期的に来てたりするんだがね」

「ん?そうなのか?」

「・・・ほら。体を動かすとお腹が減るじゃないか」

「おやつでここの飯食ってんのかお前は・・・」

「分かってる・・・分かっているんだ・・・だがお腹が減るんだ・・・!!」


太るぞとは言うまでもないようだ。


「そんな腹減るって何してんだ?」

「いや普通に鍛錬だな。幸いここにはいい見本が多い」

「・・・お前の見本になりそうなものとかあったか?」

「アカリがここの・・・端末?を弄って映像を見せてくれたんだが。ダメだったか?」

「何も問題ないけど一言断れやあいつ」


多分『スパロウ』とかの近接戦闘映像を見せたんだろう。

ああいうのならアルカナでも参考にはなるかもしれない。


「・・・なるのか?」

「距離の取り方や、隙の作り方。かなり勉強になるんだ」

「ほぉー・・・映像に出てきた機体の名前分かるか?」

「『イェーガーナハト』という名前だったはずだが」

「あいつのか・・・」


俺の戦闘映像では全く学べなさそうなラインナップだったがそれなら納得だ。

純近接挌闘機として見るなら最高峰。

あまりにも新しい能力を追加しないその在り方からロートルの怪物とまで言われた機体だ。

速度でも装甲でも、あらゆる点で最新機体に劣りながら近接戦では常に最強格と言われいていた。


「純粋なパイロットの腕前だけでそれだったからなぁ」

「なるほど。素晴らしい剣士だったのだな」

「あの人本当に・・・うん。怪物だったな」


何でストレングスギアで銃弾切ったり出来るんだよ。


「ところで本当にそれだけ食うのか?」

「・・・食べれる時に食べるというのが、旅の時の癖でな」


アルカナの目の前には並々と盛られたカレーライスが。


「美味しいからいいじゃないか!」

「何も言ってねぇよ」


まぁこの世界で香辛料を使った料理とかはあまりないだろうから珍しいのかもな。

・・・ん?香辛料?














「お前の所で売れる―?」

『・・・いきなり連絡が来たと思ったらとんでもない話だったの』

「そう?」

『下手したら金と同じ価値で取引されるぞ』

「わぁお」


そういえばこういう話だと香辛料の取引ってのはかなり重要だったのをすっかり忘れていた。


食堂にはカレーなどのメニューがある。

だから当然スパイスなどの物もしっかりと存在している。

つまり、基地の中で生産が行われているということなのだ。

サーベスの中でもやってるから、結構な量が毎日手に入ったりする。


アルカナの話を聞いて、これ売れるのでは?と思いリアに聞いてみたのだ。

そしたら想像以上の返答が返ってきたわけだが。


『いやな?そもそもお主たちからしたら実感はないだろうが貴重品なのだぞ?』

「らしいな」


それはアルカナに聞いていた。


「実際どれくらい貴重なんだ?」

『国にもよるがな・・・我が国だとかなりとだけ言っておこう』

「金と同じと」

『・・・最悪それ以上になる時もあるぞ』

「えぐ」


海岸沿いの国で、他の大陸と交易をおこなっている所は比較的手に入りやすいらしい。

だがあくまでも比較的だ。それでもかなりの価値がある。

そんな所に、俺というコスパ最強の交易先が現れたらどうなるか。


『本当に他の国が殺到しそうなことになるな』

「うわこえぇ」

『ふむ・・・お主確か、ゲル商会は潰してしまう予定なんだったな?』

「今抱えてる案件終わったらやるけど」

『どれほどかかる予定だ?』

「・・・修理次第だけど、後一週間はいらないな」


ゲル商会・・・人を攫い売り飛ばす外道共の情報はあらかた集め終わっている。

主にリアから聞いた情報だけど。これは交易関係なしに俺が買った物だ。

それが何か関係あるのだろうか。


『有象無象に一々絡まれるのも面倒だろう?』

「まぁ面倒だな。ここにいりゃ問題はなさそうだけど」

『いや。うちが面倒になるのだ」

「あ、そっちか」


まぁそれもそうか。

俺は人里離れた辺境の地に基地を建造して住んでいる。

だがそもそもここは人間にとっては未開の地。そして危険な生物が跋扈していると思われている所なのだ。

だからここに人が来るってことはほぼありえない。気合の入った馬鹿くらいなものだろう。


しかしリアの所は違う。

正式に貴族として国にいる以上、そういった筋からの接触は絶えないだろう。

それも貴重とされる香辛料を扱う様になれば猶更だ。


『そこでだ。一つ提案がある』

「ほう」

『ゲル商会を潰した後に、それを宣伝させてもらいたい』

「・・・はい?」

『その名を持って、牽制したいのだよ』

「まぁ名前だけだろうからいいけど・・・それでどうにかなるもんか?」

『裏に少しでも通じていれば、ゲル商会の名は聞こえるからな。

 それをたった一つの勢力が潰したとなれば、それだけで十分すぎるほどの牽制になるわ』


ゲル商会は、多かれ少なかれ各国に手を伸ばしている大商会。

あまり表には出てこないが、その分裏が真っ黒。

どこの国の貴族も多少は繋がりがあるレベルなんだとか。

流石に政治に直接関わるような高位の貴族は違うそうだが。


そもそも、そんなデカい商会相手を潰すのに俺はどうするのかという疑問があるだろう。

これはリアにも聞かれたことだ。

だがそもそも勘違いをしている。

数が多いというのは、俺にとっては全くマイナスポイントにはならないのだ。

その気になれば大陸一つ覆いつくして何もかもを破壊するとかだって出来るのだ。

それをリアに教えたところ、珍しく慌てていたが。


『頼むからそれは止めてくれよ?』

「潰しきれなかったら考えるけどな」

『こちらでも手引きはしているから、頼むから』


そして、これを聞いたリアは一つの協力を約束してくれた。

そもそもゲル商会とは、商会のトップとその直属の部下数名がすべてを決めて動いている。

つまりそこを潰してしまえば、あっという間に崩壊する集団なのだ。

他のゴロツキや訳ありの人物たちのみ。この権力を持っている連中は限られている。


当然彼らも自分達がいなくなることの危険性は承知している。

リアに聞いた話では、魔道具を用いての会話のみで打ち合わせを行い、一度に纏めて捕まることを避けているようなのだ。

そしてさらに、幹部とボスがいる場所の貴族には当然の様に彼らの金が回っている。

何かがあっても、権力で無かったことにということが出来てしまうのだ。


だから俺が一人で潰そうとすると、大陸の端から始までローラーする必要がある。

この世界にはセキュリティって概念が無いから、ぶっちゃけ無人機に指示出せば終わる程度のことだが。

しかしこれはリアに止められたので出来ない。

だけど俺はやりたい。なにせ手間が掛からないし。他の知らない人間が被害を食らった所で俺は知ったこっちゃないからだ。

まぁアルカナ達みたいに知り合っちゃうとひいきしたくなるんだが。


『もう少しで奴らの場所も分かる。そこを狙い撃てば終わりだろう?』

「まぁそこにいてくれるならな」


リアは貴族だ。そしてゲル商会の手が回っている連中も貴族が多い。

だが同じ貴族でもリアの方が圧倒的に上だ。

存在自体が伝説上の物で、世界全体で見てもリアに勝てる者はいない。

そんなリアが圧力を掛けたら・・・まぁ金なんかじゃどうしようもないわな。


「全員を一か所に集めるのは出来ないのか?」

『流石に厳しそうだが・・・む?しばし待て・・・ほうほう』

「どうした?」

『喜べ。お主の願いが叶ったぞ』

「ほう?」

『ゲル商会の幹部共が集まることが分かった』

「はい?」


それはまた・・・突然だな。


「またなんでだ?」

『どうにも奴ら、定期的に集まっている様でな』

「へぇ。よくこのタイミングで分かったな」

『何。少し協力を頼んだ者が教えてくれてな。どうも奴らも投資も行っていたようだから信憑性はあるだろう。

 無論こちらで裏付けも済んでいる』

「へぇ・・・場所はどこなんだ?」

『大陸中央部に存在する『セリア』という街だ。今からちょうど一月後』

「ほぉ・・・いいね」


これはまさに丁度いいタイミングってやつだな。

『ドルフィンレーン』のこともあるが、そっちも準備は進めておくか。

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